1話「冒険の始まり」
長い道のりを歩いてきた。
やっと目的の街にたどり着くことができた。
ここから俺たちの冒険が始まるんだな。と思いつつ、
後ろから駆けてくる妻に向き、
「おーい、クレア、街が見えてきたぞー!」
そう言うと彼女が駆けてきて、隣に並ぶと、
「おー、ほんとだー!じゃぁ、どっちが先に街につくか勝負ね!」
「あぁ、負けないぞ」
「私だって!ほら、いくよー、シュビア」
「本気出し過ぎるなよー!」
―――――――――――――――
――――――――――
―――――
「すぅ...すぅ...」
「ねぇ、シュビア、起きてってば!」
「ん....?」
「シュビア!起きて!」
「ふあぁ...おはよう、クレア」
「おはよう、シュビア」
見慣れない部屋だ、
ほとんどが木造りの部屋で、ベッドが一つとちょっとした装飾、
そして魔石を使った照明がぶら下がっているだけの質素な作りである。
「やっと着いたね、冒険の始まりの街、ファグニアに」
そう、僕らは昨日長い旅をへて、冒険の始まりの街と言われるファグニアについたばかりなのである。
「そうだな、4か月くらいかかったか....とりあえず、冒険者といったらギルドだよな!」
「そうだね~、今日は冒険者ギルドに行ってみる?」
「だな、服着替えて冒険者ギルドで登録とかしよっか」
「はーい」
―――数分後―――
「よし、服着替えたから行こうか」
「うん!いこいこー!」
―――――――――――
―――――
ざわざわ
「なんか、騒がしいな」
「そうだねー....はっ!もしかしてシュビアのカッコよさにざわついてるのかも!」
「はは、それだと俺が他の女に言い寄られるかもしれないぞ?」
「はっ!それだけはだめ!シュビアも他の女の子に近づいちゃだめだよ!?」
「まさか、俺がクレア以外の女にそういう目すると思うか?」
「思わない」
「だろ?....でも、まじめな話、俺たちに関するひそひそ話が聞こえるんだが....なんでだろうな?」
「さぁ?」
「....そんなに竜人って珍しいのか?」
「いや...まぁでも、当たり前だけど私達以外に竜人見ないし...ねぇ?」
そう、俺とクレアは竜人の血を引く者で、
竜人特有のツノがクレアには生えているのである。
え?俺には生えていないのかって?それは当然だ、なんせ"半端物"なのだから。
「まぁ、気にする由もないか。....っと、そんなこんなでギルドについたな」
「受付の所いこ!」
「すみません、ギルドに登録したいんですけど、いいですか?」
「はい、いいですよ。それではこの紙に名前、年齢、性別、得意な魔術、属性をお書きいただけますか?」
「わかりました」
名前:シュビア・ファフニール
年齢:20歳
得意な魔術:契約系 元素系 回復術
属性:氷漆属性 風属性 氷冴属性
「私も、書けばいいんだよね?」
「だな」
名前:クレア・ファフニール
年齢:20歳
得意な魔術:元素系 精霊術 剣魔術
属性:白炎属性
「はい、シュビア様とクレア様ですね。....契約術が使えるのに元素魔術なども使えるのですか?」
「はい、そうですが?」
「そうですか.....とりあえず、ギルドカードに登録する職業を選んでいただきます」
そういうと受け付けは職業一覧を持ち出し
「この中から選んでいただきます」
「ふむ....それじゃぁ、テイマーでお願いします」
「シュビア様はテイマーですね、クレア様はどうなさいますか?」
「じゃぁ...魔剣士で」
「わかりました....はい、それでは最後に魔力測定を行わさせていただきます」
「どうやって測るんですか?」
「この水晶玉に触れていただきます、そうすると光るので、その光の大きさによって測らさせてもらいます」
「それじゃぁ触りますよ」
そっと水晶玉に触れると...
パリィン!
ざわざわ
「!?」
「ん?水晶玉が割れた....これは?」
「あ、ありえません....まさか故障?いえ、そんなはずは....だとしたら、本当に...?」
「なんだろうねー?シュビア」
「なんなんだろうな」
「....気を取り乱してすみません、それでは今度はクレア様、この水晶玉に触れてください」
今度はクレアが水晶玉に触れると...
バリィン!
ざわざわざわざわ
「また割れたな、なんだこりゃ?」
「...はっ!そ、それじゃぁこの結果でギルドカードに記録いたしますね....はい、こちらが彼方たちのギルドカードです」
「ありがとうございます」
「それではシュビア様、クレア様、今後の活躍をお祈りいたします」
「ねぇねぇシュビア、なんだったんだろうね?あの最後の水晶玉」
「なんだったんだろうな...まぁ、どちらにしろこれからの目的は変わらないし、のんびりとやっていこうか」
「そうだね!」
クレアが腕に抱き着いてくる
そんなクレアの頭をそっと撫でてあげる
「と....じゃぁ今日は、この街を見て回って寝よっか」
「じゃあっちからまわろ!」
「わかった、クレアの気になるところからまわろうか」
「うん!」
こうして俺たちのゆっくり気ままな冒険が始まったのであった――――
なんか所々はしょり過ぎかな?
次回はもっと細かく書きます