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THE WORLD  作者: SEASONS
4月24日
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2160/2223

私の役目

「っ…させないわっ!!」



…なっ!?



決死の覚悟によって飛び出した人物によって、

深紅の衝撃波は俺に届く前に暴発していた。



…里沙ぁぁぁぁっ!!!



限られた魔力で衝撃波の盾になった里沙は最後の抵抗によって体が分断される危機は回避していたようだが、

抑えきれなかった破壊力の余波によって幾千もの傷を負っていた。



「き…っ…ゃぁぁぁぁっ!!」



衝撃波を浴びて傷付く体。


衝撃によって弾き飛ばされた里沙の体は俺の頭上を飛び越えて、

大地に激突してからも転がり続けていた。



「うっ…!…ぅぅ…っ」



腹部から溢れ出る出血と新たに受けた傷によって里沙の体が真っ赤に染まっていく。



「痛…い…っ」



全身を襲う苦痛によって声にならない声で叫ぶ里沙は、

それでも涙を見せるようなことはなかった。



…馬鹿がっ!!



無茶をしやがってっ!!



黙って倒れていれば助かったかもしれない命を危険にさらした里沙を見て怒りにも近い感情を抱いてしまう。



「無茶を…するな…っ!死ぬ、つもりか…っ!!」


「ふ、ふふん…っ♪」



必死に声をかけてみたんだが、

里沙は強がって笑ってみせていた。



「…言った…でしょ…。淳弥を…虐めるのは…私の役目…なんだから…。勝手は…させない…って。」



…はあ?



何だそれは?



俺には理解できない考えだが、

里沙は珍しく優しい微笑みを見せていた。



「…あ、あんたは…放っておいたら…勝手に、落ち込んで…一人で抱え込むんだから…だから、私が構って、あげてるのよ…。だから…いつまでも、落ち込んでないで…そろそろしっかり…しなさい、よね…っ。」



…里沙。



瀕死の重傷を負いながらも、

里沙は笑顔を向けてくれていたんだ。



「そんなんじゃ…また…翔子に…笑われる…わよ?淳弥…あんたならきっと、強くなれる…。だから…そんなところで、歎いてないで、立ち上がりなさい…。それが…それが…あんたの…役目なんだから…っ。」



…里沙ぁぁぁ!!



精一杯の想いを伝える里沙は最後の瞬間まで微笑みを浮かべていた。


こんな時まで強がってみせて、

弱音を吐かずに笑って見せたんだ。



…馬鹿がっ!



いつもふざけてばかりの里沙の優しい言葉を聞いて思わず泣いてしまっていた。



…お前はそんな奴じゃねえだろ!



お前はもっと自由でっ!


お前はもっと自分勝手でっ!



…鬱陶しいくらい迷惑な奴だろっ!!




そのはずなのに。


いつも争いが絶えずにいつも馬鹿ばかりしていた里沙が俺を守る為に命を懸けてくれたんだ。


その事実が俺の心を揺さ振り動かそうとしていた。



…ふざけんなっ!!



お前が俺を守るんじゃない!!


俺がお前を守るんだっ!!



強制的に里沙の護衛を押し付けられていたとは言え一度は自分で決めたことだ。



それなのに実際には里沙が俺を守っている。


そんな状況を認められるわけがなかった。



「俺の為に死ぬなんて認めねえっ!!!」



蘇る気力。


再び沸き起こる意志。


死に向かう里沙の笑顔を見ながら自らの力で立ち上がった。



「こんなところで死ねるかっ!!」



…俺はまだ何もしてないっ!



「俺はまだ!何の約束も果たしてないんだっ!!」



里沙を守り。


米倉宗一郎を守り。


御堂と再会する。



その日が来るまで俺に敗北は許されない。



「死ぬな里沙っ!俺が必ず救ってやる!!だから…っ!だからそれまで、そこで待ってろっ!!」



覚悟を決めて竜道寺に振り返る。



そんな俺の目の前で、

一本の槍が大地に深く突き刺さった。



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