領主様との面会
コタが落ち着いた後、ツクリウリュート兄さんは一旦兵士の寮に戻って行った。
因みによくわからないコタの呼び名は『登録名』とか言ってたけど、ややこしくなるので却下。
兄さんの事も、様付けは勘弁してくれと本人に言われて『リュートさん』と呼ぶ事となった。
コタって時々壊れるよね。
夕食はリュート兄さんも一緒に、ミルフェルラク兄さんの家で食べた。
リュート兄さんは早速領主様に話しを取り次いでくれた様で、3日後に領主様とお会いできる事となった。
姉さんは、3日は長いと感じた様だけれど、突然訪ねて来たのに、会ってくれるだけ凄く心の広い領主様だと思う。
暫くこの町で過ごす事となったので、ミトさんは手持ちの品で商売と、この町での仕入れをする為に別行動する事となった。
コタは……リュート兄さんの追っかけをしている。
「リアルリュート様」
と呟きながら、兄さんの仕事ぶりを飽きずに見ている。
ボクと姉さんはミルフェルラク兄さんの店の手伝いや、上の姉さん、レシィーリス姉さんの家に会いに行ったりして日を過ごした。
そしてこの町に来て3日後、ボク達は領主様の屋敷へとお邪魔する事となる。
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結果から言うと、領主様の後ろ盾まで貰ってしまった。
領主様も昔話の冒険者の話が、子供の頃から大好きで、できるなら冒険者になりたかったそうなのだけれど、領主を継がなければならないので諦めたのだとか。
姉さんと冒険者の話で意気投合して、とても盛り上がっていた。
だから、リュート兄さんの同行も二つ返事で了承してくれたし、それだけではなく、若者だけのパーティだと何かあった時に困るだろうと、西の果ての村に住む方に紹介状を書いてくれた。
「山脈の木材を採って来る木こりの住む村がある。
そこで誰か同行してくれる様に書状を書くから、西の村の村長へ持っていくといい。
山脈の浅い辺りだろうけれど、多少は山脈について知っている人々が住む村だから、同行は無理だとしても、山脈へ入るための知識を教えてもらえるかもしれないからな」
有り難い配慮だ。
ボク達の住んでいた場所は東の端の方なので、西の山脈については、魔物が出るかもしれないとか、かなり過酷な道行だとか言う噂しか届かない。
だから少しでも情報が貰えるのなら、かなり助かると思う。
その日は領主様に引き止められ、館に泊まらせていただいた。
姉さんは夜遅くまで領主様と、酒を酌み交わしながら、冒険者の話しをしていたみたい。
領主様の所持している冒険者についての書物は、姉さんの知らない事まで書いていた様で、姉さんは大興奮。
同好の士を見つけた領主様も、どれだけ話しても食いついて来る姉さんに気を良くして、話は尽きなかったそうだ。
コア過ぎて付いて行けなくなったボク達は、先に休ませて貰ったよ。
リュート兄さんの仕事の引き継ぎも終わり、領主様の治める町を出発したのは、町に着いてから8日ほど経った朝だった。
これからの予定は、点在する村や町を通り、中央に位置する王都へ。
王都を通り抜けそのまま西の果ての村を目指し、そこで領主様の書状を村の長に見せ、人員確保か情報を得てから、いよいよ山脈に突入だ。
村を出て10日か。
ボク達の旅は順調に進んでいる様だ。




