表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代幽荘物語  作者: かずや
皆とお付き合い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
55/96

ツンツンとあどけなさと

 三十分ぐらいでスズメが鉛筆を置いた、終わりのようだ。

「ん、お疲れ様。貴重な体験出来て嬉しいわ」

「俺も初体験でした、ありがとうございます」

 服を着ながら自然とお礼を言った。

「はい、モデル料よ受け取って」

「え?良いんですか?」

「私はモデルには皆渡してるわ、そんなに多くはできないけど」

 まさかの謝礼付きとは……

「二段階目はまた一ヶ月後くらいかしらね」

 本当に育成記録していくんだと縁は筋トレを頑張らないといけない。

「そういやスケッチって事は額縁に飾るような絵じゃないんですか?」

「そうね、絵の為のメモを書き溜めたってとこかしら。言わば練習記録のような物よ」

 となれば朝から夕方までずっと練習をしていた事になる、休憩を挟んだとは言え尋常じゃ無い集中力だ。

「ん〜今日は熱が入りすぎて疲れたわ」

 ぐぐ〜っと伸びてヘビメは脱力し身体を休めてる。

「ヘビメさん、お風呂沸かしてきますよ」

「あら?良いの?アンタも疲れてるのに」

「俺も入って身体ほぐしたいですし、用意してきますね。準備出来たら呼びますから休んでて下さい」

 縁はドラム缶風呂を準備すべくヘビメの家のドアを開け、何かにぶつかった。

「いて、何だ?……!!」

 顔を上げたらそこにはヘビメを溺愛するヘビメの父、鬼の顔をしたジャノメが立ちはだかっている。

「おうにいちゃん、二人きりで変な事はしてないだろうな?」

「してません!」

 なんなら裸にされたのは縁であり、じっくり観察されてスケッチされている。

「パパ、今日の工事終わったなら早く帰る」

 後ろからヘビメが援護をしてくれた。

「そんなんだから子離れ出来ない」

「ヘビメよ〜うぅ……」

 もうジャノメは泣きそうになっている、とぼとぼと車に乗って帰って行ってしまった。

 明日の工事に影響がないか心配だ。

 気を取り直しドラム缶風呂の火を焚き湯を作っていく。

「ん?今日は早い時間から仕掛けてるのかえ?」

 通りがかった狐音がどうしたんだと聞いてくる。

「ええ、ヘビメさんのスケッチ手伝ったんですが中々疲れちゃいましてね」

「おーヘビメはアートになると手は抜かんからの〜儂もやっておるが、一日仕事になるでの」

「あ、狐音さんのも見せ……」

 ハッと思い出した縁は言葉を濁した。まさか狐音とユウメが抱き合う裸の絵を見たとは正直に言いにくい。

「ん〜?そうかお主……見たんじゃな?」

 勘付かれた!ニヤニヤしながら詰め寄ってくる。

「何を見たんじゃ?のう?のう?」

「いや、その、良いじゃないですか!お風呂沸いたんでヘビメさん呼びに行かなきゃ!」

「いつまでもウブな奴じゃのう」

 背中に浴びせられる言葉を聞かなかった事にしてヘビメを呼びに走った。

 コンコン

 ……

「あれ?返事が無い……入りますよヘビメさん」

 扉を開けて見てみるとヘビメはベッドで静かな寝息を立てていた。疲れたのだろう、体を動かす疲れと言うよりは集中して精神を疲弊した疲れか。

 寝顔を見ると年相応の可愛い顔をしている、気の強さが言動に現れるヘビメだがギャップが凄い。

 (ヘビメさん何歳なんだろ、俺よりちょっと下だけどネコメちゃんよりは上ってくらいかな)

 学校に行っている様子は無く、ひたすらアートに打ち込んでいるイメージだ。

「ん……ママ」

 夢を見ているようだ、寝言が聞こえた。

 見ときたくなる可愛さではあるが、風呂を沸かしてしまったので放置も出来ない。起こすのが残念なくらい幼い顔を見てジャノメが溺愛するのも分かる気はする。

「ヘビメさーん、お風呂沸きましたよーおきましょうー」

 控えめに声を掛けて腕をトントンと叩いた、そしてヘビメは流れるように縁の腕に絡みついてきた。

「え?……まいったなこれは」

 絡まってしっかりホールドされてしまった。寝ぼけているのか、すべすべもちもちとした頬を手に擦り寄せてきている。

 完全に無防備な寝姿に困りながらも、無理には起こせない。むしろ少しの間見ていたいぐらいには可愛いと綺麗が強い。

 もし、ジャノメがまだ帰っておらず近くに居たとしたら……恐怖で背筋が凍る。

 腕を絡ませられたまま身動き取れず、体勢的にもキツいので膝を曲げる。すると目線の位置が合い、より顔が近くになる。

「本当に寝てる時は幼いな」

 そんな感想を呟いているとヘビメはゆっくり目を開けた、腕は縁にホールドしたまま……

 ヘビメは状況をゆっくり認識して、みるみる顔を染めバッと跳ね起きた。かなり慌てているようだ。

「お、おはようございます……あの、お風呂沸きましたので……」

「……ありがとう、行くわ」

 恥ずかしさの余り最低限しか言葉を発さなかった、寝顔を見られ恥ずかしい羞恥心はあるんだなと縁は思う。

 しばらくして、ヘビメが入浴準備を済ませドラム缶風呂まで来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ