表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代幽荘物語  作者: かずや
鎮魂祭

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
79/96

鎮魂祭の準備大詰め

「お!相変わらずボロっちいなー!」

「ふむ、用意は進んどるの」

「トラメ……あ、居た!」

 三者三様の幽荘への感想を受けながら車を停める、三箇所周り約二時間。

 まあ予想通りな時間だと縁は胸を撫で下ろす。

「狐子ちゃーん、タカさーん、リュウメさーん」

 こちらの車に気付いたユウメが走ってくる。

「管理人さんお疲れ様ですわ〜タカさん久しぶりですの〜」

「ユウメは変わんないねぇ、あの頃のままじゃないか」

「うふふ、こればかりは仕方ありませんわ」

 (何の会話だ?)

 縁はよくわからない会話をしている二人を見て思い出す。

「あ、スズメさんにタカさん連れて来て欲しいって言われてました。奉納料理をと言ってましたが」

「ああ、早速やろうかね。どこでやるんだい?」

「調理場です、案内します」

「あの建物か……ええの出来とるじゃないか」

 縁はタカを連れて調理場へと案内していった。

「さて、お二人も着替えときますか〜温泉の脱衣所に用意してますので〜」

「お、噂の新しい温泉やんね?見たい見たい」

「楽しみだね、その前にトラちゃんに会っておきたいんだけど」

「そうですわね、えーと……あ、トラちゃん〜」

 遠くで準備確認していたトラメが気付き走り寄ってきた。

「院長!俺手伝いしてるよ!」

「よくやれてるみたいだね、良かった良かった」

 リュウメはトラメの頭を撫でる、そしてトラメは撫でられながら狐子を見ている。

「……狐音お姉ちゃん?……じゃないよね?」

「お、坊主がトラメか!アタシは狐子な、狐音お姉ちゃんの妹だよ」

「おんなじ顔してる」

「双子だからねアッハッハ!今日は宜しくな!」

「うん!俺トラメ!宜しく!」

 元気良く挨拶したところでユウメが二人を連れて脱衣所に向かう。

「トラちゃん、ジャノメさんに三人来たよって伝えてくれますかしら」

「うん、わかった!」

 幽荘外の三人が合流して各々準備に入った。


 縁は調理場をスズメとタカに任せて手持ち無沙汰になった、何か出来る事は無いかと幽荘前の祭事広場に差し掛かった時陣幕の中央で立つ狐音に魅入った。

 既に儀装を纏っている為か、非常に神聖なオーラが溢れて見える。触れてはいけない壊れそうな美術品のようにも見える。

「すっげ……」

 見惚れているとこにドンと背中に衝撃が走る。

「にいちゃん、今はそっとしとくんだ」

 衝撃と声の主はヘビメの父、ジャノメであった。

「あ、ジャノメさん……」

「狐音さんは集中してるからな、ほれトラメと一緒に焚き上げ台組むぞ」

「はい、どこに組みます?」

「ちょっと精霊柱の数が多いからな、火事にならんよう離して作ってる」

 ジャノメが指した先、遠くにトラメが木を組んでるのが見えた。

「サクッと壁を作るからにいちゃんも手伝いな」

「了解です」

 ジャノメに肩を組まれ移動する、移動しながらもう一度狐音を見たが変わらず神聖なオーラのままだ。狐音はこちらに気付かない程集中していた。


 ——調理場

「見ない内に解体上手くなったじゃないか」

「うふふ、タカさんのおかげですよ」

 調理場のスズメがよく使う動物の解体スペースでは鹿の解体が行われていた。

「しかしまあこんな調理場が出来てたなんてね、あたしゃもう過去の人間さ」

「何言ってるんですか〜タカさんが繋いでくれたからここがあるんですよ」

「外に出て時間が進むとあっという間さ、アタシが知る住人もアンタと狐音とユウメだろ?後で若いの紹介しとくれ」

「ええもちろん」


 ——脱衣所

「あらあらネコメちゃんヘビメちゃん似合うわね!」

「うんうん、若い子が儀装着ると華がでるね」

 リュウメと狐子にべた褒めされて照れるネコメと満更でもないヘビメ。

「狐子さんもリュウメさんもお似合いですわよ〜久しぶりとは思えないです〜」

「いやぁ私は体型変わって苦しいわよ!狐子さんは本当変わらないわねぇ」

「久しぶりに引っ張ってきたけど着れて良かったー!どこやったか酒蔵ひっくり返した甲斐があったよ」

 脱衣所に居る女性陣は皆儀装を纏い話に花咲かせている。

「お待たせしました〜」

「待たせたね、おや皆よく着こなしてるじゃないか」

 スズメとタカも準備を終えて儀装の用意をしに来た。

「アタシらの準備が出来れば始めれるが狐音はどうしたんだい?」

 タカはこの場に居ない狐音を探す。

「狐音さんは精神集中してるの」

 ネコメは恐る恐る説明をする。

「そうか……ところでアンタがネコメだね?そっちの鋭いのがヘビメか」

「え?」

「……!?」

 二人はまだ自己紹介をしてないのに言い当てられた事に驚く。

「ほっほっ老いてもまだ視れるようだ、アタシは()()()だよ。先代管理人さ、タカと呼んどくれれば良い」

「先代管理人……?縁の前?狐音じゃなく?」

 ヘビメが困惑しながら聞いてみる。

「そうじゃの、どちらかというと狐音は管理人じゃなく補助する側だからの。勘違いしてても無理はない、元々管理人は外部の人間がやるんじゃよ」

「知らなかった……」

「お兄ちゃんがくる前は居ないままだったの?」

「そうですわね、タカさんが出てからは代理で狐音姐さんがやっていたのですわよ」

 ネコメの疑問にユウメが答える。

「狐音はああ見えて責任感が強いからなー、妹の私にも酒を持ってこいしか言わず滅多に幽荘離れないから」

「狐音さんは昔から多くを見守る存在、私やジャノメに紬君の両親含めて幽導村全体見て来たのよ」

 ネコメとヘビメにとって幽荘の先輩達の言葉はよく理解出来た、自分達も見守られてきたのだから。

「……よいしょ!タカさん帯紐キツくないですか?」

「ありがとうスズメや、大丈夫じゃよ」

「これで皆準備……あら?そう言えば男性陣はどうなったのでしょう?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ