常盤の血筋?
《サイド:芹澤里沙》
「ただいま~!」
「あっ、おかえりなさいです♪」
元気に声をかけた私を、
成美ちゃんは笑顔で迎えてくれたのよ。
…うんうん。
…良い笑顔ね~。
出迎えてくれた成美ちゃんの笑顔がね。
言葉を失うくらいに可愛すぎて、
心の底から全力で抱きしめたい衝動にかられてしまったわ。
…うわあ~。
翔子が成美ちゃんに惚れ込んだ理由が分かる気がするわね。
…この笑顔は反則でしょ。
成美ちゃんの無邪気な笑顔は一切のけがれを感じさせないのよ。
この笑顔こそ『天使の微笑み』だと思うわ。
…思いっきり抱きしめたいわね。
…なんて。
馬鹿なことを考えつつも、
とりあえず確認してみることにしたのよ。
「どう?成美ちゃん。準備は進んでる?」
「あ、はい。進んでると思います。まだ着替えの服だけですけど…。」
照れ臭そうに微笑む姿もとんでもなく可愛いわね~。
…うぅ~ん。
…これは理性が飛ぶかも?
…沙織ってば、こんなに可愛い妹を隠していたのね~。
沙織を羨ましく思うと同時に、
翔子の気持ちが分かる気がしたわ。
…成美ちゃんを妹にしたいかも。
本気でそう思えたのよ。
成美ちゃんの仕種を見ているだけでも心が安らいでいく気がするの。
…可愛すぎるでしょ。
そんなふうに考えている間に、
いつの間にか成美ちゃんのすぐ傍に歩み寄っていたわ。
…う~ん。
…見れば見るほど可愛く見えるわね。
ここまで可愛い子なんて、
そうそういないんじゃない?
そんなふうに思えたけれど。
…あ~、でも?
…深海優奈ちゃんも可愛い子だったわね~。
あまり関わりがないから、
どんな子なのか良く分からないけど。
大人しい性格で、
いつも誰かの後ろに隠れているような、
そんな子だった気がするわ。
すごく控え目だけど真面目でしっかりとした性格の優奈ちゃんと、
無邪気で明るい雰囲気の成美ちゃん。
性格に違いはあっても、
見た目の可愛さはどちらも群を抜いていると思う。
…完璧な美少女って、捜せばいるのね~。
沙織と翔子も非の打ち所がなかったとは思うけどね。
学園屈指の美少女と言われただけあって学園中の人気者だったのよ。
でもね?
そんな二人と並んでも成美ちゃんと優奈ちゃんは十分に輝ける存在だと思うわ。
…常盤の血筋って何なの?
家系で変わるとは思わないけれど。
沙織と成美ちゃんを見ると何もかもが別の世界の存在に思えてしまうのよ。
…もしかして、ご両親まで美形なの?
「ねえねえ、成美ちゃんのお父さんとお母さんってどんな人?」
「えっ?お父さんとお母さんですか?え~っと、普通だと思います。優しくて、温かくて…」
…あ~、うん。
そういうことじゃないんだけどね。
性格を答えてくれた成美ちゃんに、
あえて聞き直すことにしたわ。
「そうじゃなくて、見た目は?」
「見た目…ですか?」
私の質問を聞いた成美ちゃんは、
首を傾げながら悩んでいたわ。
「特別変わったことはないと思いますけど…。普通…じゃないんですか?」
…いや、私に聞かれても困るんだけどね。
成美ちゃんの美的感覚がどういう基準か分からないけれど。
どうもご両親まで美形というわけじゃないっぽいわね。
…あ、でも、さっきの会場にいたんだっけ?
…見ておけば良かったわ。
今更思っても手遅れだけどね。
…なんて考えていると。
不意に背後から百花が呼び掛けてきたのよ。




