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第5話 ステータス

本日1話目

 


 鑑定と生活魔法を覚えた。因みに本は禁書みたいに白紙の本になっていない。何回も使えるようで、便利である。


「読むの早いですね」

「んあぁ、カタカナの禁書よりも読みやすかったからね。……ひらがなだったし」

「え?」

「いや、何でもないわ」


 この世界で使われている言語は日本語のひらがなだった。


 あの乙女ゲームは日本で作られたから、日本語で出ているのはいいけど…………なんか納得は出来ないなぁ。

 わざわざ知らない言語を覚えるよりはマシだから、いいけど……。


「これで、自分のステータスを見れるんだな?」

「はい、鑑定はちょっと特殊で、他のスキルや魔法と違ってレベルがありません。この鑑定は自分のステータスを見るだけの効果しかありません」

「はぁ、そうなんだ。相手のステータスが見れないのは不便ね」

「そこは相手に教えて貰うしかありませんね」


 教えて貰うしかないかぁと思いつつ、鑑定を唱えて自分のステータスを見てみた。




 すてーたす

 めいしょう:りりあーな・おりえんと

 ねんれい:5さい

 たいりょく:7/7

 まりょく:82/82

 すきる

 でんせつきゅう:はんぎゃくまほうれべる1(はんましはい)

 ぼんようきゅう:かんてい、せいかつまほうれべる1(じょうか)




「見にくいわ!?」

「きゃっ! お、お嬢様、どうしたんですか!?」

「自分のステータスを見てみたけど、ひらがなばかりで……」

「ひらがな? 大陸共通語で出たなら、それが普通だと思いますけど……? では、自分が見やすいようにイメージしてはどうですか?」

「イメージ?」

「はい、こうした方が読みやすいとイメージするだけでいいですよ」


 言う通りにイメージしながら、鑑定を使ってみた。そしたらーーーー




 ステータス

 名称:リリアーナ・オリエント

 年齢:5歳

 HP:7/7

 MP:82/82

 スキル

 伝説級:反逆魔法 レベル1(反魔支配)

 凡庸級:鑑定、生活魔法 レベル1(浄化)




「よし、これが1番ですわね」

「出来ましたか? 良かったら、ステータスを交換しますか?」

「いいよ、紙に書いて交換すればいいですね?」

「はい、注意を1つ。読んだら、すぐ処分をしましょうね。理由はわかりますね?」

「他の人に見られないようにする為ね」


 ステータスはこの世界では、1番のプライベートとなっている。交換をして読んだら、すぐ燃やして処分するのが当たり前である。

 お互いが紙に自分のステータスを書いていき、交換をする。

 イーナのステータス、自分が読みやすいようにすれば……



 ステータス

 名称:イーナ・デーデリア

 年齢:23歳

 HP:148/148

 MP:462/462

 スキル

 達人級:火魔法 レベル4(火弾、火壁、火剣、大火弾)、水魔法 レベル5(水弾、水壁、水剣、大水弾、水蛇)

 凡庸級:鑑定、槍術 レベル2、生活魔法 レベル4(浄化、小火、小水、小風)、見切り レベル5




 自分から見れば、レベルが高いと思った。このスキルを見れば、イーナは魔術師だとわかるけど、何故か槍も使えて、見切りのレベルが高かった。どうしてなのか、聞いてみようとしたらーーーー




「読めませんよ!?」

「うおっ!? どうしたの?」

「どうしたも何もないですよ! 大陸共通語、古代語、知らない言語が混ざったステータス、読めるわけがないですよぉぉぉぉぉ!!」


 リリィが渡したのは、ひらがな、カタカナ、漢字、英語が混ざったステータスだった。


「あ、自分が読みやすいまま、書いちゃったわ。ひら……大陸共通語に直しておくね」

「ま、待って? さっき、何と言いましたか?」

「え、書き直す?」

「そうではないです! 自分が読みやすいと言いませんでしたか……?」

「あぁ、うん。言ったね。これが私にとっては読みやすいの」

「これで!?」


 リリィにとっては読みやすいと言った文は、イーナから見ても滅茶苦茶にしか見えなかった。


「こんな言語はなんで、知っているんですか……?」

「あー、それは私の秘密に関わるから教えられないね。もう少ししたら、教える時があるから、それまで待ってね」

「むぅっ、お嬢様がそういうなら、聞きませんが……」

「そういえば、イーナは魔術師ですよね? 何故、杖術が無くて槍術と見切りがあるの??」

「あ~、それはねぇ。学園では魔法しか習っていなかったから、御主人様に近接距離での戦い方を覚えた方がいいと言われて、稽古を付けてもらったんです。杖術がないのは、魔法を使うのに杖は必要ありませんので。英雄の絵本で賢者が杖を使っていたから、魔法を使うのに杖が必要だと思ってしまう人もいるけど、基本的に杖は使いません」

「成る程……って、父親は強いの?」

「はい。現騎士団の隊長ですよ? それに、奥様も前は有名な宮廷魔術師だったと聞いています」

「そうなの!?」


 それ程の地位に就いたなら、実力はただの貴族だと思わない方がいい…。ついでとか考えていたが、考え直した方がいいわね……はぁっ。


 主人公達を殺すついでと考えていたが、主人公達よりも自分の両親が危険なのかもしれないと考え直したのだった。


 あとで、ステータスを聞いてみるか。自分の子供になら、隠すことはないだろう。


 そう思い、父親が帰ってきた後に書斎へ向かってステータスを聞きに行ったがーーーー




「駄目だ」

「えっ!? 駄目なんですか……?」

「後学の為に、現騎士団の隊長の強さを知りたいと考えたのはいいが…………、騎士団では騎士団のルールがあり、他の人にステータスを教えることを良しとしてないんだ。例え、家族であってもだ」

「そんな……」

「宮廷魔術師も同じようなルールがあった筈だ。だが、元宮廷魔術師のクリスだったら、もう退職しているから、教えて貰える筈だ。それを参考にするといい」

「…………」


 母親からは既に教えて貰ってある。宮廷魔術師だった母親は高いレベルの魔法を持っていた。風魔法がレベル10になっており、『嵐舞の魔術師』と二つ名を国王から貰っていたぐらいだ。

 今は騎士団がどの位のレベルを持っているか知りたいのだ。方法はないか考えていたらーーーー


「……私にお任せ下さい」


 後ろに控えていたイーナがリリィにしか聞こえないように、小さな声で任せて下さいと言った。


「御主人様、ステータスを教えられない代わりに、私へ稽古をして貰っている所を見せるのはどうですか?」

「稽古か……離れていれば、大丈夫か。リリィもそれでいいか?」

「はい!」


 イーナのお陰でルードが戦う姿を見れる。それで少しは力を計ることが出来ればいいが、多くは期待をしない。メイドと騎士団隊長の戦いでは、騎士団隊長が格段に上なのだから。

 こうして、明日はイーナの稽古を見せて貰うことになるのだった。










まだ続きます。

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