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野盗の襲撃

皆さん明けましておめでとうございます、2018年ものんびり更新していくのでお付き合いよろしくお願いします。

快晴の空の下、俺はリストルの皆に見送られた後、とても良い気分で馬車に揺られている。


「どうしたんだ兄ちゃん?ニヤニヤして気持ち悪いぞ」


おっと、顔に出ていたかな、レイナやセオも不思議そうに俺を見ている。


俺の頭の中には先程からずっと昨夜の事が思い出されている、リズとレイナとキスをした事だ。しかもレイナには俺からだからな、これはかなり仲が進展したと言ってもいいのではないだろうか。


初めてのキスもリストルだったしリストルって本当に良い町だよな。


勿論今はこれ以上の事はする気は無いし自分の心と体の成長が優先だけどたまにならいいよな、スゥニィを迎えた後もまた寄らないとな、そして初めての…、そう思って再びニヤけそうになるのを抑える為に顔に力を入れていると空間把握に二十人程の反応が出る、反応は後方、リストルの方から向かってくる、俺達の馬車よりも早いので馬だろう。


「リズ!後ろから二十人程の集団がくる、もしかしたら野盗かもしれない」


御者台のリズに声をかける、馬に乗った二十人程の集団と言えばどこかの騎士や兵などという可能性もあるがここら辺で一番可能性が高いのは野盗だ。


その反応は真っ直ぐ街道を向かってくる、もう顔も視認出来る程に近づいていた。


向こうの動きは俺達を追っているようだ、やはり野盗だろうか、横を通り過ぎる時に注意しながら鑑定してみるとステータスに殺人者とあったので野盗で無くてもろくでもない集団だろう、だが俺達の脅威になりそうな相手はいなかったのでひとまず胸を撫で下ろす。


そのまま集団は俺達を追い越して少し先で止まり、道を塞ぐようにして街道に広がるとこちらに向き直る。


リズが馬車を停めたので荷台から降り、御者台から降りてきたリズと一緒に集団の前に歩いていく、リズに魔力会話で手強い相手は居ない事と、レイナ達には荷台で警戒しながら待機してもらっている事を伝える、そして野盗の集団には見覚えのある名前がある事も伝える。


「こ、こいつらです」


集団の左側にいた一人の若者が俺達を指差しながら真ん中にいる男に声をかける、若者はリストルのギルドで絡んできた三人の内の一人だ、残りの二人も集団の中にいる。


俺は若者に声をかけられた男を鑑定する。



ランゼ:34


人間:殺人者


魔力強度:41


スキル:[槍術] [斧術] [身体強化]



他の男達は魔力強度30程度なのに一人だけ40を越えていて身体強化も覚えている、銀色に光る甲冑は薄汚れた革鎧を着る他の連中に比べてかなり立派だ、武器は腰に差した立派な装飾の剣と、ハルバートって言うのか?右手で柄の長い斧と槍が合体したような武器を肩に担ぐようにして持っている、腰に差した剣と違いハルバートはかなり使い込まれている様子だ、そして馬の事はよくわからないがかなり立派に見える、コイツが集団のリーダーだろうな、その男が口を開く。


「本当にコイツらか?ただのガキじゃねぇか。だが女は確かに使えそうだな、あと二人いるんだろ?」


「は、はい。女が後二人、それとガキが一人いるはずです」


リストルを追い出された三人がここら辺を縄張りにしていた盗賊の事を知っていて仲間にしてもらったのか、それとも町を追い出された所を襲われ、その時に俺達の情報を渡して命乞いでもしたってところだろうか?なんとなく前者の気がするな。


初めて野盗を見たけど言われていた通りなかなか魔力強度が高いんだな、リーダーなんて十分に銀上級冒険者でやっていけそうだ、野盗はアジトを森の中に置く事が多いので毎日魔物と戦ってるってのも頷けるな、冒険者になればいいのに。


そう考えていると真ん中の男が口を開く。


「そろそろ仕事場を移そうかと思っていた所で上玉三人か、昨日も二人見つけたし俺はついてるな。おいガキ!女と馬車と装備を置いてくなら見逃してやるぞ。服までは勘弁してやらぁ」


脅しのつもりなのかすぐ近くにいるのに馬鹿でかい声だ、男の言葉に笑いだす周りの男達、服と命を残すなんてお頭は優しいですねなんて声も聞こえる。


「リズ、どうする?一人でいいの?」


魔力強度30越えの男が二十人、冒険者になった頃の俺達なら苦戦したかもしれないが今のリズと俺なら問題ない。俺は野盗を無視してリズに確認をとる、野盗への対処は決めていたが実際に襲われるのは初めてなので念の為だ。


「二人は残したいかな、ギルドで絡んできた三人の誰か一人と野盗から一人。後は話し合って決めていた通りに。どう?あの中に誰かいる?」


リズに聞かれたので集団の右側にいた鑑定に殺人者と表示の出ていない一人を指差す。


「わかった、じゃあ私は左側ね。『縮地』」


そう言うと共にリズが呪文を唱え野盗に突っ込む、遅れて俺も集団に向かって駆ける。


『拍車』


「はっ?」


部下達に俺って優しいだろと楽しそうに話していたお頭に向かって飛び上がるとそのまま豪脚で首を蹴り飛ばす、そして拍車のかかった足で宙を踏み込み近くにいる野盗の首を同じように豪脚で蹴り飛ばし、もう一度足場を作り近くの野盗を蹴り飛ばす、足場を二回作ると一度地面に降りないといけないのが面倒だがいきなりお頭を無くした野盗は右往左往するだけで混乱して逃げる事も向かってくる事もないので大丈夫だな。


「ぎゃっ」「やっ、やめ」「こんな」


首の骨を折られどんどん馬上から落ちていく野盗達、全て蹴り落とし最後に殺人者の表示がない男の腹を蹴り馬から崩れ落ちる所を頭から落ちないように支えてやる、苦しそうに呻く男、やはり上手く気絶させる事が出来ないな。


「テオ、こっちもお願い」


既に左側を終わらせていたリズが上手く気絶させた元冒険者をロープで縛っていたテオに俺の捕まえた男もお願いする。


そして俺は街道から離れた所に行くと土魔法で大きな穴を作っていく。


穴が出来ると大人しくさせた二人の野盗と違い、既に事切れている野盗を穴に入れていく、攻撃の特性上リズの対応した左側は血が街道に飛び散っているので土魔法で後も消していく、殆どが心臓を一突きなので体が二つになっていないのがまだ幸いかな、なんとか全ての野盗を穴に放り込むと数が多いので燃料を三本も使い火をつける。


この世界での野盗への対処は大まかに考えると二つある、生かすか殺すかだ、俺達は後者を選んだ。


もし生かすならそのまま近くの町の衛兵につきだす所まで責任を持たないといけない、野盗に反省なんて望めないので見逃したりすると野盗はまた略奪を繰り返すだけだ、二人、三人なら町まで連れていくのもいいが魔物のいる危険な森の中を拠点にする野盗は大抵が十人以上の集団だ、流石にそんな大勢を近くの町まで連れていくのは大変だからな。


なので話し合って野盗に遭遇した時は魔物と同じ扱いをする事にしたのだ、一応余裕があるなら一人は残して情報を吐かせ、その一人だけは町につきだそうと決めて。


レイナに頼み風魔法で臭いや煙を空に逃がしてもらっている間に俺とテオは穴に入れる前に外してあった野盗の装備を集めて馬車の荷台に運び込む、リズとセオは残った馬の対応だ。


「ありがとうレイナ」


死体を燃やす側で臭いと煙を空に逃がすという嫌な役目をお願いしたレイナに丁寧に清浄の魔法をかけながらお礼を言う。


「離れていたので大丈夫ですよ」


そう言って笑ってくれたレイナの笑顔に癒される、大分慣れたとはいえまだ日本の倫理観が残る俺はやはり人の命を奪った後は少し気持ちが落ちるからな。


気を取り直して後始末をしていると、殺さずに残していた野盗がなんとか喋れるまでに痛みが落ち着いたようなのでアジトの場所を聞く、あっという間に集団を壊滅させた俺とリズに怯える野盗は素直にアジトの場所を教えてくれた。


その後一時間程かけて何とか後始末を終える、逃げた馬もいるが半分以上の馬が残っていたのでロープで馬車の荷台に繋いで引っ張っていく、暴れたりしないかと心配したがこの世界の馬は頭がいいのか、これで大丈夫というリズの言葉通り大人しく馬車の後をついてくる、荷台から見える十頭以上の馬を見ていると荷台に転がしておいたリストルで絡んできた元冒険者の若者、セッタが目を覚ました。


「ひっ、おっ、お前らただの運がいい冒険者じゃなかったのか」


俺達を見て状況を把握したのか怯えるセッタからどういう経緯で盗賊団を連れて来たのか話を聞く、セッタは町の噂で野盗の存在を知っていたらしく、探し出して仲間に入れてくれと頼んだようだ。


野盗の集団はランゼ盗賊団といって、大攻勢で出た犠牲で冒険者の少なくなっていたリストルの町の近くを狙って活動をしていたようだ、だが落ち着いてきたリストルでは近い内にランゼ盗賊団の討伐予定がされていたらしく、依頼を受けずに毎日冒険者ギルドや町の酒場などに入り浸っていた三人はその時に聞いた情報を頼りに盗賊団を探し当て、討伐の情報と俺達の情報を渡して仲間に入れてもらったようだ。


セッタは俺達の事をギルドの職員から聞いてもリストルの悪夢を生き残ったのは運が良かっただけで、活躍したというのも皆の勘違いだろうと思っていたらしい、それなのに職員やギルド長に気に入られていた俺達が気に入らなかったようだ、そしてリストルを追放されたのも俺達のせいだ、と。


俺達が今日リストルを起つという事はわかっていたので集団の頭ランゼにその情報と高く売れそうな女が三人いると伝えたようだ。


要するに嫉妬や妬み、逆恨みか、話を聞いているだけで怒りが込み上げてくる、リストルの町で一度、町を出て一度良い気分の所に水を差されたし、狙いはリズ達だったと言うし、しかも十四歳で結婚出来るこの世界で十八歳と言えば立派な大人だ、別に他人の生き方や考えに口を出す気はない、ないが…。


「アジトの場所はもう一人が案内出来そうですし、その人から聞きたい事は聞けたようなので殺しますか?」


怯えた顔で卑屈に笑い許しを乞うセッタを見て感情が冷えそうになっていた所でレイナから物騒な言葉が飛び出した。


俺はそれを聞いて我にかえる、危ない危ない、セッタの話を聞いて昔の事、リズやレイナの過去、テオとセオ、ジーヴルの貧民街やアルヴァ達、魔物に襲われたリストルの事が何故か頭に浮かんで危険な思考になっていたな。


なんでこんなに危険な思考になったんだろうと考えてみる、歳が近いのでセッタが昔俺をイジメていた奴等と被ったのかな。


そうかもしれないけど何か違う気もするな、まぁ今はいいか。


「いや、コイツは近くの町に引き渡そう」


所属していた集団がどれほどの被害を起こしていたかで少し変わるが殺しをしていない野盗は大抵は犯罪奴隷行きだ、セッタは俺達を襲ったのが盗賊団に入って最初の仕事のはずだ、それならレイナの見立てでは強制労働五十年というところらしい、若いから死ぬ前に解放されるかもしれないが若い時を強制労働で過ごし年老いて解放されるのと死罪とどちらが辛いのかはわからないな、絶対に奴隷になるような犯罪を起こすのはやめようと心に誓う。


そう考え気持ちを切り替えると、怯えながら俺とレイナを交互に見ているセッタを無視してレイナの隣に座り手を繋ぐ。


『ごめんレイナ、声をかけてくれてありがとう』


『いえ、野盗は魔物と同じと決めているので殺しても問題ないですよ。ただ、なんとなくあの時のトーマさんはいつものトーマさんらしくなかったとは思います。出来たらああいう顔はセオやテオの前ではやめたほうがいいかもしれませんね』


レイナやリズは最初の殺しでは少し忌避感もあったようだが最近はかなり割り切っている、相応の理由があるなら命を奪うのは当たり前の事だしな、だけど俺は人の命を奪う事には慣れたが気持ちはまだそこまで割り切れてはいない。


それはともかく、俺はそれほど酷い顔をしていたのかとあの時の心情を思い返してみる、確かにあの時の俺はセッタの事を虫でも見るような気持ちだったな、そう思いテオを見ると既に眠っていた、セオは馬車の外を眺めていたので見られてはいないようだ。


そのまま俺達は馬車を走らせ野盗から聞いた情報を元にアジトに向かう、リストルを出て半日程経っているのでお腹が空いているが野盗から聞いた話だとアジトに拐ってきた人がいるらしいのでなるべく早く助けた方がいいだろう。


野盗から聞き出した話ではランゼ盗賊団が昨日他の場所で馬車を襲い、人を拐ってアジトに帰った所でセッタ達が待っていた、そして盗賊団のお頭はセッタから俺達の話を聞くと数人の見張りと共に拐ってきた人をアジトに残し、俺達を襲う為にリストルの近くで夜明け前から張っていたようだ。


そんなに勤勉に働くなら真面目に働けよと思うが今更か、まずは拐われた人の救出だな。





「ここから入って暫く歩けばアジトがある、あります」


俺達が襲われた街道から北西、位置的にリストルの北にある森の側で野盗がリズに声をかけたので馬車を停める。


俺達が向かうラザはリストルから北東なので反対側になる、いつになったらラザに行けるのかと思いながら森に入る人選をする。


「リズは何かあった時の対応もあるし遠目のスキルも森じゃあまり使えないから残りで、レイナも森だと魔法が使えないから残りで、って別に俺一人でも大丈夫だよ」


「「駄目!」です」


姉妹でそんな見事にハモらないでも…。


いいトーマ?そう言いながら人差し指を俺に向けズンズンと近付いてくるリズ、ま、まて、わかった、落ち着け、痛っ、指っ、痛いっ。


「トーマは話を聞いてなかったの?私とレイナが残るのはいいけど今回は拐われた人がいるんだよ、何もされてないって言ってるけどもし何かされてたらトーマは一人で対応出来るの?」


そう言われて考えてみる、自信がない、というか無理だな。


野盗の話ではお頭が戻るまで見張りは拐ってきた人には何もしないと言うがもし乱暴されていた時の為に少しでも役立つから同性であるセオも連れていけと言われた。






野盗に森の中を案内させ、空間把握で魔物を避けながら進む、どうやらついたようだ。野盗の指差す先には二人の見張りと少し小さめで大人が屈んでようやく入れそうな穴があった、巨大な一枚岩なのか断層がズレているのか詳しくはわからないが森の中に洞窟って本当にあるんだなと少し関心しながらセオに目を向ける。


「私が行きます」


俺が頷くと同時にセオが木々の間に姿を消す、ガサッガサッと木の鳴る音に見張りが警戒し辺りを見回すがその頭上からセオが見張りの頭を踏みつけながら押し倒す。


「こっ、この野郎」


突然現れたセオに怯んだもう一人の見張りが仲間を呼ぶ事も忘れ、慌てて持っていた木の槍を突くがセオはそれを簡単に躱すと同時に飛び上がり、しなやかに右足を繰り出し首の骨を折る。


目の前で落ち着いて見ると今更ながらに十歳の女の子が、と少し思う所もあるが…、俺はセオの動きに呆気に取らている案内役の野盗のロープを引きながらセオの元に行く、空間把握には洞窟の中の仲間が気付いた様子はない、俺は少し息が荒いセオの頭を撫でてやる。


「大丈夫?」


「大、丈夫です。ゴブリンと変わりませんでした」


視線を倒れた見張りに向けたまま話すセオ、テオはハンプニー家の襲撃の時に経験しているがセオは人の命を奪うのは今回が初めてだ、しかも襲われた所を獅子の鬣のメンバーと一緒に返り討ちにしたテオとは違いセオは一人で自分から仕掛けた、結果は同じでも過程や状況は大分違う、なのでセオの息が整うまで頭を撫でてやる。


「ありがとうございます、もう大丈夫です」


そう言って顔をあげて俺を見るセオ、出会った頃のように表情は硬いが大丈夫そうだ。


森に入る前、リズから野盗は大した事ないし今のうちに経験させられるならと言われた時、俺は反対したがセオが自分でやると言ったのでそれならと渋々了承したが問題ないようだ。


セオの動きにも躊躇いは無かった、そういえば最初に頭上から頭を踏みつけたあの動きは俺が最初にゴブリンを倒した時と一緒だな、あの時の俺は


「あ、あの、トーマさんもう大丈夫です」


かなり緊張ん?あっ、どうやらずっとセオの頭を撫でていたようだ。


「ごっ、ごめん。セオの撫で心地がとても良くて」


「なっ撫で心地ですか?それより先に進みませんか?」


セオに促され、名残惜しいがセオの頭から手を離すと見張りの死体を土魔法で囲って隠す、アジトの中に入ってる間、見張りの死体が魔物を引き寄せないようにだ。


先に俺、次に青い顔をした案内役、その後ろからセオの順に少し小さい入り口を潜り中に入る。


中に入ると低く狭い通路が奥に続いている、中腰のまま奥に進んでいく、お頭はかなり大柄だったがアイツも毎回こうやって中腰で入っていたのを想像するとシュールだな。


進んでいく程に通路が広がっていき普通に歩けるようになった、そのまま進むと通路が三つに別れている少し広い場所に出る、上には空気穴なのか拳程の穴が三つあった。


空間把握には右側の通路の先に六つの反応がある、盗賊団の残りは三人、拐ったのは女性二人に男性一人と言っていたので人数は合っているな、一つ弱っている反応があるのが気になるが焦る訳にはいかない。


「セオ、捕まっている人を助けてくるからここで待ってて欲しい。コイツが声を出そうとしたり変な動きをしようとしたら頼む」


案内役にも聞こえるくらいの声でセオに話す、案内役は青い顔でブルブルと首を振っているので大丈夫だろう、セオが見張りを倒したのも見てるしな。


頷いたセオの頭を軽く撫で、俺は右側の通路をゆっくりと歩いていく、反応のある空間に近付くと呪文を唱える。


『明鏡止水』


気配を消し、更にゆっくりゆっくりと歩いていくと何やら聞こえてきた。


「おらっ、てめぇ生意気なんだよ!何が貴族だ」「おいおい、男だからってやり過ぎだ、その辺でやめとけ」「お頭達ももうすぐ戻ってくるぞ」


騒がしい声は好都合だ、何か嫌な単語が聞こえたが気にせず俺はゆっくりと近付いていき、声のする場所を覗く、牢屋のような鉄格子があり、その中に白いドレスの女性、銀色の甲冑を着た女性、そしてロープで縛られたまま野盗に蹴られている男性の姿があった、案内役が言っていた残りの野盗は男性を蹴りあげている男とそれを止めている二人だな。


全員の視線が野盗と蹴られている男性に集中している中、白いドレスの女性は別の場所を見ていた、というか俺の方を見てないか?俺は口の前に人差し指を置き、静かにというジェスチャーをしながら俺に背中を向けている野盗に近付く。


『豪腕』


直ぐ後ろまで近付くと呪文を唱え右側の男の首を右手の手刀で叩き折り、直ぐに左側の男へと踏み込み首を右足で蹴り折る。


「はっ?」「えっ?」


二人が吹き飛んだ後にいきなり俺が現れた様に見えたのだろう、男性を蹴っていた野盗と甲冑を着けた女性が間抜けな声を出す。


そして最後に男性を蹴っていた野盗の首の骨を右手の手刀で折った。


「え?あ、あの、え?あの…」


状況を掴めていない甲冑を着けた女性が野盗の死体を見た後で恐る恐る俺に声をかけてきたので女性や倒れた男性、そして白いドレスの女性を鑑定しながら返事をする。


「あ、驚かせてすいません。俺達も盗賊団に襲われて、返り討ちにしたんですが生き残りからアジトに拐った人がいると聞いたので一応助けにきました。こちらにいる三人で合ってますか?」




ミリエメ:22


人間:騎士


魔力強度:40


スキル:[剣術] [槍術] [身体強化] [礼儀作法]




レオン:ドゥニエル:24


人間:子爵家嫡子


魔力強度:38


スキル:[剣術] [体術] [身体強化] [風魔法]


状態:瀕死




リーヴァ:ドゥニエル:13


人間:子爵家公女


魔力強度:22


スキル:[魔眼] [魔力操作] [氷魔法] [礼儀作法] [裁縫]



野盗の声を聞いて覚悟はしていたが拐われたのは貴族かよ、しかもドレスの女性は魔眼持ちだ、面倒な事になりそうな予感を感じながら取り合えず三人を連れてリズ達の所に戻る事にした。





新年一発目から苦手な貴族を出しました(笑)


まぁこれは大きな話ではなく後の人文紹介みたいな感じなので大丈夫だと思います…、多分。

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