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記憶
雪と寒風に流れあおられ
首に冷たさ戻ってくる
いつだったろう
冬の日に二人でいた時
憶えている
でもいつか分からない
五感すべてが覚えているのに
大事なことを憶えていない
過去の記録は曖昧で
残っている訳じゃない
それを失った人は
まるで世界が雪景色
人は夏を生きている
しかし寒さにすがろうと
亡くしたものは還らない
前を向けない
歴史は
複雑な表情だ
過去を愛して未来恐れて
笑い続けば
閉ざした吹雪の壁
運命なんてもの
人の弱さによって変わる
ただ一つ不変があるならば
その記憶
信じるもの夜を揺蕩う
先の無い闇を彷徨う
きっと、未来なんて誰も見てない。
ラプラスの悪魔でもない限り。




