途中経過
「……ん、よし」
どれぐらい時間が経っているのだろう、縁からでは時計が確認出来ない。
「縁、動いて良いわよ。休憩しましょう」
休憩の合図が出て少し伸びをする、身体が固まっているのがわかる。
「ヘビメさん、進捗どうですか?」
「まあまあね、やっぱり生の身体を見ないと進まないわ」
「俺見ても良いですか?」
「良いわよ」
スッと描かれたスケッチブックを眺める。
素人目だが相当リアルに描き込まれているし、左右のページで同じポージングだが違いのあるスケッチがいくつも並ぶ。
「うぉ……すご……」
圧巻に感じるスケッチの数々だがモデルが自分なので、変な感じもある。
「アンタの身体付きはまだ肉の影が弱いわ」
「あ、すいません……」
ダメ出しを食らってしまった。
「それでも来た時より逞しくなってるから」
「だと良いんですが……ヘビメさんはどうして俺を描いてるんですか?バキバキのお父さんが……」
「アンタ、実の父親の裸を描きたいと思える?」
まあ、そう言われたらまあそうだが……
「幽荘には男が居ないから本当に貴重な機会なのよ、感謝してるわ」
ツンツンしてるヘビメが感謝の気持ちをはっきり伝えてくる、だからぶっきらぼうでも嫌な気にならない子なんだろう。
「女性陣は何回も描かせてもらったけど、男と作りが違うのよね」
なるほどね、確かに同じ人間でも男女の差はある。
ヘビメはスケッチブックをパラパラめくりサッとページを見せる。
「これは少し前に描いた狐音とユウメね」
油断していた、ノータイムで見えたスケッチは二人の女性が裸で抱き合っている絵だ。確かに狐音とユウメに間違いない、特徴を捉えているが何故にその裸で抱き合うポーズ?
「いや!それはヘビメさん見せちゃダメな……」
「ああ、アンタ恥ずかしがり屋だもんね」
そう言う事じゃないが、本人達の許可無くはマズイ気がするのだ。
「あと、ネコメのヌードもあるわよ」
「ダメです、しまいましょう」
どっからどう見ても未成年なネコメはダメだ、自分の中で閉まってて欲しい。
しかし、幽荘の皆羞恥心とか無いんだろうか?平気で温泉に乱入してくるし、薄着は当たり前だし。
縁が来る前は女だけのアパートで、周囲に民家の一軒も無い所だからそうなるんだろうか?
「さて、お昼食べたら続きするわよ」
忘れていたがまだ休憩だ。と言うよりもうお昼の時間な事に驚く。
「後半はポーズを変えていくから身体的には楽よ」
「はい、わかりました」
前半に比べれば動きがありそうでホッとする。
せっかくだからと調理場でお昼を一緒に食べようと、二人は調理場へと向かい待ち構えていたジャノメが合流。
やましい事は無かったかの尋問に遭う縁であった。




