言わない代わりに
「それじゃあ、質問のついでにもう一つ聞くけど…」
現在の状況を聞いたあとで、
もう一つの質問を投げかけてみたの。
「私は一応それなりに成長したと思うけど彩花と奈々香はどうなの?新しい力に目覚めたとか何か変化はあったの?」
彩花と奈々香。
二人の魔力の波動が以前とは違う気がするんだけど。
詳細までは分からないのよね〜。
「結局、強くなれたの?」
「さあ?どうかしら?」
何も語らずに自信たっぷりに微笑む彩花の態度を見ただけで、
何らかの成長があることは気付かされたわ。
「今は秘密って感じなのね。」
「ふふっ。どうでしょうね?」
わざと何も教えてくれないのよ。
こうなると私にも分からない。
…心が読めないし。
そもそも何を考えているのか分かり難いし。
…彩花を理解するのは難しいのよね〜。
いつもと変わらない笑顔の裏側で彩花が何を考えているのかなんて私にも分からないの。
流れ込んでくる感情を考えればそこはかとなく『楽しそう』って思えるだけで、
それ以上のことは分からなかったわ。
…まあ、急ぐ必要はないけどね。
今すぐに知らなければいけないわけじゃないし。
これから向かうことになる戦場に着いてからでも遅くはないしね。
…とりあえず、彩花に関しては後回しにするとして。
彩花への追求を諦めて奈々香に振り返ってみる。
…だけどね。
「…秘密です。」
奈々香も教えてくれなかったのよ。
………。
言葉をなくして黙り込んでしまう。
奈々香に関しても何も知ることが出来なかったの。
…何て言うか。
うん。
分かってはいるんだけどね。
知ってはいたんだけどね。
…やっぱり、うちの学園って変な子達が多いわよね〜。
通称『魔女学』と呼ばれるカリーナ女学園は、
性格に問題のある生徒や常識から外れた生徒の数が他の学園と比べて圧倒的に多いと思うのよ。
…実際にどうかは知らないけれど。
それでもやっぱりうちの学園は変わってると思うの。
彩花と奈々香に限らず、
不思議な生徒が数多くいるから。
…きっと、常識的な生徒のほうが少数派かも?
もちろん私は少数派だと信じているけれど。
彩花や未来から見れば私も十分過ぎるほど非常識派の一人に含まれるらしいわ。
…激しく納得出来ない部分だけどね。
言っても理解されない部分でもあるけれど。
…私はまだマシなはず。
完璧な常識人かどうかはともかくとして、
彩花達とは違うと信じているのよ。
…こうなったら私だけでもしっかりしないとっ!!
仲間達をまとめるために自分だけでも常識的でありたいと願うのよ。
そんな私に彩花が微笑み続けてる。
「乃絵瑠の成長も戦場で見せてもらうわ。」
言わない代わりに聞きもしない。
そんな態度で能力に関する話を打ち切ったのよ。




