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絶対に曲げない
《サイド:黒柳大悟》
「秘宝に関しては直接確認した現象や竜の牙との戦闘によって手に入れた情報を整理する程度のことしか出来ていない。そのため現段階で分かっていることといえば千里の瞳という秘宝が存在して、その力によってこちらの動きが読まれているということくらいだな。」
御堂君の質問に対しては分からないと答えるのが精一杯だった。
長年追求している課題ではあるのだが、
分かっていることなどほとんど何もないからだ。
…宗一郎さんが教えてくれれば調査も進むのだがな。
とは言え。
米倉宗一郎という人物を良く知っているからこそ、
それが不可能だということも理解しているつもりだ。
…一度決めたことは絶対に曲げない人だからな。
話さないと決めたら絶対に話さない。
それこそ死んでも話さないだろう。
宗一郎さんはそれだけの覚悟を常日頃の行動で示しているのだ。
「秘宝に関する調査は皆無と言えるほど進んでいない。力になれなくて申し訳ないが、俺が言えるのはそれだけだ。」
…何らかの例外でもない限り。
宗一郎さんは絶対に話さない。
だからこそ。
俺に答えられることは何もなかった。




