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友達としての距離
《サイド:栗原薫》
「薫♪」
…うっわぁ。
幸せ一杯の笑顔で呼び掛けてくれる成美の可愛らしい声を聞いただけで、
思っていた以上に満足することが出来たのよ。
…破壊力が凄いわね〜。
なんて言えばいいのかな?
これって精神攻撃なの?って思うくらい衝撃的な可愛さがあるのよ。
…ある意味で魅了魔法よね?
そんな魔法が存在するなんて聞いたことはないけれど。
成美の笑顔は心を惑わせる魅力があるわ。
これはこれで気分が良いわね〜。
『さん』が付かないだけで、
成美との距離がかなり近付いた気がするからよ。
…愛里と同じくらい癒されるかも。
ずっと一緒に魔術医師を目指してきた愛里の死は、
今でもまだ私の心に悲しみと苦しみを残しているけれど。
その絶望が成美の笑顔によってホンの少しだけ薄れるような気がしたの。
…もちろん愛里を忘れるなんて出来ないけどね。
だけど成美ちゃんの笑顔があれば、
まだまだ頑張れるような気がするの。
…私もまだ笑っていられると思うのよ。
「ずっと友達でいようね、成美。」
「はいっ♪」
そっと微笑んでみたことで、
成美は精一杯の笑顔で頷いてくれたわ。
「ずっとずっと、お友達ですっ♪」
お互いに笑顔で微笑み合う。
そんな私達の様子を、
成美の隣の席に座る御堂君が温かな目で見守ってくれていたのよ。




