◇
マリーメイア視点
わたくしがフェリクスを愛しているのに気付いたのは、彼がいなくなることを実感した子供の頃。
妙齢になった彼にお見合いの話が舞い込んできたと、いつものお茶の場で話題にしたのがきっかけでした。
「マリーメイア様のように、俺にも婚約者がとうとう出来るってことです」
「そう……」
家と家とのつながり。家格は同じで、知った顔だと言います。でも、わたくしはお会いしたことのないお相手のようでした。フェリクスが、女性と? いずれは、そうなるとは判ってはいたのですが。
なんでしょう。面白くなかった。
心のどこかが、ちくりとして、重みを覚えた。息苦しい、それ。
わたくしは、いったいこれは何なのか、まったく理解できていませんでした。
口さがないメイドたちは、
「まぁ、おめでとうございます」
と、何度も何度も、お祝いの言葉をフェリクスにかけるけれど、フェリクスは何か、呑み込むような顔をして、
「ありがとう」
などと、殊勝にも応えている。
途端、私の心が軽くなりました。嫌、なのかしら。
ですが、お見合い話が立ち消えになった訳ではない。きゃいきゃい騒ぐ声という声をしり目に、
ねぇ、フェリクス。
辛いの? 悲しい?
フェリクスの涙袋にある黒子に触れたくなった。
ねぇ、断りたいんでしょう?
わたくし、その場ではなんとか、内なる心が悪魔のように暴れまわるドロドロとしたものから勝利をもぎとり、どうにか淑女の姿勢を保つことができました。何故だかわかりませんが、フェリクスはきっと断ると思っていたのです。都合の良いほうに考える。逆に言えば、気持ちを落ち着かせるのに苦悩したといいましょうか……。
……ですが。
数日後。
いつものお茶の場に、フェリクスがいない。
筆頭護衛とはいえ、護衛役は順番に回されている。が、昼過ぎの微睡のこの時間帯に必ず姿を現し、あれこれとわたくしとの会話をする。よっぽどのことが無い限り、公爵令嬢の部屋へ来ないなんてことはなかった。不思議に思い、メイドに尋ねると、
「あら、マリーメイア様、昨日お伝えしたと……、申し訳ございません。
新人のメイドが担当でしたわね……、大変失礼いたしました。
フェリクス様は、本日、お見合いをするとのことで、お休みを……」
わたくしは、ぶるぶると震えだしそうになる指を抑えようとした。でも、無駄でしたわ。何故だかわからないけれど、淑女としての教育が、すべて吹き飛んでしまえばいいという気持ちに支配されてしまったのです。理不尽な怒りが、わたくしの理性をかっさらってしまいました。
「マリーメイア様!」
気付けば、がしゃんと受け皿を床に落としていました。バラバラに砕け散ったそれを、わたくしは踏みつけましたわ。ひっ、とメイドの一人が声を上げたのを、どこか遠くに聞こえたように思いましたが、この理不尽にも体の中を暴れ回る怒りから逃れたい一心のわたくしは、手にあった飲み物がはいったままの紅茶の茶器を、力の限り壁に投げつけようとしていました。それは、たまたま窓に吸い込まれていってしまいましたが。
「嗚呼……」
それは、長年わたくしに仕えてくれていたメイドの声だったと記憶しています。ですがなにぶん、遠いものでしかなかった。そう、今のわたくしは、何も耳にいれたくなかった。唯一入れたい、あの穏やかで優しい、それでいて心を落ち着かせる彼の声を欲していたから。次いで、わたくしの目に入ったもの。隣国の、それは王太子手ずから選び、作られたといわれるタペストリー。
「なんということだ……」
慌ててやってきた風情の、フェリクスの登場に、あっという間に怒りが消えてしまった。
「フェリ……」
ですが、茫然とした彼の様子に、わたくしはまるで叱られた犬のように身を縮こませます。
わたくしの足元には、無残にも引き裂かれたタペストリー。
友好と愛を謳ったそれは、すでにわたくしに踏みつけられたままになっていました。直そうしましたが、半分が窓の外に投げ捨てられており、どこぞへと風の吹くままに流されてしまっていたようでした。
フェリクスは、わたくしのためにお見合いの場から駆けつけてくれた。それはことのほか、わたくしの心を震わせたものですが、してしまった行為が公爵令嬢としてはあまりにもはしたない行為でした。
これには、わたくしの父、公爵閣下もお怒りでした。
「マリーメイア……」
それでいて、どこか沈痛な面持ちでしたわ。
しゅんと項垂れるわたくし。
いつもの場所に、ひっそりと立ち尽くし、ぼうっとしていました。
そこには、必ずフェリクスが寄り添ってくれていましたが、わたくしが癇癪を起こした理由が理由なだけに、今日ばかりは遠慮しているようで、すぐ側にいるようでしたが姿の見えない所でひっそりとわたくしを見守っているようでした。さすがにわたくしも、すぐに顔を見合わせるのは辛いものがあります。
(あぁ、フェリクス……、
わたくし、わたくし……)
どれだけ宝石のように美しい、天使のごとき美貌と褒めそやされようとも、わたくしにとっての唯一に囁かれなければ無意味であることを、このときばかりは、わたくしは痛感いたしましたわ。
小さな手の平をぎゅっと、握りしめる。
(わたくしの婚約者が何故、貴方ではないの?)(貴方の目元にあるホクロが好きよ。優しくわたくしの頭を撫でてくれる、武骨な、指の先が硬くて、はにかむ笑顔が素敵よ)(さっぱりとした髪が恰好良いわ)(毅然とした態度で悪漢に立ち向かっていくお話、何度もメイドにせがんでは聞いたわ)(剣術が好きなのね。柱の影で同僚とお話しているのをこっそり立ち聞きしていましたわ)(甘い物がお好きなのね。わたくしとは違って)(その薄い唇の形だけは、婚約者と同じね)(ああ、フェリクス……わたくしの我儘をいつも聞いて下さる、貴方)(わたくしも、何かをしなければ)
それからというもの、わたくしは淑女教育を貪欲に学びました。
でないと、わたくし、フェリクスに嫌われると思ったものですから。フェリは、わたくしが未だ幼いままだと思っているようです。確かに、年齢差はありますわ。大人ではありません。ちやほやされてばかりの、小さな小さな女の子。ですが、このままではいけないと、考えていました。盗られたくはなかった。
(早く、大人になって)
ダンスひとつとってみても、くるくる踊り回って小さな失敗をして振るわれる教育の鞭には、怒りが生まれるものです。でも、いつまでも癇癪を起こしてはいられない。理不尽にも我慢することをを学びましたわ。
(もっと、綺麗になって)
審美眼を養い、新調されるドレスを纏い、音楽を耳にして、歌を謳い、楽器を見目良く弾き、お客人を楽しませ、和ませる。
(誰もが羨む女性になれば)
淑女の姿のままでいれば、捧げられる隣国からの宝の数々は恐ろしいまでに膨れ上がっていく。
(フェリクスがわたくしを認めてくれたのなら……)
これ以上の幸せは、なかった。
(嗚呼、口づけを……)
天使のような美貌と褒めそやされる、その顔面下にある唇を人差し指で撫でる。
「ここを、貴方の唇で吸いつかれたのなら……」
これ以上の、幸せはない。
ですが、大人に近づけば近づくほどに、わたくしの希望は絶望であることを突きつけられるだけでした。わたくしが愛を謳えば、フェリクスは辛い立場に立たされます。タペストリーを破ったときは、幼い頃のことでしたから、あくまでも内密にすることができましたが、現実だともう、そのような我儘な振る舞いは許されません。国の体面を考えねばならぬ年齢にさしかかったのです。
婚約者であるシーザー・カレンドラ王太子とは、何度か対面があります。といっても、片手に数える程度。わたくしからしてみれば、知り合いの男の子、といった風情でしょうか。ほぼ他人、といってもいいぐらい、遠いものでした。ですが、彼は悪魔と称されるほど、残虐非業な王子であると、お父様から聞かされていました。なんでも、ウソをつかれるのは嫌いなんだと言います。ただし、味方であれば友愛を示す、竹を割ったかのように真っ直ぐな男だと。彼を裏切ってはならない。
わたくしの幼少の頃の癇癪が気になるのか、お父様はことあるごとにおっしゃいます。
「マリーメイア、シーザーを愛するように努めよ」
……もう、耳にタコですわ。
ですが、黒い髪に黒い服、それでいて端正な顔に赤眼の薄暗い病弱な彼から目を離し、傍らでわたくしを見守っているフェリクスの優しげな表情ときたら。
どことなしに、心のどこかがほっとして、胸を撫でおろすことができるのです。
喪服のような黒服を年中身にまとうシーザー殿下を、たぶん、わたくしはどこか、苦手に感じているのではないか、と……、自己判断をしておりました。彼は、基本的に無言な性質で、無理して会話をしているのではないか、とふと思う時があったのです。彼は、沈黙を守ることを嫌ってはいないようでしたから。薄っぺらい会話は得意のようですが、世情を反映したよもやま話を、貼り付けた笑顔でわたくしに囁く笑みは、女性貴族には嬉しげな悲鳴を上げさせていましたが、どうも、響かないのです。
手渡されたものはすべて極上の高級品で、宝石やらドレスの生地やら。貴重なものばかりでしたわ。いずれも名人の技が光り、国宝ものばかり。年々、押し付けられるお宝の山に、わたくしはどう対処すればいいのか途方に暮れておりました。心が籠っているのかしらと、不安に惑うものばかりでしたわ。
そんなシーザー殿下に対し、フェリクスはありとあらゆる雑事に精通していて、城下町の話をはじめとして、城のメイドと料理長の諍いやら、庭園で咲いていたとう摘んできたお花の可愛らしさは嬉しくて嬉しくて押し花にいたしましたし、宮廷に入り込んだ、暴れまわる動物を騎士が追い回す姿は情けなくてなんて言い出した頃には、もう、楽しくて、楽しくて。
ますます、シーザー殿下との婚姻が、息苦しく。隣国王子との将来を思うと、首が真綿でゆっくりと締められるような感覚に陥るものでした。
フェリクスは、護衛を任されるぐらいには、それなりに見目が良い男です。
ですが、それはシーザー殿下に比べると、まったくもって可哀想なぐらい、美しさに違いがありますが、それでも筆頭護衛の騎士として体格がよくて凛々しく、時折見せる柔和な表情に、世の女性はどきっとトキメいてしまうことでしょう。どこか、惹きつける優しさを感じさせるのです、彼は。
実際、彼は優しい男です。
わたくしが、あれこれとアピールをしても、ことごとく見なかったことにして、あるいは、微笑んで、次の公務を伝えてくれるのですから。さりげなく、わたくしを傷つけないようにして……、妹のように、大切にしてくれるのです。わたくしがお友達と恋愛話に花を咲かせていて、わたくしがフェリのことを、なるべくバレないように愛しているのだとわざと口にしていても、その例題を別のほうに結び付けてしまい、まるでその話題はなかったかのようにしてしまったり……、わたくしの愛を、彼は見過ごしていくようでした。そう、わたくしの愛は、捨てられていくような。そんな思いさえ、わたくしは抱いたのです。
(……そうね、わたくし……、この国を、サンドレア公国の君主、サンドレア公爵の娘ですものね……)
そのたびに哀しくて、早く、見切りをつけなければ。
そう、思うのです。幼い手が大きくなると、淑女の鏡としてちゃんと重ねて膝の上に置かねばなりません。
(でも……)
しかし、それは、土台、無理な話でした。
ずっと抱き続けてきた恋慕でした。小さな、それも物心つくかつかないか頃から抱いたであろう気持ちでした。気付いたのは、彼がほかの女性のものになるという話を耳にしてからようやく、といった辺りでしたが、彼を常日頃目に入れていれば。あんなにも素敵な男性が、わたくしの手の届く範囲に、必ず彼は居たのですから……、
やはり、難しいものでした。
愛はすり減るということですが、しかし。
わたくしの愛は、消え去ることなく、ずっと、そこにありました。
フェリクス。貴方の、腕の中に。
(嗚呼……、)
とうとう、言ってしまった。
「フェリクス……愛しています」
婚約破棄にまで口走ってしまいましたが、またわたくしの悪い癖が出てしまいましたね。
わたくし、心のままに暴れてしまうのです。昔っから、お転婆姫だといわれた通り、本当は、野山をかけ、花畑を走り、フェリクス。貴方の手を引いていきたかったのです。
それに、シーザー殿下。
彼は、ウソが大嫌いな方でした。
なんでも、幼い頃、彼の母君がウソをついてまで、間男と逃避行をしてしまったとか。それで、痛い思いをした彼は、父王そっくりの容姿でありながら、悪魔だと揶揄され、浮気男と浮気女の子だと、影に言われ続けていたのです。実際には、その黒い髪と赤い瞳は王族の証であり、まったくもって根拠のない噂でしかありませんが、シーザー殿下にはことのほか辛いことのようでした。それに、国王陛下も、殿下を苦々しく見ていたという理由もあり……、ずっと、彼が母親と浮気男の手引きをしたと、あるいは黙って見ていたと疑っているようでした。シーザー殿下、彼は、実の父親にも裏切り者の疑いをずっとかけられていたのです。そのため、さらなる後ろ盾を得るために、この国を、わたくしと持参金を手に、次期国王として箔をつけたいと思っているようでした。ですが、前述したように、彼はウソがまるで嫌いな性格です。それでいて、近隣でも噂になるほど、浮気が嫌いなお方。
わたくしは、この気持ちを、捨てきれずにいました。
幸い、シーザー殿下は、わたくしを愛していると会うたびに伝えてくださる。
その紅玉のような瞳のまま、穏やかな声で。
わたくし、もしかして裏切り者では?
ずっと、そう思っていました。
貴方がわたくしを愛していると耳朶に囁くたびに、心が軋むのです。
フェリクス。フェリクス。
愛を。
愛が。
愛したい。でも。偽りの愛は、裏切りでしかない。
黙って、嫁いだほうが良かったのでしょうか。
ですがそれは。いつまでも覚めやらぬ夢を、見続けるようなもの。この年になるまでずっと抱き続けてきた気持ちですもの、果たして隣国へ行ったところで消えるものなのかどうなのか、自信がありません。
泣き濡れて、バラバラに砕け散ってしまうかもしれません。
わたくし、死にたくはありませんでした。
ですから、わたくし。
シーザー殿下と取引したくって、こう、申し出てみたのです。
この国の持参金をまるっと渡すから、だから、婚約を破棄して欲しい、と。
わたくしの愛が、フェリクスに通じるかどうか。それはわかりません。
でも、このまま、ただ黙っていたら……、せめて、拒絶してもらえたら。
嫌われているとか、好きだとか。
とにかく、答えが欲しかった。この気持ちを、どうにかして欲しかった。
長く積み重なった気持ちは、もう、どうにもならないところにまで至っていたのです。
ですが、そんな目論みも。
怒りに燃え盛る真っ赤な双眸の前には、風前の灯。
意味のないことでした。
「フェリ!」
フェリクスが、倒れた。
わたくしは、それがまるでゆっくりと落ちるように見えました。
手を伸ばし、
「いやあ、いや、フェリ!」
とり乱し、彼を助けようとしました。
ですが、背後から。
「ひっ」
フェリクスではない、別の男……、シーザー殿下が、わたくしを羽交い絞めにしてきたのです。
「裏切り者め……、
俺は、嫌いなんだ。
俺を裏切るやつを」
視線をやると、彼は相も変わらず、わたくしを睨みつけていました。
本気の、怒気です。さしものわたくしも、男性の本気に、足が震えるのを抑えられずにいます。
「だが、真実を語った。
それは褒めよう……」
そう言って、どこか寂しげに耳元で呟くのです。
「しかし、俺だってお前を愛していた。
マリーメイア……、俺だけの愛を与えるに相応しい女だと思っていたが、
とんだ勘違いだったな」
歯ぎしりの音がして、びくりと総身を縮こませます。
「……とはいえ、このままでは俺は愛されないだろう。
マリー……メイア……」
「う……」
悪魔のような王子は、わたくしの頬を舐め、そうして。
わたくしが嫌がる素振りをみて、くすくすと笑い。
「ならば、こうしよう。
お前が俺を愛するために」
おい、と彼は部下である王国から連れてきたと思わしき護衛兵らに、声をかけます。
「そこに倒れている護衛騎士を、捕まえろ」
「なっ、何を!」
「このままでは、本当に婚約が破棄されかねない。
その可能性がわずかにでもあるからな……」
狼狽するわたくしに、彼は言い放つ。
「フェリクスは、人質だ」
それから、それから。
わたくしは、婚約通り、このシーザー・カレンドラと、結婚することになったのです。
……初夜は、苦しかった。
でも、シーザーは、愉悦のこもった笑みで、高笑いをする。
「くく、ははは、どうだ、俺は、お前の愛した男が呑み込んだものを、
お前も……! ふ、はははは、ずいぶんと美味しそうに!
そんなに良いか! フェリクスの味が!」
わたくしは、涙を呑んだのでした。
この男、よりによって、わたくしが愛した男を……!
「フェリ、フェリ……」
夢見心地でフェリクスの愛称を揺らす、この悪魔……。
道理でいつもは整えられているシーザーの喪服が、どこかぎこちなかったのだ。
よりによってこの男、わたくしの大事な男を、壊したのだ!
(許せない……)
「さあ、もっと俺を楽しませろ。
でないと……、くく、そうだな、
今度はお前に愛する男のものをプレゼントしよう」
憎々しげにしていたのが、悪かったのか。
それとも、何がいけなかったのか。
翌日渡されたそれは、フェリクスの右腕だった。
「口づけを嫌そうにするとはな」
気分を損ねたのだろう、としか思えなかった。
ところどころ赤黒く染まった彼の利き手を前に、わたくしは悲鳴を上げて気を失った。
それからだ。
わたくしは、彼の求めるがままに、愛を乞う。
「ああ、ごきげんよう、マリーメイア。
そうだ、今朝はフェリクスの口を濯いだのだ。
くく……、良かったなぁ、マリー。
フェリクスと、愛を交わしたのだ。
これでお前も、今日は俺と愛し合うことができる」
「ええ、そうですわね、シーザー。
それで、わたくしのフェリクスとはいつ会えるのかしら?」
「永遠に会えないよ」
「ウソおっしゃい。
牢獄のような貴賓室でずっと眠っているんでしょう?」
「よく知っているな。
ははっ、マリーも人たらしになってきたってことか……」
「昨日はずいぶんとお盛んでしたわね。
どこぞの獣より下品極まりない、浅ましい姿でしてよ」
「マリーこそ!
まったく、どこで盗み見したのかな?
フェリクスは、よく強請るんだ、花街の娼婦みたいに。
窓はやっぱり塞いだほうが、いやそれじゃあ、君は俺に嫉妬しないよね。
淑女の鏡たる君が、ふふ、怒りに身を震わせるなんて最近じゃなかなか拝めない」
「わたくし、貴方を絶対に許しませんわよ」
「俺もだ」
「フェリクスを取り戻した暁には、思う存分愛して差し上げますわね」
「決してフェリクスは渡さないよ、彼は俺のモノだからね」
終わりです。
ぞっとする三角関係を考えてみました。
いずれにせよ、ご愁傷様でございます。
名前すごい間違えてたので修正しました///
他にも間違ってるとこあるかも……。