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「おはよ」
「おはようございます。結構待ってました?」
「いや、今来たところだよ」
もくずさんは小さな嘘をついた。この嘘は毎日ついている。力哉が家から出る時間は5から15分のバラツキがある。もくずさんは力哉と一緒に学校に行きたいので毎日階段の上で本を読んで力哉を待っていた。
「今日、三限の数学で課題出てたけどちゃんとやった?」
「あ、忘れてました」
「力哉忘れてるかもって思って答えと解き方書いた紙見せてあげるよ」
「ありがとうございます。本当にもくずさん様様です」
「全然そんなことないよ」
ここ最近になって変わったことではないが、もくずさんは結構笑うようになった。少し前にもそう思ったがなんでもないただの会話でも笑うようになった。
力哉はそれが嬉しかった。
瞳の家に行った時はだいぶ寒く秋の訪れを感じていたが、ここ数日は暑さが最後の抵抗を見せて2人とも半袖を着ていた。
「そういえば運動会1週間後ですね」
「そういえばそうだね。約束覚えてる?」
「1位になったらみんなでご飯食べに行こうって言ってたやつですよね」
少し前にそんな約束をしていた。
「多分くらげが何かで1位になることはないと思うから、4人のうち誰かが頑張らないとだね」
「1位になれるとしたらもくずさんか杏奈だと思いますよ。俺は運動神経悪いですし、瞳は悪くはないけどめっちゃいいって訳でもないんで1位は厳しいと思います」
杏奈の運動神経は正直良さそうには思っていない。でも瞳に応援されて「任せてください親分!絶対に1位取ってきます!」と言って有言実行する姿が目に浮かんでいた




