お役に立てず
幻夜がアルバニア軍を率いて軍を移動する状況の中。
解放された偵察部隊が俺の下へと駆け寄ってきた。
「米倉様!」
慌てて駆け寄る女性に視線を向けてみる。
そして無事な姿を確認して笑顔を浮かべた。
「やはり前園君だったか。どうやら無事だったようだな。」
無事に帰還した姿を見て笑顔で出迎える俺に対して、
前園副隊長は深々と頭を下げてきた。
「申し訳ありません。偵察に失敗してアルバニア軍に捕らえられてしまいました。」
アルバニア王国に向かう途中で陰陽師軍に捕らえられたのだろう。
小数であったがゆえに無理な抵抗を行わずに大人しく捕虜となっていたことで、
幻夜の宣言通り無事に解放されたらしい。
「お役に立てず申し訳ありません。」
真剣な表情で謝罪してくれているが、
今となっては気にする必要などない。
「過ぎたことは気にするな。それにアルバニア王国は共和国との共闘の意思を示したのだ。もはやアルバニア王国を偵察する必要もない。」
現段階でアルバニア王国とは同盟関係にあり、
共闘関係でもある。
もはやアルバニア王国を恐れる必要がなくなり、
偵察を行う必要もなくなったのだ。
「きみ達が無事に帰還してくれただけで十分だ。」
今回の失敗は咎めずに許す。
その代わりと言っては何だが、
次の戦いに向けて協力してもらうことにしよう。
「これより共和国軍はミッドガルムに向けて進軍を開始する。その戦いに向けて是非ともきみ達の力を借りたい。全ての戦争を終結させる為に、きみ達の力も貸してほしい。」
「もちろんです!」
協力を願う俺に再び頭を下げてきた。
「この命のある限り共和国の為に戦い続けます!」
次は失敗しないとでも考えているのだろうな。
前園副隊長は再び俺達と合流してくれたのだ。




