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憧憬の森
湿風が吠えた
誘い込むように泣いた
優しいやわらかな葉の音は
まるで手を振るようで
高い枝のフィルムの
漏れた光が愛しい
いくつも垂れ下がる人の蔓が
僕を呼んでいた
ゆらゆら、ふらふら
みんな風で揺られて
きらきら、くらくら
みんな泣いたり嘲笑ったり
誰かが落ちた
片方は飛んでった
悲しい落ち葉の舞う色が
まるで別れをいやがるように
高い幹の針山の
刺さる人が美しい
いくつも垂れ下がる終幕が
僕を憧れさせた
ゆらゆら、ふらふら
みんな昇っていて
きらきら、くらくら
僕は叫んだり倒れたり
みんな憧れたんだ
この木の全てに
人の蔓になるまで
垂れ下がる茶色の縄たちが
白い残骸を鳴らす
誘い誘われ吸い込まれ
明日は僕の枝が伸びる




