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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1477/1574

あとは野となれ

《サイド:鈴置美春》



…う~ん。


…結局、またここに戻ってきたわね~。



港で黒柳所長と話をしたあとでね。


私と千夏は他のみんなよりも一足先に、

船内の中心に位置する医務室に移動したの。



今はまだ他には誰もいないみたいだけど。


しばらくすれば瑞希ちゃんとか、

医師の先生達も来るはずよ。



…それまでは待機なんだけど。



「何となく久々な感じがするわね。」


「え〜?そう?」



個人的には見慣れた医務室に懐かしさを感じたんだけど。


千夏の感想は違うみたい。



「私の気のせいじゃなかったら、昨日もここにいたわよ?」



…あ〜、うん。


…まあ、そう言われるとそうなんだけどね。



「気分的に何となくそう思っただけよ。」



…どう思うかは私の自由でしょ?



「ほぼ丸一日離れていたんだから、間違ってはいないはずよ。」


「まあね~。そのおかげでまた船酔い続出でしょうけどね~。」



…ああ、まあ、確かに?


…それはあるでしょうね。



だけどそこはまだ気にしなくても良いんじゃない?



…何ていうか。


…千夏といると変に疲れるわね?



大親友だとは思っているけれど。


ときどき疲れる時があるのよ。



…まあ、そんなことはどうでも良いんだけどね。



「それよりも、さっきの話なんだけど…。千夏はどう思う?」


「ん?さっきって…潜在能力のこと?」


「そうそう。」



私はずっと気になっているのよ。



「う~ん?」



千夏はあごに指を当てて、

首を左右に揺らしながら考え始めたわ。


たまに見せる変な仕草なんだけど。


千夏らしいというか、

考え事をしてるっていう雰囲気が見るからに伝わってくるのよ。



「どうかしらね~?正直に言うと良く分からない…なんだけど。そもそも私はそこまで興味がないって言うか…実力どうこうよりも楽しく過ごせればそれで満足だから、あとは野となれ…っていう感じ?」



…はぁ?



なにそれ?


何の答えにもなってないわよね?



…はぁ。



千夏に聞いた私が馬鹿だったわ。



悪い子じゃないんだけど。


根本的に向上心が足りないのよね〜。



やる気がないわけじゃないんだけど。


最低限の努力しかしない感じ?



だから成績も4000番台っていう平凡な数字なんだけどね。



もちろんそういう子がいても良いとは思うし、

戦闘が全てじゃないから文句を言うつもりなんてないわ。



そもそも千夏は医師志望だしね。


そっち方面の勉強は頑張ってるから、

それだけで十分だと思うのよ。



だけどね?



私はもっと成長したいって思うの。



どこまで出来るかは分からないけれど。


出来ることは全部やってみたいのよ。



…とは言ってもね?



潜在能力?


なにそれ?



言い方を変えれば才能ってことよね?



翔子は覚醒したけれど、私はどうなのかな?



…一応ね。



翔子と私は似たような能力だと思っているわ。



同じ光属性の使い手だしね。


攻撃特化の翔子ほどではないけれど。


私も光属性を得意としているのよ。



…まあ。



はっきり言うなら、

翔子の劣化版かもしれないけどね。



自分でもそう思うの。



光属性だけでみると私は翔子には届かないわ。



でもね?



回復魔術は翔子に圧勝してるはずよ。



特化型じゃなくて、万能型だしね。



負けてる部分はあるけれど。


勝ってる部分もあるはずなの。



…って言っても。



成績ではダントツに負けてるけどね。



だから翔子には届かないとしても、

私なりに成長したいって思っているの。



…と言うか。



まずはルーンが使えるようになりたいかな?



純粋に格好良いし。


上級者の仲間入りをしたっていう感じがするのよね〜。



だけどイマイチ良く分からないのよ。



どうすれば使えるの?


どうすれば発動するの?



さっぱり分からないわ。



図書室で調べた限りでは詳細が不明なのよ。



情報が意図的に隠されているような気がするくらいにね。


ルーンに関する書物が全然見つからないの。



もちろんそうしなければいけない理由があるからでしょうけれど。



…結局ね。



たどり着く答えはいつも一つ。



…とりあえず、努力よね。



天才と呼ばれた人とか、

英雄と呼ばれる人と同じようにはなれないわ。



だけどね。


凡人にも出来ることはあるはずなのよ。



…私は私。


…優秀な人達と比べる必要なんてないわ。



無理に背伸びをしようとは思わない。


私は私で良いと思うから。



…もちろん最終的に翔子を越えられれば、文句なしだけどね〜。



でもね?



例えそこまで届かなくてもね。


自分で満足出来る結果は出したいって思うのよ。



…だからまずは御堂先輩に相談してみようかな?



迷惑でなければ、だけど。


一度くらいなら話を聞いてみるのも良いかもしれないわよね?



「あとで御堂先輩に会いに行こうと思うんだけど、千夏も行く?」


「え!?御堂先輩に!?行く行く!行くわっ!!行くに決まってるじゃないっ!!美春一人で抜け駆けなんて許さないわよっ!!」



…別に抜け駆けなんてしないわよ。



なんて思うけど。


言っても千夏は聞かない気がするわね。



…はぁ。



ため息が尽きないわ。



ときどき思うことだけど。


千夏の性格は良く分からないのよ。



良い意味で自由奔放だから。


明るくて前向きな性格が羨ましいって思うのよ。



…まあ、どうでもいいけど。



何かを諦める心境でね。


千夏に話しかけることにしたの。



「とりあえず今回の勤務予定が決まったら、時間を見て御堂先輩に会いに行くわよ。」


「おっけ~!!!!!」



激しく同意する千夏と一緒に、

医務室に関係者全員が集まるのを待つことにしたわ。



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