1898/2421
近しい雰囲気
《サイド:鈴置美春》
…へぇ~。
本当に扇だったのね。
常盤さんが生み出したルーンを見た瞬間に、
私の視線は釘付けになってしまっていたわ。
「それが翔子の扇なの?」
私とは異なる形だけど。
どことなく近しい雰囲気を感じるのよ。
光の扇…なのよね?
始めて目にした扇を真剣に見つめてしまう。
「それが…翔子の?」
「あ、あの…。よければどうぞ…。」
常盤さんは笑顔でルーンを差し出してくれたわ。
その気持ちはありがたいと言うか、
触ってみたいとは思うんだけど。
「私が触れても良いの?」
「あ、はい。大丈夫だと思います。」
…だったら良いのかな?
遠慮気味に差し出されたルーンを受け取ってから両手で扇を開いてみる。
私のルーンと比べるとかなり小さな扇だけど。
何故か懐かしくて、
どこか思い入れがあるような不思議な感じがするの。
…これが翔子のルーンなのね。
初めて目にする翔子のグロリアスクイーンを持っただけで、
不思議と温かな気持ちを感じてしまったのよ。
…翔子の心を感じる気がするわ。
翔子はここに…ここにいるのよね?
…死んでもまだ想いを残せるなんて。
魂の象徴とも呼ぶべきルーンに宿る想いが感じられたことで、
自然と微笑みを浮かべてしまっていたわ。




