102 映画「ボーはおそれている」
こんにちは。
最近、映画の話も多めですが、まあよかったらお付き合いくださいませ。
さっそくですが、今回の作品はこちら~。
〇「ボーはおそれている」(原題「Beau is Afraid」)
2023年製作
監督:アリ・アスター
原案・脚本:アリ・アスター
主演:ホアキン・フェニックス
アメリカ 179分 R15作品
監督があの話題沸騰した「ミッドサマー」のアリ・アスターということで(とはいえわたくしまだ「ミッドサマー」をみてなくてアレですが)、「スリラー作品」というのも知っていたので、最初からわりと覚悟してというか、警戒しながらというか、そんな感じで観にいったわけですが。
いや~もうね、ほんまにね……。
脳が何回もひっくり返されるような感覚を味わうというかね……。
ほらアレですよ、皮つきのイカを切れ目を入れてから焼いたら、くるんくるんてひっくり返っていくやないですか。なんか、脳がアレをされてるような感覚になる映画。
主演のホアキン・フェニックスもまた、あの「ジョーカー」の方ですしね。とにかく緊張感がすごい。
日常的に、いろんな出来事にすぐに不安を抱えてしまう男、ボー。だというのに、彼はなぜか、非常に不安を生じさせられやすいであろう、ものすごく治安のわるーいダウンタウンのアパートで独り暮らしをしています。
離れて暮らす母の誕生日のため、飛行機のチケットを予約していたボーでしたが、その前日、身に覚えのない騒音の苦情の手紙をやたらとドアの下に入れられてしまいます。それが何度か繰り返された挙げ句、今度は仕返しのような爆音で隣から騒音が。そうでなくても普段から不眠ぎみなのに!
夜じゅう眠れなかったボーは、明け方になってようやくうつらうつらと眠っていたところ、飛行機の時間に間に合わないような時間に目が覚めてしまい、大慌て。
スーツケースに荷物を放り込み、ドアまで出ていきかけたところ、ハッと忘れ物に気づいてとりに戻ると、なんとスーツケースと、ドアにさしていた部屋の鍵が忽然となくなっていて……。どうやら盗難にあったらしい。なにしろ治安が悪すぎるからね……。
パニックになったボーは大家さんと母親に電話するのでしたが、大家さんにはセールスの電話と間違えられるわ、母親には「本当は来たくないんでしょ、だから嘘をついてるんでしょ」と疑われ……。
そうこうするうち、また電話をかけたところ、母の電話に知らない男性が出ます。彼は荷物配達の人で、なんと母が家で怪死を遂げたというのです。驚き悲しみ、さらにパニックになるボー。
そんな感じで、とにかくボーは母の葬儀のためにと旅に出るのですが、その道中も、ひたすら悲惨な事件に次々に巻き込まれていくのです。
なにしろ心の平安がない。「人の心がないんか」と思うぐらい、彼にとっては気の毒な、そして奇想天外な事態がつぎつぎに起こるのです。
ラストも衝撃的。
「いやそれでええんかーい!」ってツッコミたくなりましたけどもね、私は(苦笑)。
なにしろ「あ、ようやく常識的な人が出てきた? これでボーちょっとは助かるの?」と思ったら、常識人の顔してとんでもない人やったりするもんで、ほんと気が抜けない(褒めてます・笑)。
怪作には違いないのですが、なんかもう一回みたら忘れがたい作品。そこがアリ・アスター作品の凄さなのでしょうね……。
いやいや、どうぞアナタもご自分の目で確かめてみてくださいませ~。
ではでは。




