王妃への裏話(シェリューVer)
今回のお話(シェリューVer)は シェリュー・ケサンドラ の視点で描かれています。
帝都について直ぐに父に城内に呼び出された。
部屋にはライエル皇子と宰相と父がいる。
新王が第二皇子ライエル様に決まったらしい。
「僕には許嫁タイラがいます。結婚式は二年後で良いではないですか」
「いいえ。王となるには王妃は必須です。王妃と共に戴冠式を行わなければなりません」
父が提案する。
「どうです。我が娘を娶るのは?シェリューは元々第一皇子の妃候補でしたから」
「えっ?」
初めて好きな人が出来たのに違う人の妃になるの?
貴族の娘としては決定に従うしか無いのかしら?
「怪我を理由に断っていましたが、今は怪我も治りましたから大丈夫です」
「お父様。どうしてもなのですか?」
「なので、チェルライトの息子さんをケサンドラ家の養子にしたいのですが?
新王、宜しいですか?」
明らかにライエル様は動揺している。
そこにウェリーと父であるゲル・チェルライト様が入ってくる。
「息子を
宰相が話を切り出す。
「シェリュー・ケサンドラ様の火事もたぶん王妃の仕業だったのでしょう。
自分の息子の相手が我々側の人間で気に入らなかったのでしょう
そのことを知った第一皇子が毒を飲んであの状態になられたのです」
驚いた!
第一皇子の病気は私の事が原因だったの?
「ここから先は極秘です。
シェリュー・ケサンドラ様には二年後死んで貰います」
「何を言っている。シェリューにそんな酷い想いをさせられない」
ライエル皇子とそしてウェリーが怒っている。
それだけで嬉しい。
「最後まで聞いてください。
二年後死んでシェリュー・ケサンドラ様には別人になって欲しいのです」
「わかった」
父が嬉しそうな顔をする。
何故?
「そして、ライエル皇子はダイナ様と再婚されたらよろしいかと」宰相が勧める。
「では、シェリュー様は私の姪マリー・チェルライトになっていただこうか」
ウェリー様の父上のチェルライト様?
「それで、うちの養子と結婚するというのはどうですか?」
父が意地悪な顔をする。
うちの養子とはウェリー様?
急に顔が熱くなる。
「ウェリー様はそれで良いのですか?」
私はウェリー様を見つめる。
「君が嫌いでは無い。貴族という物が苦手なだけだ」
ウェリー様も顔が赤い。
嬉しい。
「でも、新王と結婚して二年間は王妃なのですよね、私」
「決して君には何もしないと誓う!」
ライエル様が両手を上げ宣誓すると、貴族から笑いが溢れた。
密談から三日もしないうちに結婚式が執り行われ、
一週間後に戴冠式が行われ、正式にライエル様が新王になられた。
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