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先生を助けてください.log  作者:
ANCHOR-β関連記録

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第12話 担任個別指導メモ

【文書種別】担任個別指導メモ

【作成日】2146年6月13日

【作成者】白峰学院高等部 2年A組担任 深瀬亮平

【対象】2年A組 真柴透

【保存先】2年A組担任管理フォルダ

【状態】北棟三階事案後、生活指導部により複製保存

【備考】正式な懲戒記録ではない。進路支援、学習支援、奨学金継続確認のための担任用控え。


1. 面談予定


実施予定日:2146年6月14日

予定時刻:放課後

予定場所:北棟三階 第二準備室

対象生徒:真柴透


面談目的。


・前期中間考査後の学習負担確認。

・StudyNest利用時間と睡眠時間の整理。

・電脳保守通知への対応確認。

・奨学金継続審査に関する本人不安の確認。

・校内補習以外の補助策を提示するかどうかの判断。


面談冒頭で、叱責、処分、成績警告ではないことを明確に伝える。

本人は「確認」を「評価」と受け取りやすい。

質問は短くし、本人が言い訳をしていると感じる流れにしないこと。


2. 参照資料


確認済み資料。


・進路希望調査票・担任面談記録

・奨学金継続審査資料

・StudyNest校内連携ログ

・睡眠管理連携記録

・電脳保守通知履歴


対象生徒の現状については、上記資料を参照。

本メモでは、成績、家庭状況、奨学金条件の再整理は行わない。


現時点で重要なのは、本人が基準外にいることではない。

基準内にいるにもかかわらず、本人がすでに基準外のように行動していることである。


3. 担任所見


真柴透は、努力不足の生徒ではない。

むしろ、努力以外の手段を自分に許可しにくい生徒である。


本人は、休息、相談、制度利用を、遅れ、甘え、特別扱いとして処理しやすい。

そのため、通常の補習案内や制度説明だけでは、本人の不安は下がりにくい。


本人は「まだ大丈夫」と言う可能性が高い。

ただし、その場合の「大丈夫」は、状態が安定しているという意味ではなく、支援を受ける理由がまだ自分にはない、という意味に近い。


この点を取り違えないこと。



4. 外部補助に関する整理


外部補助は、本人に不正を勧めるためのものではない。

本人が何に困っているのかを、本人が言葉にするための導線である。


正攻法で間に合う生徒には、正攻法を提示すればよい。

校内補習、課題調整、睡眠改善、奨学金面談。

それで十分な生徒もいる。


しかし、制度は、間に合う子だけを救う。

本当に追い詰められた生徒は、助けを求める前に沈む。

助けを求める言葉を持つ前に、学習量を増やす。

学習量を増やし、睡眠を削り、さらに不安定になる。


真柴はその入口にいる。


本人に道具を渡すことが目的ではない。

本人が、自分には道具を使う権利があるのかを確認する前に、道具の存在を知っておく状態を作ることが目的である。


5. 情報の出し方


本人には、すべてを一度に説明しない。

本人が今知ることで、かえって不安定になる情報もある。

情報の順番を整えることも担任の役割である。


面談一回目では、以下に留める。


・校内補習以外の補助策が存在すること。

・本人の努力を否定するものではないこと。

・使うかどうかを今決める必要はないこと。

・学習記録や電脳保守状態によって、向き不向きがあること。

・合わない場合は中止できること。


触れないこと。


・具体的な紹介経路。

・具体的な導入手順。

・使用者の実名。

・校内での利用者数。

・記録の残り方の詳細。

・本人が不利益を受ける可能性のある未確認情報。


本人から強く質問された場合も、答えを急がない。

「次回、確認したうえで説明する」とする。


6. 記録管理


本人の相談内容は、文脈なしに共有しない。

家庭事情、奨学金不安、学習ログ、電脳保守通知は、それぞれ単独で扱うと本人の評価に影響しやすい。


外部補助に関する発話が出た場合も、即時に正式記録へ転記しない。

本人が不利益を受ける形で、発話だけが残ることは避ける。


ただし、記録しないという意味ではない。

記録する前に、本人の意図、理解度、拒否理由、支援上の必要性を整理する。


共有する場合の優先順位。


担任管理メモ。

進路指導部への要約。

奨学金担当への必要最小限の共有。

養護教諭への体調面のみの共有。

生活指導部への共有は、懲戒事由が明確になった場合のみ。


記録は、生徒を守るためにある。

ただし、記録は生徒を縛ることもある。

扱いを誤らないこと。



7. 担任補足


真柴は、自分から助けを求めるのが遅い。

助けを求める前に、自分が助けられてよい理由を探す。

その理由が見つからないと、努力量を増やす。


この状態を、真面目とだけ評価してはいけない。

真面目な生徒ほど、制度の外に押し出されることがある。


私は、本人に不正をさせたいわけではない。

本人が、自分の努力不足として処理しているものを、支援の対象に戻したい。


正しい道を歩ける生徒は、最初から正しい道に乗れる環境にいる。

そうではない生徒に、同じ正しさだけを求めることは、支援ではない。


本人の努力不足ではない。

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