話し合わなければいけない相手
「俺達の敗北だ…。」
「もう戦う気力なんてない…。」
御堂君の説得のおかげで、
兵士達は武器を投げ捨てて次々と投降の意思を示してくれたわ。
「俺達も共和国軍に投降する…。」
「「「「「………。」」」」」
兵士達が敗北を認めたことで、
市民達も武器を手放して戦闘を放棄してくれたわ。
「こんな物はいらないんだ!」
「殺し合いなんかしたくねえ!」
「始めから戦うつもりなんてなかったんだ!」
続々と武装を解除する市民達を見て、
ほっと安堵の息を吐いてしまう。
…良かった。
これで暴動は収まったのよ。
…これでもう終わりよね?
戦いが終わったと信じて全員の治療を行うことにしたの。
「ヘブン・オン・アース!!」
私の声と共に生まれる光が兵士達や市民達に共和国軍まで包み込んで、
全ての怪我を一瞬にして完治させていく。
「お願いです。もう争わないでください。」
それだけを願った直後に。
…あ、あれ?
その場でうずくまってしまったわ。
「栗原さん!?」
「薫っ!?」
…あ、あはははっ。
慌てて駆け付けてくれた御堂君と成美に作り笑いを返してみる。
意識を失うほどではないけれど。
ギリギリまで魔力を失ったせいでふらついてしまったようね。
極度の疲労を感じてしまっていたの。
「ま、まだ…大丈夫。まだ…平気よ。」
「動けるかい?」
「ん~。しばらくは無理かも。」
「…仕方がないね。」
私の様子を見ていた御堂君は動けない私を背負ってくれたわ。
「先へ進もう。この先に僕達が本当に話し合わなければいけない相手がいるんだ。」
…ええ、そうね。
周囲に敵部隊がいる状況で王都の内部に歩みを進める御堂君だけどね。
「「「「「………。」」」」」
私達の行動を遮ろうとする人は一人もいなかったわ。




