夢を見たその後で 3話 「告白」 その3
アスファルトのひんやりした感触が妙に心地いい。
深い眠りにつく直前、誰かの声がした......。
「こんな事だろうと思っていましたよ!!」
「あれっ!?....終...電は?どうし...たん?」
「そんな事より、なんて所で寝てるんですか!?」
「もう、寒い季節じゃあないしこのまま寝てしまっても死にはしないから...ZZzz..」
「そんな問題じゃないでしょ!?」
「俺の事より....終電......Zzzz...」
「そんな事どうでもいいんです!!!心配になって来てみたら!!!」
「終...電...の方が..心配...Zzz....」
「一人で歩けない人に心配されたくありません!私は大丈夫ですから早くつかまってください!!」
「こんな時間に....家の人が....心配...する..ろうし....タクシー代出す....から....タクシー呼んで」
「私の事、何歳だと思っているんですか!?もう、20歳ですよ!1日くらい家にいなくても大丈夫ですから、早くつかまってください!」
「............」
そこから後、俺の記憶は途絶えた。
「あ.....店長!!!」
「.....ZZzz....」
「寝ちゃった......。もう、仕方ないなぁ!」
「...zzz...」
「店長の彼女さん、ごめんなさい!!今から家に送りますね......よいしょ!!」
「やっと着いた!!店長、重たいですよ!!」
「......zzz」
「もう、完全に寝ちゃってる。取りあえず布団まで運んで.....きゃっ!!」
どかっ!!
「店長!!急にどうしたんですか?」
「.......zzz」
「寝ぼけて抱きついてくるなんて.......他の人なら絶対許さないんだけどな」
「う....ん....はるか.....」
「店長の彼女は、はるかさんっていうんだ...」
「はるか.....ごめ...ん.......自信が....ってもたよ...」
「えっ.....!?」
「はるか...ごめん.....」
「店長.....私こそごめんなさい。このまま帰るつもりだったんだけど.....どうしても、もう一言を言いたくなりました」
「......Zzz」
「実らない恋だとは分かっています。ただ、この気持ちを伝えたかっただけなんです.....」
「............」
「............」
「........キス..........しちゃった」
「はるかさん、本当にごめんなさい!!私、もうそろそろ帰りますね」
「.....えっっ!?」
いつまでもこのままって訳にもいかないので、そろそろ帰ろうとした時、店長はさらに強く私を抱きしめた。
「動けない......。ホントに仕方のない人ね」
「う........ん」
「起きちゃいましたか?」
「........zzz」
「ホントに動けない.....もう、熟睡しちゃってる。.....どうせ聞こえてないんだろうけど......聞いてくれますか?」
「................」
「私、ずるいんです。”彼女と何かあったのですか?”って聞いた時、本当は ”彼女と何かあったらいいのに”って思っていました」
「........zzz....」
「もし、彼女と.....はるかさんと別れたなら私のところに来てくれるかもしれないって思っていました」
「そんなのってずるいですよね?はるかさん...ごめんなさい....」
「.......おやすみなさい....」




