エルフの森からの使者
ポポロがウェリーを乗せこちらに飛んで来る。
「帝都ではライエル皇子が新王になった。ここはどうなった?」
「新王?どうして?」
「こっちは上手く行ったと思う。神様総出だったからな」
「? また凄い事をサラッと言うのだな」
ウェリーが帝都で起こった事を話してくれる。
「第三皇子は?」
「一応王族だから幽閉という名の拘禁だ。
問題の母親が死んだのだ、温和しくしているようだ」
「シェリューとは会った?」
ウェリーが
「シェリューは王妃になった」
「え?」
「俺がケサンドラ家の養子となる。
ライエルには許嫁がいた。
その子を好きらしいが、まだ未成年者なんだ。
だから、あと二年待つ事は出来ないので、その場に居たシェリュー・ケサンドラを選んだ」
《ウェリーの養子は直ぐに認められたよ》ポポロの声がする。
「ここからは内緒の話だが、一年半後、シェリュー・ケサンドラは死ぬ。
そして、俺は死んだはずのシェリューと結婚する。
貴族の上層部が決めた事だ」
「ウェリーの気持ちは?」
「……嫌じゃない……たぶん。貴族になるのには、まだ抵抗があるが」
「そう」
一月後、皆が帝都に呼び出された。
私達以外に、他国の貴族もいる。
ベクター・ゼステスが新しい大神官総帥に決まったらしい。
一応、新王とシェリュー・ケサンドラの結婚式だ。
式が終わると、エルフ族のガテム・ジェノブーナに呼び出され森に行く
あの青年=ゼノス様とハーデル様が待っている。
《 帝都に我々が現れると大騒ぎになるので、来てもらった 》
《 すまないが、助けて欲しい 》
ハーネル様の元気がなくなっていった。
サリが治癒魔法を使うが変わらない様子だ。
《 ハーネルは半分人間だ。
我々はどうする事も出来ない。これはエリクサーの葉だ。
これで万能薬を作ってくれないか?
サリの力でも半神を治す事はできないだろう 》
「私の調薬魔法のレベルはまだ万能薬を作れるレベルではないです」
《 “徳”のレベルがマックスではないか。それを調薬魔法のレベルに回しても良い 》
「“徳”のレベルを?」
《 だたし、向こうで生き返るにはまた時間が掛かるが。
それとも、完全にこちらで生きていくか、選ぶのは君の自由だ 》
「それは……。兎に角、調薬魔法をやってみます」
ゼノスが私に触れる。
ステータスを見ると、調薬魔法のレベルが99に到達していた。
鞄から本を取り出し最期の頁を開くと
万能薬のレシピが現れた。
素材は珍品ばかりだ。
――黒竜の鱗
ペガサスの羽根
ルミエの根
エリクサーの葉
紫珊瑚の卵
聖水
以上で出来た結晶を黄金の神桃のエキスに溶かす
聖女サリが聖水作れても……
《 大丈夫だ。必要な物はたぶん揃う 》ゼノス様が断言する。
「黒竜の鱗は?」
「俺が持っている」圭が応える。
「ペガサスならポポロがいる」ウェリーが応える。
「ルミエの根なら教会に保存されている」ベクター・ゼステスが応える。
《 エリクサーの葉と黄金の神桃は私が持っている 》ゼノス様とアポロ様が応える。
「後は?紫珊瑚の卵?」
「春と秋の満月にエッコの海でしか取れない物だ」ヒロ・ガベル・ムトーが応える。
「明日が満月だ!」ケープが応える。
《 ならば 俺が取ってこよう 》
ハーデル様が最後の手を挙げた。
「以上の物を聖水で調合五時間はかかる。
三日後に上手く出来るといいけど……」
サリが聖水を作り出した後、ハーネル様に治癒魔法を掛け続ける。
全ての材料が届いたので調薬を始める。
しかし、魔法の力が足りないのか、五時間経っても結晶は出来なかった。
諦めない!
皆が魔力を少しずつ私に渡してくれる。
最後にゼノス様が力をくれる。
それから一時間、小さな紫の星の形の結晶が数個現れ始めた。
皆の力で漸く成功した。
結晶3つを神桃から絞り出したエキスで溶かし少しずつ飲ませる。
ハーネルの顔に少し色が差す。
封印されて、天界に行って 父親が側にいても心が悲鳴を上げたのだろう。
「雲より土がいい」
そう言ってハーネルは起き上がり、土を触り始めた。
土が獣に変化していく。
やっとハーネルが笑った。
皆が笑った。
ハーデル様は泣いていた。
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