第36話 ジャック・リーパー
本日2話目。
早く書き上げられたので、載せます。
目の前にいるのは、ジャック・リーパー。まさか、人型ではないのは予想外だったが、魔人なのは間違いない。
「3本角か。油断しては駄目よ。あんなのでも、魔人の中では強者だと思うわ」
「ええ、リリィ様の言う通りよ。魔法を使えるかわからないけど、魔力は私より格段に上よ」
『あんなのでも魔法を使えるか疑問だが、ワシが一撃で終わらしてやろう』
ディガムが姿をドラゴンに戻り、闇の息吹を放った。方向では、村が後ろになるから巻き添えを食う事はないので、手加減なしで放っていた。その場は地面を大きく抉った跡が残ったーーーー
『なぬ?』
ジャック・リーパーはまともに喰らって、消し飛ばしたと全員が思っていたが、まさかの無傷。
「ギゴァァァァァ!!」
魔人の顔があるその下には、蜘蛛の口がある。そこから、ディガムが放ったのと同じ闇の息吹が放たれていた。リリィ達はヤバイと思い、咄嗟に横へ逃げ出していたが…………
『此奴! ワシの息吹をそのまた返しやがっぐっぅぅぅぅぅ!!』
ディガムは避けてしまうと、後ろにある村が消し飛んでしまうから、全てを受け止めるように、身体を張っていた。ディガムには魔竜鱗があるから魔法系の威力を減らすことが出来るといえ、自分自身の息吹をそのまま喰らえば、大きなダメージとなる。
「此奴は、魔法を喰ってそのまま放つことが出来るのか……?」
「なら、ウルガとイーナの出番よ!」
「おう!」
「わかりました」
魔法が駄目なら、接近して剣や槍で攻撃をすればいい。2人が武器を持ち、ジャック・リーパーに迫ろうとするが…………
「手が伸びた!?」
手が伸びて、ウルガとイーナに迫っていた。最初は1本ずつだったが、次第に手の数が増えてしまうと、捌ききれなくなってきた。
「手の数が多過ぎる!!」
「耐えるのよ!!」
今は其々に3本ずつでジャック・リーパーは2本の脚で支えている状態だった。
「口に魔法を吸収させたら駄目なのね。『乱砂鞭』」
口に行かないように、大量の砂で出来た4本の鞭がジャック・リーパーを拘束した。そして、後ろからはリリィが『天雷』を放つ準備をしていた。顔部分を狙わず、背中にあたる場所に向けて、落とす。
「イウケゲォァアィィィァ!?」
効いていた。だが、まだ生きている。普通ならどの魔物であっても、一撃で死んでいたのに、ジャック・リーパーはまだ生きていた。
「魔法に対する耐性も高いわけか?」
「でも、ダメージはありますね」
「俺とイーナで手の方は止めるから、3人で攻めてくれ!」
ディガムは自分の息吹に効いたのか、立ち直るまで少々は掛かってしまったが、今はもう大丈夫だ。
「さっきのように攻めても、バレているからやり方を変えるしかない」
『なら、ワシが盾になろう。動きを止めたら、やれ!!』
「ディガム!?」
「あの馬鹿! まだどんなスキルを持っているかわかってないのに!!」
ディガムが突撃し、攻撃を受けても止まらずに組み締めようと考えていた。だが、リリィはまだジャック・リーパーのスキルを全て暴いたわけでもないのに、無闇に近付くべきではないと考えていた。だが、ディガムが行ってしまったので、仕方がなく後を追う。リリィに続いて、全員で突撃をするがーーーー
「ふーーーーーーッ」
『ゴハバッ!? な、か、身体が……ま、麻痺……だとーー』
「この駄竜がぁぁぁぁぁ!!」
真正面から馬鹿正直に突っ込んだ駄竜は麻痺の息吹でナイトツリーの時よりも身体を上手く動かせないでいた。おそらく、この戦いにもう参加出来ないと考えた方がいい。
リリィは駄竜を放って、イーナに『水蛇』を使うようにと指示を出した。イーナはジャック・リーパーの正面にいるが、リリィの言う通りに動く。
「『水蛇』!!」
このままなら、真っ直ぐにしか進まない『水蛇』を口から吸収して返されてしまうだろう。だが、リリィが指示を出したのは、ジャック・リーパーの不意を付けるからだ。
「『反魔支配』!」
リリィがイーナの魔法を支配して、方向を変えた。ジャック・リーパーから見れば、急に消えたように見えただろう。方向を変え、上空から落ちるようにした。
「ッ!?」
「逃がさないよ、『砂蠍』!!」
沢山の魔力を注ぎ込んだのか、大きな砂の蠍が現れ、ジャック・リーパーの動きを止めた。
「当たれッ!!」
「キシャァァァーーーー!」
「な、砂蠍が!?」
ジャック・リーパーは無理矢理に拘束から抜け出して、砂蠍を叩き潰した。だが、『水蛇』からは逃れないと確信していたリリィだったがーーーー
「『水蛇』『水蛇』『水蛇』」
なんと、『水蛇』の3連発で上空の『水蛇』、ウルガ、イーナを同時に吹き飛ばしていた。
「『水蛇』の3連発って……、『連結詠唱』のスキルを持っているの!?」
普通なら、同じ魔法を発動するにはクールタイムと言う空き時間が必要になる。だが、リリィが言っていた『連結詠唱』があれば、同じ魔法を連続で3発まで放てるようになる。
「面倒な相手だわ。『小悪魔しょう……』えっ?」
召喚しようと思ったが、ずっと無表情だった魔人の顔から涙が出ていて、苦しそうな表情になったことに驚いて止まってしまった。
「も……う、ころし……てく……れ」
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