表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傀儡鎧と金属少女の西方征伐記  作者: 松房
第六章 再起動
15/38

第14話 吐露

いや~行き詰まった時違う話を書くのっていいですね(笑)

女性と少女の会話は終わる頃には各種センサーも機能を正常に取り戻す。

いよいよ俺はどうすれば良いのか分からなくなると女性はこちらを向いた。

「さて、お主には会って欲しい人、と言うよりお主を合わせたい人がおるのでな。着いてこい」

歩き出す女性に無言でついて行くと、案内されたのは廊下に連なる中の一室。

辺りを歩く人達の内に点滴台や、松葉杖を持つ者がいるのを見る限りここは病棟なのだろうか?

ともかく部屋の中に入り、中へ目を向けるとそこにいたのは先程俺を拘束したフェル、らしき人物が横たわっていた。

「アルザードよ。私が気を効かせて連れて来てやったぞ」

アルザード、やはりこの妙齢の女はフェルだったのか。

見ないうちに老けたが・・・エルフであるフェルが老ける程俺は寝ていたのか?

「失礼ながら殿下」

「待て。アルザードよ。私も不用意に内情を暴露する程不粋な者では無い。さぁ、私は席を外すので三百年越しの想いを解き放つが良いっ!」

フェルの顔が過去最高に冷める。

それとは対照に女性はサムズアップ。

走り去ってしまった。

というか、三百年?嘘でしょ?

「はぁ。行ってしまわれた」

どこか疲れ果てた様な表情をするフェルだったが、突如真剣な面持ちで謝罪してきた。

「殿下が迷惑をかけたな」

「いや、構わないが、”この時代”の事教えてくれよ。エルフが老けるくらいだ相当な時間経ってるだろ?」

何せ三百年も経っているらしいのだ。

それに、眠る前俺が犯した蛮行もあって国や、その関係が変わっていない筈がない。

「そうね。説明する前に一つ質問をして良いかしら?闇の科学者」

え?ちょっと待って闇の科学者?それって俺の事?

「いや、質問は良いが、その闇の科学者って俺の事か?」

「えぇ。あなた絵本や歴史書なんかに闇の科学者なんて名前で出てくるのよ?突如として現れた厄災や、悪魔、或いは英傑を英傑たらしめる為の最凶最悪の敵として」

「それって俺の名前まで出てたりするの?」

最大のポイントである。

「いいえ。そこまでは露見してないわ。生涯あなたの名前を隠し通した友人達に感謝する事ね」

「まぁ。俺がした事を鑑みれば仕方無い気がするが」

「そうね。それで聞きたいのだけれど、あなたが殺した死体を変えた金属の木から人の様な生き物が生まれていることは想定していたのかしら?」

「生き物?」

今になって記憶を探るが、全く心当たりは無い。

第一、あの時は意識が混濁して錯乱状態だったのだ。そんな凝ったこと出来る筈が無い。

「何年か前からかしらね。突然現れて今も尚二次関数的に数を増やしているわ」

フェルは言葉を続ける。

「体の全てを各々の金属で構成する人の魂と自覚を持った存在。魔肺の様な物を除き殆ど臓器は存在せず、しかも己を構成する金属に限られるが、ある程度なら自由に操る事が出来る優れた体を持っている、謎生命体。彼らの扱いに関して世界中が揺れている、それが今の世の中かしらね」

「そうか。で、”ここ”はどうなんだ?」

「ここまでの歴史、語ってあげても良いけどその話からする?」

半笑いで聞いてくる。

「知ってるだろ?俺は歴史なんか語られたって覚えられやしないさ」

「分かったわ。けれどいつかは聞いてちょうだいあなたの親友があなたを倒した後どうなったのか」

「あぁ。そりゃいつかは聞くさ。今はまだ聞く勇気が無い」

フェルが静かに息を吐く。

何となくだが分かってくれたらしい。

「分かったわ。それじゃ今の話をしましょう」

「了解」


そこから聞いた内容は驚きに溢れ、又、好奇心を擽られるモノだった。

「金属を人扱いとはまた踏み込んだな」

「けれど彼らには人としての自覚がありある程度の良識と知識がある」

「その自覚とかが植え付けられたモノである可能性は無いのかよ」

一番の疑念。

だが、フェルは諦めた様に目元を抑えた。

「正直、口には出したくなかったのだけれど。一度聞いたらあなたはここを出ることを許されない。良いわね?」

俺は頷く。

「人と認めるのは端的に言えば彼らが便利だからよ。糧を必要とせず、形状変化による汎用性も高い。まぁ、欠損部位を治す為の金属は必要になってくるけれど彼らを養うのにはそれだけ支払えば良い」

フェルは続ける。

「正直、その気になれば私達を滅ぼせる数と性能を持った種族を私も迎え入れたくはなかったわ。けれど最近雲行きがどうにも怪しい」

「どういう事だ」

「最近、大国の動き方が大胆になってきたの」

「大国?ミノシタフルとかか?」

「そうね。そしてここはあなたの侵攻を食い止めたミノシタフル王国という大国が西に控え、東にはまた別の同規模な国が存在する、そんな挟まれた土地なのよ。まずここ、アルムンストは国では無いし、どちらかにでも攻め込まれようものなら防げても一回コッキリ。だから金属種(メタルム)達を引き入れた。だから負の遺物(あなた)を取り込んだ・・・」

直後首が絞まる様な感覚が俺を襲う。

「だからあえて、お願いでは無く命令するわ。

私の下で動きなさい」

「拒否権は・・・?」

グググ、とよりきつく絞まる。

俺に人権は適応しないみたいだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ