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野焼き
村の男は野に出て
矛を持ち鹿を追う
家の女は家の子に
「精一杯生きるんだ」とそう教える
男が捕らえた獲物は
子の身体を作り大きくさせる
そうしてやがて時は過ぎ
老いた男は死んでいく
家の子は女に教えられた通り
男の屍を野に放つ
そして焼くのだ
野とともに
やがて子は男になり
想う女と子ができる
また老いて、大きな男は野に喰われ
野はまた子を大きくしていく
恵みだ恵みだと
男も女もそして子も
野の餌を食べ太り
老いて死せば野が喰らう
地の下の
骸の山が語ろう
人は勝てぬ
自然に勝ったと思わせる
それが自然への敗北なのだ




