終わりから始まりへと
リンとの再開はマリアに少なからず影響をもたらした。そしてマリアは前を向く。
しばらく城で暮らしたマリアとシオンは領地に帰る日になった。
支度を終わらせて、王に挨拶まで済ませた。
もういつでも領地に帰れる状態だ。
その状態で、マリアはシオンを連れてある場所に来ていた。
マリアにとって始まりの場所。
白い花畑だ。
「ここはまだ咲いているのね」
白い花畑が一面に咲いていた。
「へー綺麗だねぇ。やっぱり花畑に姫って構図は似合うねぇ」
シオンは笑みを浮かべてマリアにそう言った。
マリアも微笑んだ。
「ここはお気に入りだから。偶にしか来ちゃダメよ?」
「へいへい。どっちみち私はこの辺は活動地点じゃないから」
そう言ったあと、シオンはマリアに問うた。
「マリア。あんたここに来て、なんか迷ってたようだけど。答えは出たかい?」
その言葉にマリアは頷く。
「ええ決めたわ。聞いてくれるかしら?」
そうシオンに質問した。
「その為に私は付いてきたんだよ」
そう言ってくれた。
マリアは有難いと思っていた。
シンやガイウスにマリア死亡の事実を言う前に、誰かに気持ちを吐き出して置きたかった。
その時になって冷静でいられるように。
「私はいままで使命感で騎侯士をやってきた。誰かがしなければならないって思ってた」
「格好いいね。茶化しとかじゃない。本当にそう思うよ」
「ありがとう。でもこれからもそのままじゃあ済まないと思う」
「・・・・・」
シオンは沈黙している。
マリアの言う台詞を全て聞こうと、そういう心意気でだ。
「だから迷ってた。自分が人を救い、人を不幸にし、それでも前に進まなければいけない立場に」
マリアはそう言った。
そしてシオンは真剣な顔でマリアに問うた。
「それで?どうするんだい?」
シオンの質問にマリアは答えた。
「これからも私はマリアであり続ける為に、騎侯士として生きるわ」
そう決意して空を見上げた。
青色の空は、マリアがこの世界に来た時と同じ色だった。
最後のパートになります。
ここまで読んでくださって本当に有難うございます。
本当に、ミヤビだったりマリアだったり双子ちゃんだったりとわかりずらかったと思います(というか作者がわかりずらかった)。
でもある程度納得の行くものに仕上げられたかと思っております。
皆様の貴重な時間を使っていただき有難うございます。




