限界と挫折
…はあ。
…焦るなって言われても焦るわよね〜。
みんなが成長してるのに、
私だけが立ち止まっているんだから。
どうしてもそんなふうに考えてしまう自分がいるのよ。
でもね?
きっとそんなことを考えてるから私は成長出来ないんだと思う。
自分でも愚かだと思う思考なのよ。
だけどこれがきっと私の限界なの。
たぶん私はこれ以上強くなれないんだと思ってる。
きっとそれが現実で、
私は挫折しようとしているのよ。
これが私の限界だと思い込むことで、
私は私に言い訳をしようとしているの。
もちろんそれじゃダメだって自分でも理解しているわ。
ちゃんと分かってるんだけど…ね。
それでも心が折れかけているのよ。
だからね。
自分でもそんなふうに感じるくらいだから、
きっと彩花も気付いていると思うの。
…今の私を彩花はどう思うのかな?
何気なく彩花に視線を向けてみると。
何故か彩花は淋しそうな表情を見せていたわ。
「彩花…?」
「…ふふっ。」
呼び掛けてみた私に向けて、
彩花は悲しそうに微笑んでくれたのよ。
それはいつもとは違う表情で、
余裕なんて感じられない笑みだったわ。
だからこそ気づいてしまったの。
彩花の表情が全てを物語ってるって気づいてしまったのよ。
彩花はきっと私を見限ったの。
そして私を哀れんでいるの。
それが分かってしまったのよ。
だから、かな?
彩花は悲しそうな表情を見せながら、
私に背中を向けたのよ。
…そして。
「自分で乗り越えなさい。」
私に選択を委ねたわ。
「自分の心に立ち向かえるのは…いつだって自分だけなのよ。」
他の誰でもなくて自分自身という意味。
「立ち塞がる壁を乗り越える為の一歩は…いつだって自分の意志で決めるものよ。」
…確かにね。
そうかもしれないわ。
…だけどね?
私には壁を乗り越える方法が分からないのよ。
…それなのに。
彩花は歩きだしてしまったの。
方角的に考えて研究所に向かうつもりのようね。
彩花は私を置いて、
みんながいる暗黒迷宮に向かって歩き出したのよ。




