白-17- 恋色模索
「冬瑚はさ、白が似合うよね」
ぽつり、と桃伽は呟くように言った。
彼女の目線は、私が今日着ている白いワンピースにとまっている。
「…そう?」
「うん。なんか第一印象から…白って感じ。名前が冬ってつくのもあるけど…、なんか、雪が凄く合いそう。」
「雪、かあ…」
思い出す、私が生まれ育った町。智洋と出会ったあの町は、白い雪に覆われることが多かったため、思い出すのはいつも雪景色。
「ここも少し降るみたいだけど、地元はすごくたくさん雪降るところだったよ。だからかな、にじみ出てる?」
ふふ、と私は笑ってみせた。
それに彼女も微笑み返してくれる。
「雪?いいなあ、あたしみたことないよ、雪。」
「降らないの?桃ちゃんの町」
「全然。冬でも結構あったかいよ」
「へえ~」
雪を見飽きてる私でも、みたことないのは勿体ない気がする。
だって、あんなに綺麗。
真白な世界に包まれたら、総てを浄化してくれるような感覚を受ける。
雪は美しくて真っすぐだ。
「―――行ってみたいな、冬瑚のいた町。」
雪に焦がれたのか、桃伽は目を輝かせて言った。
「おいでよ。桃ちゃんならいつでも大歓迎だよ!ここから、そんなに離れてないし…。時間あるときにでも、私案内するよ?」
「本当?ありがとう。…行きたい!」
私の言葉に、心から嬉しそうにする桃伽。彼女が顔をほころばせると、まるで花が咲いたみたいに、空気が和らぐ。
「じゃあ桃ちゃんはピンクだなあ」
さっきの続き、と、私の持ってる彼女のイメージカラー。
「可愛いのに、綺麗っていうか。凄く優しい気持ちになれる」
「名前も桃だしね。桃色?」
「そのせいかなあ、ピンクより桃色が近いかも。やわらかいピンクって感じ」
はじめての印象は可愛い人。だけど時折見せる横顔は凄く綺麗で、彼女に想われている人はどんなに幸せだろうって、大袈裟だけど思っている。
そして重なる面影に、私は何度も見惚れてしまっていた。
「じゃああたしたち、合わさったら綺麗な薄ピンクになるね」
そう言って彼女がはにかんだのにつられて、その色を思い浮かべながら、私も笑った。




