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傀儡鎧と金属少女の西方征伐記  作者: 松房
第七章 邂逅
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第25話 不信の二人

あの舌打ちした来訪者が登場です。

13日ぶりの投稿・・・忘れさられてはいませんでしょうか・・・

・・・やはり安直な考えだったか。

私はダンマから上がって来た経過報告書に目を通し頭を抱える。

「・・・職員の報告によれば奴の抱えている罪の強い意識と呪いにあてられて作業にあたっていた職員が倒れてしまうとの事、ねぇ」

にわかに信じ難い話だが職員が倒れたという事実がある以上突っぱねる訳にもいくまい。

「奴の魂を祓う方法の調査は今後も続行しますが取り敢えず奴の骨から魂を抜き取り石に封じこめようと思います・・・」

私は報告書に印を押し、ダンマに向けての私の意見をまとめた紙を連絡係に渡す。

無言で去って行く彼を見送ると少し寂しさを感じてしまう。

まぁ、それは単なる職員としては正しい対応なのだが。

私はダンマが上手くやってくれる事を願いながらだいぶ近くまで迫った金属種(メタルム)達との合流へ向けて必要な書類を処理し始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「すまないな。昨日の今日で」

「いえ、貴方は私の上官ですから」

わしは奴を祓おうとした翌日、再度二人組を招集した。

昨日倒れてしまった女性の姿は無くまだ寝込んでいるらしい。

「・・・彼女は元気か?」

「はい。ただ大事を避ける為今日は休ませてあります。折角の招集、今からでも呼んできますか?」

「いや、いい。元はと言えば干渉術に明るくなかったわしが悪かったんだ。それに今日は今後について話を煮詰めたいだけ、そう気遣わんでも良い」

「ありがとうございます」

彼の表情が若干緩む。

その様子にはとても好感が持てた。

しかし、ここはあくまで仕事の場、彼だって好き好んでここに居る訳でも無いのだからさっさと話を済ませてやらればならない。

「ところで今日呼び出した本題なんじゃが」

「はい」

「ずばり、人の魂を物に封印と言うか・・・乗り移らせる事は可能か?」

先程緩んだ彼の表情は再び引き締まり、目線もキツいものへと変化する。

良い顔だ。

「はい。可能です。ですが一つ問題があります」

「なんだ。わしは何度も言うが干渉術について明るく無いのでな出来るだけ簡単にしておくれ」

「・・・一言で申し上げますと物にもよりますが本人と関係性の薄い物ではその魂を長く留めておけないということです」

「なるほど?」

自身の老けた脳味噌が憎い。

「つまりは生前の彼と関わりのある・・・遺品の様な物がなければ魂を移し替えたとしてももって一ヶ月といったところということです」

「なるほど」

今度はしっかりと理解できた。

「その遺品とやらは形が変わっていても問題無いのか?」

「えぇ。もし加工するのであればその過程で何も混ざりこまないのであれば」

「・・・ありがとう。こちらで少し考えてみる」

「いえ、大したことではありませんよ」

そうして”会議がある”からと彼は扉へ向かって行き、彼は軽く微笑んで口を開く。

「お困りの時は気負わず呼んでくださいね」

そのまま出ていってしまう彼。

と、同時に入れ替わりで入ってきた連絡係から印の入った報告書と殿下が書いたらしい意見書を受け取る。

「・・・どうやら私にただただ仕事を押し付けるだけなのは殿下だけらしいですよ」

わしは一人ごちると私的に取り寄せた干渉術についての資料と先程の言葉、そして『魂をある程度自由に動けるようにしろ』という殿下の無茶振りを考慮し、あの鎧を手本に人型機械の設計を始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この世界に来て暫く経った。

俺の知らない豊かな世界。

俺と・・・もう一人がいた世界の様に目深くフードを被る必要が無い程に。

肌を焼く灼熱の光も、飢え果てて理性をどこかへ無くしてしまった連中も、俺達の事をゴミだと見下す奴らもいないこの場所は自分から居ようと思うくらいには居心地が良かった。

だが権力者を信用しろと言われてできる程、俺のこれまでの人生に於いて権力者に良いイメージを抱く様な出来事は無い。

あのダルグドールという奴は不思議と嫌な感じはしないが、

権力者には虐げられていたのは事実。

赦せないし赦したくない。

言葉の繋がりから奴らの顔が目に浮かぶ。

己が身勝手を”正義”と騙り弱き者へと振りかざす自称”上級人類”達。

その前で散ったたった一人の幼き肉親。

・・・あぁ。眠りたい。

出来ればもう二度と触れたくない記憶だったがここまで思い出してしまえば夢に表れてしまうのは必然だろう。

しかし、俺は気分転換をしようと思う間もなく瞼を閉じてしまった。


「・・・マルタル・・・不甲斐ない兄で本当に済まなかった・・・・」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「マルタちゃん、お風呂空いたから入ってきたら?」

「・・・はい。ありがとうございます。リンセさん」

目の前の膨らんだ胸・・・の主が話しかけてきます。

この違う世界に来たのに加え見ず知らずの人達と共同生活をしなければならないと言う状況についていかなければならないと分かっていながらもついていけず戸惑っていた私に声をかけてくれたのがリンセさんだった。

リンセさんの言う通り私は風呂場へ向かう。

備え付けられた鏡の前に立つと外套を脱ぎ捨てた。

視界に映る私の顔から腰にかけて伸びる太い傷に手を当てる。

・・・この傷を他人に見せる時はやってくるのだろうか。

そう呟いてはみたものの実際にはやってこないのだろう。

リンセさんにさえ真名を打ち明けられないくらいなのだから。

次回も私用により投稿期間が開きそうです。申し訳ありません。

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