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愛それは掃除機に溜まるもの

マナミ28歳、カナデ27歳と同棲中

一緒に暮らしたら甘い生活が待ってるって信じてた・・・


「おはようマナミ・・・今日も可愛いね」

「もう朝から・・・」

「このまま昼になっちゃいそうだ」

「・・・いいよ今日は休みなんだし・・・」

カナデの大きな手が私の背中を撫でる。

カーテンの隙間から心地よい陽の光がうっすらと部屋に広がり、カナデの柔らかい茶色の瞳が私を・・・


うぃーーーーーーん がごっガゴっ


・・・・掃除機の、音。


っく・・・土曜日の朝ですら・・・


ベッドの隣はもうとっくに冷たくなっていた。

もそもそと起き上がると掃除機の音がもっと大きく聞こえる。

扉を開けると、カナデがリビングに掃除機をかけていた。

耳にはイヤホン。

「おはよう」

私の声は届かない。


「おはようー!」


大きな声で言うとやっとこっちを振り返った。

「起きたんだ!掃除機かけておいたよ!」

キラーんと輝く。


聞こえる

聞こえるの

彼の声が。

妄想・・・そうかもしれない

でもわかる、見える・・・

確かに届く彼の想いが・・・


マナミ、疲れてるだろうから掃除機かけよう

あ、ワンデイのコンタクトレンズ・・・ゴミ箱から落ちたんだな・・・吸っちゃえ・・・

ふふ、昨日の夕飯のパスタ・・・干からびてる・・・

どんどん部屋が綺麗になるよ

喜ぶだろうなあマナミ・・・

掃除機しなきゃって言ってたもんな。

休日の朝から君にために掃除機をかけるよ・・・!

コードレス掃除機の充電は100%!!

お前への愛をこいつ全てにかける・・・!

いま俺の愛は・・・掃除機に満ちている・・・!


伝われ!

掃除機いっぱいの・・・マナミへの愛・・・!


・・・・・・

・・・



それはゴミだーーーーー!!!


伝わらねえ・・・・!それは愛じゃねえ!!


私は心の中で叫んだ!!


私は機嫌良く掃除機を操るカナデの後ろで頭を抱える。

掃除は、嬉しいよ!?

嬉しいとも!!

助かるよ!!すごく助かる!!!

でも!

そうじゃない!そうじゃないの!!


とりあえずまずは

「おはよう、よく眠れた?」

って言って・・・!

頭を撫でて、

なんならキスして!


って言うか掃除機なんて後でいいからっ


というのを私はグッと堪えた

カナデに私は笑いかける。


「・・・ありがとう・・・じゃ皿洗うね」


2人の生活が始まって1ヶ月

穏やかな土曜日の朝・・・


カナデくんの愛は、家事経由でたぶん届いてる。

次回、君への愛で角ハンガーは斜めにしない


をお送りしたりしなかったりします

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