3人の幹部
《サイド:黒柳大悟》
「ま、まあ。それはともかく…だ。」
二人に関しては良く分からない部分もあるが、
追求したところでどうにかなる問題ではないからな。
気を失っている森下君は気にしないようにして、
何事もなかったかのように話を進めることにした。
「ひとまず話を戻そうか。」
下手に口出しすれば再び森下君が被害を受けかねないからだ。
鈴置君の機嫌を損ねないために、
会議を再開させることにしよう。
「現段階で分かっていることはセルビナが戦争を再開したことと、竜の牙という名の魔術師の組織が共和国に攻め込んできているという事実だ。」
…とは言え。
セルビナに関してはもう説明は必要ないだろう。
だからまずは竜の牙に関しての説明をしておく。
「竜の牙という部隊は共和国に属さない組織であり、独立した魔術師の集団だと思ってもらえばいい。その実力は共和国の軍をも凌ぐ武闘派の集団であり、歴戦の戦場を生き抜いてきた猛者でもある。その為、俺や御堂君並の実力がなければ抵抗さえ敵わずに殺されてしまうだろう。」
それはつまり栗原君や常盤君、
鈴置君や森下君では到底敵わないという意味でもある。
「そしてもしも危険な魔術師達を束ねる幹部の連中が出てきた場合、現状でまともに戦えるのはおそらく御堂君だけだろう。」
少なくとも俺では手も足も出ない相手だ。
それほどに幹部の連中は危険な存在になる。
「竜の牙を束ねる幹部の中で最も危険な中心人物は3人いるのだが、それぞれ『竜崎』『竜谷』『竜道寺』と呼ばれている。本名か、通り名かは知りようもないがな。」
竜崎
竜谷
竜道寺
その名を継ぐ者が竜の牙の幹部達となる。
「3人の中でも竜崎という一族が竜の牙を組織した最初の幹部だそうだ。何故かここ数年の間は全くと言っていいほど姿を見せていないそうだが、その代わりに竜道寺という一族が頻繁に活動しているようだな。おそらく現在共和国に攻め込んでるのは竜道寺の部隊だろう。」
あくまでも推測でしかないのだが、
俺の話を聞いていた御堂君が問い掛けてきた。
「竜の牙が求める秘宝を黒柳所長はご存知なのですか?」
…秘宝か。
あまり思い出したくはないが、
おそらく関わりはあっただろうな。
「一度だけだが関わっていたように思う。かつてアストリア王国へ潜入した時にこちらの動きは筒抜けだったからな。その結果として、きみが知っての通り俺達は敗北した。秘宝の力を前にして何も出来なかったのだ。」
「…そうですか。」
以前の経験を答えてみたことで、
御堂君は自分なりに考えを進めている様子だった。




