神を酔わす酒(ハーデルVer)
残酷描写あり
今回のお話(ハーデルVer)は 神ハーデル様 の視点で描かれています。
―― 人間の娘リリーを一目見ただけで恋に落ちた。
子供が出来たと聞きゼノスに相談に行ったが、兄は眠っていた。
いつ目が覚めるのかは解らない。
地上に降りるとリリーは亡くなり男の子がいた。
私は逃げ出した。
暫くして、精霊トキから息子の名前がハーネルと聞いて、
リリーの気持ちに気づき 時々教会を訪ねるようになった。
どんどん大きくなる我が子が愛おしくなった。
それなのに……
「勇者がハーネル様を魔王だと言って殺してしまいました。
私が気付くのが遅くなり申し訳ありません」
あの男が頭を下げている。
私は怒りで我を忘れ、人々の世界に影響を与えてしまった。
止めに入った使途のタムが真っ白になってしまったのを見て、心が壊れる音がした。
何もかも上手くいかない。
俺の嘆きを哀れに想い、あの男が酒を勧めてくる。
いつもなら飲む事の無い酒を口にしてしまった。
強い酒か?不覚にも俺は酔ってしまった。
「具合がお悪いようですね。葡萄ジュースです」
出された物を一気に飲んでしまった。
あの男が笑っている。
「あぁ、人の血肉を口にされたようですな……」
《 なに? 》
「貴方の息子の血が入ったジュースですよ。さぞや美味しいでしょうね」
《 何を言っている 》
気が遠くなってくる。酔っただけではなさそうだ。
ハーネルの血だと?何故?
目覚めると手足が鎖に繋がれている。
神力が出ない!動けない!
あの男が笑っている。
「本当に人の血肉を口にすると神力が出ないというのは本当だったのですね」
《 お前……許さんぞ 》
「神力を失った神は不老不死なのでしょうか?」
《 他の神が我を探しに来るぞ 》
「この部屋は地下深くにあり、壁は闇魔術で塗り固めたものです。
貴方の声が天界に届きますかな?」
《 お前の望みはなんだ? 》
「実験ですよ。神が死ぬのか?」
あいつは狂っている。きっとハーネルを殺したのもあいつかも知れない。
ゼノス!早く目覚めて助けてくれ!
「しぶといな。二年か!なかなか神は死なないもんだ」
あいつは笑っている。
しかし、最近になってあいつの側近が私を助けるという。
隠れて最小限の食料を届けてくれる。
どうせ最後だ。賭けてみるか。
《 私の髪をエルフに届けてくれ。もしかしたら……頼む 》
毟り取った髪をベクターという男に渡してみる。
読んで頂き有り難うございます。
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