第13話 秘めた思い
今回は上と下には分かれてません。
でわ、13話をどぞ!
「俺はそこそこ名の知れた暴力集団だった。
通り名はいくらでもある。
『鬼神』『藤の龍』etc...
畏敬の意味でつけられた名もあれば、中には『動物愛好集団』なんて名もある。
これは深夜公園でいじめられてた犬や猫を守ってやったことがあった。
それを見た奴らがつけやがったんだ。
別に悪い気はしない。
俺らは全員何かしらの動物を相棒としている。
俺か?俺は死んじまったダチの犬を相棒にしている。
ダチには猫もいたらしいがそいつはダチと一緒に死んじまった。
目の前にいて俺は助けられなかった。
ダチも猫も…。
ダチは優しかった。
俺らみたいな暴力団じゃなく、虫も殺せねぇような奴だった。
俺みたいなクソッタレじゃなく、あいつが助かればよかったのに…と何度思ったことか。
だから俺は今後手の届く場所にある命は助けようと努力した。
だから死んじまったんだろうな。
俺は交通事故で死んだ。
俺の犬の健吉も一緒に…。
悪いな守れなくて…。
それで俺が目覚めりゃ骨だ。
しかも四足歩行。
鏡を見た時、健吉を守れなかった俺に対する恨みで化けて出たのかと思った。
最初は体を起こすのもできなかった。
慣れが必要だったんだ。
練習の末、走るぐらいはできるようになった。
けど俺の目覚めた場所は死体置き場。
気が狂いそうになった。
その場から少しでも離れようと走った。
走ったんだ。
だけど人間と思わしき人に捕獲された。
そこで俺は後頭部に走る痛みと同時に意識がなくなったんだ。
次に目を覚ましたのは檻の中。
死体置き場よりはマシっちゃあマシだが、気分がいいとは言えない状況だった。
その俺の檻の前がちょうど鵺だった。
それからというものその鵺で暇つぶししたり、自分の骨の体表の色を変えたりとしていた。
が………。
飽きちまった。
そこで俺は鵺に脱出計画を企てることとした。
さて俺の話はこんなもんか?
次はそこの一切話さねえ煙出してる虫の番だぜ?
ああ、それと今後についてだったか…。
俺は好きなように生きて好きなように死ぬ。
そのつもりだ。
人は必ず死ぬ。
後悔もある。
だが、死んだら死んだその時だ。
それに……。
いや、なんでもない。」
皆はこちらを向いて不思議そうな顔を浮かべる。
「なんでもねえって!さあ次だ次!」
それに……見つけたいやつもいるしな………。
俺がこっちに来てたらあいつもこっちに来てるかもしんねえ………。
俺は天の世界に行っちまうが、こちらには干渉できる神なんだ。
手伝ってもらうぜぇ天!
俺のダチを見つけるために!
この俺藤ヶ原徹の夢のために!
なあ……雅成……。
佐助を肩に乗せてもう一度会おうぜえ……。
なあ、お前今生きてるよ…な……?
誤字脱字があればどんどんお願いします。
気づきましたか?
雅成君とは誰のことでしょうか。
わかりませんねぇ。