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王子の心を溶かすのは・・・?〜孤独だった元OL、異世界で最強聖女になって公爵家に溺愛され、呪われた不器用王子を無自覚に救っちゃいました〜  作者: S@Y@


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最終話(第71話):世界一の幸せをリリース! 無敵の過保護ネットワークと、最高の大団円(完結)


王宮の大広間は、きらびやかなシャンデリアの光と、着飾った貴族たちで埋め尽くされていた。

会場に入った瞬間、ピンクのドレスを着たルナのみずみずしい愛らしさに、周囲から「まぁ、なんて可愛らしいお姫様かしら!」とため息のような歓声が上がる。


「あぅー、きらきらー♪ ママ、ひとがいっぱい!」


ルナは私の手をぎゅっと握りながら、珍しい景色に目を輝かせている。その斜め後ろでは、ギルバートとレオが、まるで獲物を狙う鷹のような鋭い視線で周囲を警戒スキャンしていた。近づこうとする大人の貴族たちは、パパの放つ圧倒的な覇気に気圧されて誰も近寄れない。


「ふん、大人の悪い虫はパパの威圧感で全消去デリートできているね。だけど、油ないは禁物だよ」


5歳になったレオが、フッと前髪を掻き上げながら呟いた、その時だった。


「おい、そこのピンクのドレスの女の子。僕と踊ろうよ」


人混みをかき分けて現れたのは、他国の高名な公爵家の息子で、ルナより少し年上の男の子だった。生意気そうな笑みを浮かべてルナの手を取ろうとする。


ピキィィィィィィン!!!


男の子の手がルナに触れる直前、2人の間の空間が凍りつき、透明な壁が展開された。


「……君、誰の許可を得て僕の可愛いルナに触ろうとしているのかな?」


低い、けれど美しい声とともに、レオがルナの前にサッと立ちはだかった。アメジストの瞳を冷ややかに光らせ、ちっちゃな腕を組んで男の子を見下ろす。


「なんだよお前! 僕はただ、その子が可愛いから声をかけただけだぞ!」


「――構築、『僕の美しさに平伏しなさい(ナルシスト・フラッシュ)』!――」


まばゆいばかりの純白の聖光が、レオの体からブワァァァッ! と放たれた。それは攻撃ではなく、レオの持つ「美しさと才能」を限界突破して映し出す、お披露目専用の魔法だ。


「うわあああ!? なんだこの眩しさは! 髪も、顔も、服の着こなしも……僕なんかより、そっちの男の子の方が何百倍もカッコよすぎて、見ていられない……っ!」


男の子はレオの圧倒的な美のオーラに完全に圧倒され、その場にへなへなと崩れ落ちてしまった。傷一つつけず、ただ「格の違い」を見せつけるだけの華麗な撃退だ。


「さあ、お帰りはあちらだよ。僕という世界一完璧なお兄ちゃんを見て、少しは自分磨きの勉強をするといいさ」


レオが手をサッと振ると、男の子はすっかり戦意を喪失して逃げ帰っていった。


「やったわ、レオ様! さすがお姉様の第一皇子! 悪い虫を美しさだけで消し飛ばすなんて、麗しすぎますわ!」


後ろで控えていたエレノアが、感激のあまりハンカチを握りしめて大興奮している。もちろん、エレノアだけはルナのことを「ルナ様!」と呼んで目をハートにしているけれど。


「ふふ、ありがとうエレノア。……ルナ、怖くなかった? お兄ちゃんが守ってあげたからね」


レオはさっきまでの冷徹な顔から一転、とろけるような笑顔でルナを振り返った。


「おにいたん、きらきらー! かっこいー!」


ルナがちっちゃなおててをパチパチと叩いて大喜びすると、レオは「うう、ルナ……! 君のその笑顔のために、お兄ちゃんはいつでも世界一輝き続けるよ!」と、ルナを優しくぎゅーっと抱きしめた。


「ハハハ! よくやったレオ! 流れるような撃退、さすがは俺の息子だ!」


ギルバートが駆け寄り、レオとルナをまとめて腕の中に抱き上げる。


「あら、旦那様。今回は国家問題になるような一括削除デリート計画は、リリースしないの?」


私がクスッと笑うと、ギルバートはアメジストの瞳に深い愛を込めて、私を見つめた。


「必要ないさ、ユキ。俺たちが夜なべして作り上げたこの『最強の過保護ネットワーク(家族)』の前では、どんな陰謀もトラブルも、ただの些謝なシステム負荷に過ぎない。俺は今、人生で一番幸せなログ(日常)を更新し続けているんだからな」


「ええ、そうね」


私が頷くと、エレノアが「お姉様! 私も一生、この素晴らしいアラカルト家のシステムの一部として骨を埋めますわ!」と涙ながらに宣言し、足元でランが「ふん、主よ。これで我もゆっくり高級お肉を食べるセッションに入れる」と満足げに念話をしてきた。


元システムエンジニアの知識から始まった、私の異世界ハッキング育児ライフ。

他国の陰謀、魔法封じ、そして騒々しい日常のバグ(失敗)たち。

それらすべてを修正して、たどり着いたのは、最愛の過保護な旦那様と、天才でちょっぴりナルシストなシスコンお兄ちゃんのレオ、そして世界一可愛い妹のルナ。さらに、頼もしい実家の両親や、忠実な妹分のエレノア、職人たちという、最高の「無敵の家族」だった。


「よし、みんな! これからも新しい幸せのプログラムを、どんどん世界にリリースしていきましょう!」


私の言葉に、レオが「イエス、マイ・マザー!」とちっちゃな指をパチンと鳴らし、ギルバートとルナも元気よく応える。


他国のトラブルも、恋の嵐も、そしてこれからの成長のバグも。

私たちの前では、すべてが新しい幸せをリリースするためのプロセスに過ぎない。

世界一頼もしくて(ちょっぴりナルシストな)お兄ちゃんのレオを筆頭に、私たちの最強過保護ネットワークは、これからもどこまでも幸せに、無敵に、そして賑やかに突き進んでいくのだった。



最後までお読み頂きありがとうございます!

本作はこれにて完結致しました。

他にも短編や長編の『ハッピーエンド』で終わる作品を投稿しております。

お時間のある際お読みいただけると作者が嬉しくて飛び跳ねます♪

沢山のブックマーク、感想、評価ありがとうございます☆

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