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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
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1654/2421

接触待ち

「各町の復旧を行う間に、竜の牙が国外に逃亡する可能性が高いのではないでしょうか?」



…ああ。



その可能性は十分にあるだろう。



共和国において主要な人物達の暗殺に成功した竜の牙が、

そのまま共和国の国内に留まるとは考え難い。


普通に考えれば目的を果たしたことで国外への逃亡を試みるはずだ。



「間違いなく国外への逃亡は行うだろうな。」



…とは言え。



セルビナ方面には逃げられないだろう。



共和国軍とセルビナ軍が激突する戦場を抜けるとは思えないからだ。



「おそらくミッドガルム方面だろうな。」



だが、そちらには陸軍が待機している。


もしも竜の牙が国外への逃亡を企んでいるのならば必ず陸軍と戦闘になるはずだ。



竜の牙の残存部隊が小数で陸軍の包囲網を回避できる程度の戦力だとすれば、

見逃したとしても恐れるほどのことはないのだが。



もしも各町から集結した竜の牙の残存部隊が陸軍と渡り合えるほどの勢力だったとすれば、

共和国は更なる被害を避けられないだろう。



「ミッドガルム方面に増援部隊を送り込めれば良いのだが…」



肝心の戦力が集められるかどうかが問題になる。



少なくとも共和国南部の町は戦力をかき集められるような状況ではなかったのだ。


それぞれの町の復旧作業に手一杯の状態だったために、

ある意味では仕方がない部分とも言える。



…そもそも。



ただでさえ主力とも言える魔術師達をアストリア王国に送り込んでいたのだ。


そのうえでセルビナ方面やミッドガルム方面の部隊にも戦力を提供して、

本来の防衛力を失っていた所での竜の牙の襲撃。



戦いそのものは辛うじて撃退に成功していた各町だったが、

ただでさえも少ない戦力を更に減らしたことによって、

これ以上の徴兵は難しいとしか言いようがない状況に追い込まれていた。



もちろん魔術の使えない一般人の中にも優秀な人材はいるのかもしれないが、

そこまで確認している暇はないからな。



そもそもそういう優秀な人材は陸軍や海軍に入隊していて、

すでに戦争に参加しているはずだ。



…打つ手無しだな。



これ以上無理に戦力をかき集めようとすれば、

戦う力のない者達まで巻き込むことになるだろう。



実力の及ばない者や戦う意志のない者までも強制参加させるしか方法がなくなってしまう。



最終的には仕方がないとしても、

極力避けたい選択肢だな。



戦力として期待できない部隊をいくら用意しても、

無意味な犠牲が増えるだけで何の解決にも繋がらないからだ。



それこそ本当に、

ただただ時間を稼ぐ為だめの人柱にしかなりえない。



『命という名の盾』による僅かな時間稼ぎ。



そんな残酷な犠牲によってホンの少しだけ共和国の存続が長引いても意味がないだろう。



まずは何としてでも、

戦力を集める必要があるな。



…その方法で悩んでいるわけだが。



具体的な解決策が見つからないでいる。



…戦力がほしい。



竜の牙と戦えるだけの戦力を…だ。



だがその方法が思い浮かばない。



ただ一つの可能性を除いて、

それ以外の方法が考えられなかった。



ウィッチクイーンの部隊の協力を得られれば竜の牙とも戦えるのだろうか?



唯一とも言える解決策であり、

現状では最後の希望でもある。



事実はどうか知らないが、

ウィッチクイーンが共和国との共闘を願っているという話は琴平重郎からの報告によって確認済みであり、

その共闘が実現すれば共和国は大きな戦力を得ることが出来るはずだ。



…ただ。



問題は『いつ』クイーンの部隊が共和国と合流するかになる。



国内において自由に行動していたらしきウィッチクイーンの行方が分からない。



…今は共闘の交渉を待つしかないか?



共和国側から交渉を持ち掛けるのは難しいからだ。


どこにいるのか分からない部隊を相手に交渉など出来るはずがない。



…今は向こうからの接触を待つしかないな。



こちらからの接触は諦めることにして、

さりげなく長野君に視線を向けてみることにした。




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