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勿忘草  作者: 紫雨
第三章 -出逢い-
17/21

白-17- 恋色模索


「冬瑚はさ、白が似合うよね」


 ぽつり、と桃伽は呟くように言った。

 彼女の目線は、私が今日着ている白いワンピースにとまっている。


「…そう?」

「うん。なんか第一印象から…白って感じ。名前が冬ってつくのもあるけど…、なんか、雪が凄く合いそう。」

「雪、かあ…」


 思い出す、私が生まれ育った町。智洋と出会ったあの町は、白い雪に覆われることが多かったため、思い出すのはいつも雪景色。


「ここも少し降るみたいだけど、地元はすごくたくさん雪降るところだったよ。だからかな、にじみ出てる?」


 ふふ、と私は笑ってみせた。

 それに彼女も微笑み返してくれる。


「雪?いいなあ、あたしみたことないよ、雪。」

「降らないの?桃ちゃんの町」

「全然。冬でも結構あったかいよ」

「へえ~」


 雪を見飽きてる私でも、みたことないのは勿体ない気がする。

 だって、あんなに綺麗。

 真白な世界に包まれたら、総てを浄化してくれるような感覚を受ける。

 雪は美しくて真っすぐだ。



「―――行ってみたいな、冬瑚のいた町。」


 雪に焦がれたのか、桃伽は目を輝かせて言った。


「おいでよ。桃ちゃんならいつでも大歓迎だよ!ここから、そんなに離れてないし…。時間あるときにでも、私案内するよ?」

「本当?ありがとう。…行きたい!」


 私の言葉に、心から嬉しそうにする桃伽。彼女が顔をほころばせると、まるで花が咲いたみたいに、空気が和らぐ。



「じゃあ桃ちゃんはピンクだなあ」


 さっきの続き、と、私の持ってる彼女のイメージカラー。


「可愛いのに、綺麗っていうか。凄く優しい気持ちになれる」

「名前も桃だしね。桃色?」

「そのせいかなあ、ピンクより桃色が近いかも。やわらかいピンクって感じ」


 はじめての印象は可愛い人。だけど時折見せる横顔は凄く綺麗で、彼女に想われている人はどんなに幸せだろうって、大袈裟だけど思っている。

 そして重なる面影に、私は何度も見惚れてしまっていた。



「じゃああたしたち、合わさったら綺麗な薄ピンクになるね」


 そう言って彼女がはにかんだのにつられて、その色を思い浮かべながら、私も笑った。



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