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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
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1645/2481

セルビナ軍が動かない理由

…ふ〜ん。



なるほどね〜。



どうやら始まりは竜の牙がセルビナ軍に対して攻撃を仕掛けたことが原因みたいね。



魔術師による襲撃という事実を作ることによって、

共和国が停戦交渉を破棄したと思い込んだセルビナ王国が戦争を再開して共和国に攻め込む…というところまでは竜の牙の思惑通りだったらしいわ。



だけどね。


ここで竜の牙は一つだけ失敗をしたのよ。



セルビナ軍に対して攻撃を仕掛けたあとで撤退に失敗したみたい。


セルビナの主力部隊に配属されていた陰陽師軍がいち早く行動を起こして竜の牙の追撃を始めたせいで、

攻撃を仕掛けた竜の牙はほぼ壊滅したそうよ。



何とか逃げ切った小数の生き残りはどうにか撤退したらしいけれど。


大半が死亡したせいで、

竜の牙はかなりの被害を受ける結果になったようね。



だけど竜の牙の壊滅と同時にセルビナ軍の陰陽師も相当な被害を受けていたようで、

数多くの負傷者を出したうえに陰陽術の根源とも言える霊力を使い果たす者まで続出したらしいわ。



そのせいでね。


竜の牙との戦闘には勝利できたけれど。


陰陽師軍も相当な被害を出したというのが仲間からの報告だったのよ。



「国境において陰陽師の部隊と共和国軍の衝突は避けられないと思いますが、どちらも疲弊した戦力のため、しばらくは大規模な戦闘には発展しないかもしれせん。」



…そうね。



今の報告が事実であれば、

セルビナ軍は部隊の立て直しを優先して戦闘を避けるかもしれないわ。



…とは言っても。



戦争を始めた以上は軍を下げるわけにも行かないでしょうから、

戦力的に不安があるとしても共和国に対抗できる実力を見せ付ける必要はあるはず。



「しばらくは牽制になるでしょうね。」



互いに疲弊している現状で無理に戦えばどちらの軍も絶望的な被害を出すことになるわ。



上手く勝てれば良いけれど。


疲弊して敗北では笑い話にもならないから。


その状況を避ける為には、

ひとまず部隊の立て直しが最優先よね。


戦闘が始まっても勝てると思えるだけの状況まで堪え凌ぐのが最良の作戦ということよ。



セルビナ軍と共和国軍。


すでにどちらも数万規模の犠牲者を出しているわ。


この現状で無謀な突撃は全滅を意味するから。



「牽制か、あるいは静観。それが両国の結論でしょうね。」



…まあ。



ちゃんと考える頭があれば、という前提条件は付くけれど。



「しばらくは膠着状態になるはず。そのほうが私達にとっても都合がいいけれど。」



正直に言って、

これ以上の面倒ごとはご遠慮願いたいわ。



「詳しい話は移動しながら聞くから、とにかく今はカルナック山脈の下山を急ぐわよ!」



ひとまず下山を目標として走り出す。


そんな私のあとを追って、

反乱軍の仲間達もついてきてくれてる。



…さあ!!



本格的な戦争が始まる前に全ての準備を終えるわよ!



そのためには反乱軍の砦に戻る必要があるんだけどね。



ひとまず背中に雪を背負いながら。


そして今だに意識の戻らない北条辰雄を仲間達に運ばせながら。



砦への撤退を急ぐことにしたの。




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