独自の判断で
「…みんなに頼みがある。」
小さな声で仲間に呼びかけて、
静かに海軍から離れることにした。
栗原さんに成美ちゃん。
鈴置さんや和泉さんに岩永君や大森君。
そして梶原さんと伊倉君に声をかけてから、
8人の仲間と共に海軍から離脱することにしたんだ。
…この争いを終わらせる為に。
無益な戦闘を止める為に戦場を離れて、
独自の判断で行動することにした。
「僕達でこの戦いを止めよう。」
戦場から離れる理由を仲間達に伝えながら、
広場を迂回して目的の場所を目指す。
「どこに行くの?」
「どうするつもりですか?」
問い掛けてきた栗原さんと成美ちゃんに答えるべき言葉は一つしかない。
「王城に突撃するんだよ。」
「…へっ?」
僕の発言に戸惑う様子の栗原さんだけど。
話を聞いていた鈴置さんは、
即座に僕の考えを察してくれていた。
「王族を捕らえるんですね。」
「そう、そのつもりだ。」
この国の誇りとか、
残された人々の未来とか、
そんな難しいことは僕にも分からない。
だけど一つだけ言えることがある。
「国王なら戦争を止められるはずだ。」
王族を説得するために。
広場の西側を迂回しながら王城を目指す。
「王城に忍び込もう。」
「おっけ~!」
「ははっ。やることが大胆だな。」
「だけど御堂君なら実際に出来ちゃいそうよね~。」
僕の考えに従ってくれる和泉さんや大森君や梶原さん達と共に王城に向かうことにしたんだけどね。
「攻め込めーーーーっ!!!!」
「迎え撃てーーーーっ!!!!」
移動の途中で本宮源吾さんの声と黒柳所長の声がほぼ同時に広場に響き渡っていた。
そうして二人の声が重なると同時に、
両軍が入り乱れる大規模な戦闘が始まってしまったんだ。
「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」
大規模な爆発音が広場に轟く。
「「「進めーーーっ!!!」」」
発動する数千の陰陽術に抵抗する為に放たれるほぼ同数の魔術による攻防戦によって、
数え切れない数の炎や冷気が両軍の兵数を削ってしまっている。
「「怯むなっ!!」」
「「押し返せっ!!」」
数万規模の能力の激突によって地響きにも似た重低音が王都全域に響き渡り、
王都全体が静かに震えているんだ。
…くっ。
時間がないっ!
「急いで王城に向かおう!!」
大規模な戦闘が繰り広げられる広場を迂回することにした僕達は、
時間があまりないことに焦りを感じながらも王城への突入を急ぐことにした。
最後の争いに決着が着いてしまう前に。
陰陽師軍が全滅してしまう前に。
戦争を止める為に。
王城の制圧を急ごうとしたんだけどね。
先を急ぐ僕達の目の前に、
王城の警備を継続していた衛兵達が立ち塞がったんだ。




