ドラム缶で作ろう
ユウメを宥めて家に帰してから自宅で勉強を進め一時間程だった、コンコンとノックされる。
「縁さーんお呼びですか〜」
本当に山からスズメが帰ってきた、凄い!わかるんだあの煙。
「スズメさん、ありがとうございます!実は狐音さんが呼んでまして」
「あら?なんでしょう?行ってみますか」
二人で一〇一号室前に来たのだが…グーグーといびきが漏れ聞こえる、マジで寝てたのか。
「ん〜狐音さんを起こすのはコツが要るんですよ〜」
そう言うとスズメは躊躇無く部屋に入り。
「あ、縁さんはここで」
「え?」
「ちょっと刺激が強いですから〜」
パタンと扉を閉めてしまった、少しすると「ひゃっ!ああんコラ!そこはダメじゃ!」中からバタバタ音と何かいかがわしい声が聞こえてくる。
静かになり笑顔で出て来たスズメと顔が赤い狐音、何が起きていたのかはわからない…
「全く…なんじゃスズメ突然!」
「突然も何も狐音さんが呼んでくれって言いましたよ?」
「…む、そうじゃったな、スズメと縁に頼みたい事があるんじゃ」
改まって何を頼まれるのだろうか?
「ドラム缶風呂を作って欲しいのじゃ、ほれ温泉改修の間必要じゃろ!」
「温泉改修するんですか〜?私シャワーが欲しいです〜」
(後で住人が要望する温泉に欲しいものまとめるか…)
とりあえずはドラム缶風呂か、確かに温泉改修がいつまで掛かるかわからないし作っておいた方が慌てなくて済むだろう。
「確か私の狩猟納屋にドラム缶あったような、見てきますね〜」
「でもドラム缶風呂って土台にかまど要りますよね?火焚いて良いんですか?」
「なーにこの辺り一帯幽荘私有地じゃし、温泉掘ってある時点でやりたい放題じゃろ今更」
「いやまあそうなんですが…」
とにかくドラム缶風呂とその土台のかまど作りをスズメとすれば良いのだな、漫画とかで見た事はあるが実物を作るなんて初めてだ。
ゴロゴロと遠くから音がしてくる、どうやらスズメはドラム缶を確保したようだ。
「で、デカい」
人一人すっぽり入れる大きさのドラム缶、こんなもの何に使って残してたのかの方が気になる。
「しっかりしてるしお掃除すれば使えそうですよ〜」
横倒しで転がしていたドラム缶をフワッと立て置きにした、あまりに簡単な動作に見えたがスズメは涼しい顔である。
「しかし作るとなるとこれだけじゃあ危ないですね〜土台用にコンクリートブロック積まないと倒れちゃいます」
確かにドラム缶が倒れないようにするのが一番のポイントだろう、水も人も溜まり中で人が動く事になれば転がってしまう。
「それじゃあ買いに行ってきますよ」
「では私は設計しますね〜必要な物があれば連絡出来るように…ハイ」
スズメが差し出したのはスマホであった、スマホを持つイメージが無かった為面食らう。
「そう言えば連絡先交換しとらんかったの、縁よほれ」
続いて狐音もスマホを出してくる、皆持ってるのか?
ともあれ二人と連絡先を交換して縁はホームセンターへ向かう事にした。




