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Police・Different World・Trip  作者: 疾風の焼き鳥二十九号
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第二十六話 二人のメンバー

結城君達と合流し、町に生還した。道中でテコのじいさんが自ら結城君に謝ったのは驚きだった。

「その顔だと…うまくいったようだな。ところで…そこのご老人と少年は誰だ?」

町長がご機嫌で出迎えてくれた。それでこの二人は…魔法使いのテコと、“勇者”こと弘瀬成木。この町に魔王討伐のメンバーが来るらしいのでここに来たらしいです。

「あなた方が例の…メンバーが二人来てますよ。呼んできますね。」

町長が“魔王討伐のメンバー”を呼びに行った、弘瀬君は“グラ”を自分が一人で倒したって町の人達に吹聴している、確かにトドメを刺したのは君だけどさ、そこまで追い詰めたのは僕達じゃないか、それに君のせいで情報を聞き出せなかったし。

「連れてきましたよ。」

町長より巨体の男と、少し小柄な男が連れられてきた。

「僕はイラ。」

「俺はアントニー、よろしく。」

大きい方がアントニーさん、小さい方がイラさんね。

「君が…勇者?」

ああそうだ、とイラ君の問いに弘瀬君は頷く。

「勇者としての力が見たい、お手合わせ願いたいり」

いいよ、と弘瀬君は即答した。やけに自信満々だな“勇者”さん。

剣を鞘から抜きイラに斬りかかるものの、同然のように回避される。続いて2.3発魔法で攻撃するが、それも難なく避けられた。

「本当に勇者なの?もっと本気で来いよ!」

連続で攻撃しているが一発も当たっていない。イラ君が呆れた表情で、筆を取り出し筆から弘瀬の腹部に光線を撃ち込んだ。

「おいアントニー、お前の言ってた“勇者”ってこの程度だったのか?」

アントニーは無言で俯いている。苦悶の表情でイラ君を睨んでいる弘瀬、意識が離れたらしく、慌ててテコのじいさんが駆け寄った。

「悪いアントニー、魔王討伐のメンバーのことだがキャンセルさせて貰うよ、“勇者”がこんなんじゃ先が見えてる。」

勝手にしろ、と言いたげな顔で巨大な男がイラを見る。“勇者”さん、仲間になる予定の人に失望されてどうするのよ。

魔王を倒す具体的なプランが無いし、イラ達とも交流したいし少しこの町に残ってもらうか。

宿の料金は…自腹にするか。


~to be continued~

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