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第26話 3冊目

本日5話目

 


 これから何をするか、デリカに説明をするとーーーー




「ほ、本気なんですか!?」




 正気を疑われた。目的はまだ話しておらず、先にドラゴンを倒すと話しただけでもこれである。


「おいおい、私の目的はそれ以上なんだから、この程度で驚いていたら追い付けないぞ?」

「……リリィ様の目的はなんですか? 何でも言ったとしても、受け入れる覚悟はしていますが……驚くだけは許して下さい」

「ん~、いや。今は止めとこう。先にドラゴンをなんとかしないと駄目だしな」

「成る程。目の先を片付けることが大切ですね」


 今はドラゴンを倒すことに集中して欲しいと思う。デリカのステータスを教えて貰うと、ディガムはデリカなら大丈夫だろうと太鼓判を押してもらえた。

 デリカのステータスはーーーー




 ステータス

 名称:デリカ

 年齢:66

 HP:671/671

 MP:965/965

 スキル

 伝説級:操砂魔法 レベル7(砂散弾、砂変槍、乱砂鞭、砂漠拘束、砂蠍、砂漠嵐塵、魔砂重封)


 達人級:自動体力回復 レベル5、自動魔力回復 レベル7、瞑想 レベル10


 凡庸級:鑑定、生活魔法 レベル6(浄化、小火、小水、小風、小土、小治)、槍術 レベル5、鞭術 レベル8、魔力感知 レベル9、気配感知 レベル8、危険察知 レベル9、回避 レベル6、見切り レベル6、高速思考 レベル8




 66歳だったことが1番驚きだわ。見た目は二十代にしか見えないのに……。


 歳を取っているだけあって、結構強かった。更に、珍しい魔法も持っていた。デリカによると、操砂魔法は拘束が得意な魔法であり、足止めや生け捕りにしたい時は便利だと言う。

 どうやって手に入れたのかと聞いてみたら、生まれた時からあったと言う。このチートめ、と思ったのは秘密である。


 これで、ドラゴンと戦うメンバーは決まった。リリィ、デリカ、ディガムの3人組でイーナとウルガはお留守番である。

 戦うのは、3日後に決まった。ディガムの話によるとドラゴンは縄張りを見回りする習慣があり、ここの上空を通るのは3日後だと言っていたからだ。

 ドラゴンが通るまでにリリィがやる事は決まっている。


「よし、読むぞ!」

『読めるのか?』

「うん! 問題なく読めるよ! ……そういえば、どうしてこれを持っていたの?」

『ん、読もうと思って、商人から買ったんだからな。読めなかったがな』

「えっと……?」


 どう見ても、身体と本のサイズが合わない。読もうとしても、大きな手では開けないんじゃ? というか、どうやってドラゴンが商人と会って、買えるんだ?


『あぁ、言ってなかったな。ワシはこの姿になれるぞ』


 ポンと煙が出たと思ったら、人の姿になったディガムがいて、変な顔で呆気に取られていた。側にいた皆もリリィと同じ表情をしていた。

 目の前には、ドラゴンの姿ではなく派手な髪型をした青年がいた。リリィが1番思ったことはーーーー




「……思っていたのと違って、チャラいね」

『何だと!? 』


 口調から、歳を取ったジェントルマンみたいな人間になるかと思えば、顔がいいギャル男みたいになったのはギャップが大きすぎた。


「あれ、人間の姿になったら、大陸共通語を話せるようにならないの?」

『そうだったら、前に人間の姿になっていたわい』

「そうだよね、元に戻っていいよ。口調と姿に違和感がありすぎるわ」

『そっか……』


 すぐドラゴンの姿になったディガム。何故か残念そうな雰囲気だったが、今はディガムのことよりも、禁書を読むことだ。


「えっと、これは大陸共通語ではないのですが……?」

「んー、そうだね。私は読めるから問題はないよぉ」

「そうなんですか、凄いですね。タイトルは何でしょうか?」

「ん、タイトルはーー『魔装の剣と盾』と書いてあるね。タイトルだけじゃ、禁書かわからないけど、読むだけの価値はあるわよ」

「そうなんでーーーー禁書!?」


 禁書と聞き、デリカはリリィから本を取り上げていた。


「あっ! 何をするのよ!?」

「こっちのセリフですよ!? 人間の国では本を持っているだけで、処刑されると聞いていますよ!! ディガム! なんてな物をリリィ様に渡しているんですか!?」

『お、おぅ?』


 ディガムはなんで怒られているかわからないが、デリカの怒りに押されていた。


「こら、返してあげなさい」

「イーナまでも何を言っているんですか! リリィ様を人間の国に帰せなくなるんですよ!?」

「あー、もう帰れないんだから。というか、お嬢ちゃんはもう2冊の禁書を読み終わっているぞ?」

「……え?」

「ほらほら、返してよ」


 リリィは手に持った本を高くあげられて、返して返してと言いながらジャンプをしていた。




「…………え?」

「ほら、思考をストップしていないで本を返してあげなさい」


 手に持って、高く上げられた本はイーナが取り返してリリィに返していた。


「えぅ?」

「だから、思考をストップしてないで頭を働かせなさい。お嬢様は既に2つの力を得ています。だけど、まだ力が足りないので、もっと禁書を求めていますの」

「なんで……? 禁書は読んだ人を不幸にするのよ……」

「処刑されるから、不幸だと思いますが、お嬢様は読んで力を得ないと破滅してしまうと聞いています。だから、私はお嬢様の好きなのようにしてあげたいと思っています」

「破滅?」

「俺も詳しくは聞いてないが、お嬢ちゃんは将来に起こる破滅を恐れているわけ。で、それに対応するために、早く力が必要になるんだってさ」

「それで、禁書なの……」

「はい。禁書を読む以外に短い期間で強くなれる方法があれば、それを選んだかもしれませんが……」

「そうなの……、はぁっ。もう2冊も読み終わっているんじゃ、止めても無駄みたいね。……って、よく読めたね?」


 デリカは禁書が様々な言語で書かれているのが多く、まだ10歳であるリリィがもう2冊の禁書を解明して読めたのが驚きだった。


「お嬢ちゃんが言うには、既に知っている言語だから読めると言っていたな。それも、何言語もだ」

「一体、何者なんでしょうか? リリィ様は」

「長く一緒にいた私でもわかりませんが、お嬢様はそういう存在だと納得しておいて下さい。考えるだけ無駄です」


 納得し難いが、長く一緒にいた人が言うなら、ここは納得しておくしかないだろう。そう決意していたがーーーー




「読み終わった! 新しい力も得たわ」

「…………」

「まぁ、お嬢ちゃんは化け物だからな」


 疲れたと言うように、ウルガがデリカの肩に手を乗せていた。デリカは何も言えないままだった。










「タイトルから武器と防具関係かと思ったが、それだけじゃないみたいわ」

「え、どういう……?」

「これは1人では使えない魔法でね、まぁ見ればわかるよ」


 リリィは説明するよりも見せた方が早いと判断した。新しく手に入れた『魔装魔法』は鑑定と同様に、レベルが無かった。能力は1つだけだが、それだけに強力である。




「まず、『小悪魔召喚』!」




 魔法陣が展開されて、オルクが召喚される。いきなり攻撃されても大丈夫のように構えていたがーーーー




『……ん、敵がいねぇじゃないか! 次は何をやらせるつもりだッ!!』

「えっ、魔物……ネームモンスターを召喚した!?」

「これも禁書の力です」


 初めて見る召喚魔法に驚くデリカを他所に、リリィは手に入れた魔法を使う。




「オルク、行くよ! 『魔装魔法』!!」

『何が行くよだーーうおぉぉぉっ!? 何が起こってーーーーーー』


 オルクが光の粒子になって、リリィへ吸い込まれていく。そして、その粒子が形を変えて、リリィの身体に纏われる。光の粒子は小悪魔の触覚が付いたフード付きのパーカーになり、燃えるような炎の模様が綺麗に映えていた。


「へぇー、こうなるんだ」


 関心しているリリィだが、周りは唖然となっていた。何回驚かせれば気が済むのかと言いたいぐらいに唖然とさせられていた。


『何が起こったぁぁぁ!! リリィ! 説明しやがれ!!』

「あ、オルクの声が聞こえるや。説明ね、オルクを私の装備にした。以上」

『わかんねぇよ!? もっと詳しく!!』

「もぅ、わかんないの~?」

『くっ、殴りてぇ……』


 本体があっても、オルクは強制力によってリリィを殴ることは不可能になっている。


「えっと、私達もわからないので、説明をお願い出来ますか?」

「そうね、新しい魔法は『魔装魔法』で、魔物を装備に変えることが出来るの」

「魔物を装備に!?」

「うん。ただ、どの魔物でもいいわけじゃないの。こっちに好意を持った魔物、強制力を持った力で従えている魔物にしか使えないみたいなの」

『おいコラ! こっちは好意を持ったことねぇぞ!』

「だから、オルクの場合は魔召魔法で縛られているでしょ? だから、強制力を持った力で従えているになるの」

『クソがっ!』

「それはわかりましたが、魔物を装備にして、どんな効果があるんですか?」

「それが、凄いのよ!! 装備にした魔物の一部のスキルを使えるようになり、魔物の体力、魔力、力、敏捷の半分を私の力にプラスに出来るのよ!!」




「「「なっ!?」」」




『それは……凄いな。もっと強い魔物を装備に出来れば、更に強くなれるわけか。では、一部のスキルは何が使えるんだ』

「えっと~、オルクの場合は3つだね。『火炎耐性』、『跳脚』、『炎獄』」

『なっ! 『炎獄』まで使えるのかよ!? 絶対に使うなよ!!』


 急に1つのスキルを使うなと言われて、意味がわからなかった。


『俺でも、使った瞬間に死ぬから封印していたスキルなんだよ!!』

「はぁっ? なんで、使った瞬間に死ぬのよ……」

『俺の魔力では足りないぐらいに、消費が凄いんだよ!!』

「えっと…、聞いていい? オルクの魔力はいくつあるの? それから、『炎獄』の魔力消費も」

『ったく、俺のは500。『炎獄』は750も消費するんだ!』


 オルクの姿は見えないのに、仕方がないから教えてやろうと顔を振っているように見えた。質問の答えを聞いたリリィは苦笑していた。




「うふふっ、発動しても死なないけど?」

『……は?』

「聞いてなかった? 魔物の体力、魔力、力、敏捷を半分にプラスに出来るのよ。更にーーーー私の魔力は854もあるわよ。オルクのも合わせれば、1104になるのよ」

『…………いつの間に、強くなっていた!?』

「もぅ、心配してくれているのは嬉しいけど……」

『うあぁぁぁ!! 心配はしてねぇよ!! 何、勘違いをしてんだよ!?』

「うふふっ」

『笑うなぁぁぁぁぁ!!』


 その会話で、この世界には無いはずの言葉が浮かんだ。




 ツンデレ乙と。









まだ続きます。

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