薬学室
ほのぼの系は自分に向いてないのか、全く筆が進まなかった…結果、微妙に不穏な展開に
別邸へ戻り、仮眠を取った俺は玄関でグリアを待っていた。
「あのぉ…ジルア様。
本当に行くんですか?」
すると、顔を少し青くしたライアが話しかけてきた。
「グリアとの更なる関係良化は望ましい。
それに薬学室へは高学年にならないと授業もないからな。グリアの権力があれば容易に調べられるだろう。
お前はココで待機しておけ」
「で、でも」
「おい、どうしたんだ。
何か言いたいことがあれば端的に言え」
「幽霊には物理も魔法も効かないから、いくらジルア様でも…」
「は?」
「だ、だって!幽霊ですよ!?
どれだけ攻撃しても、すり抜けられちゃいますよ!そのくせ、金縛りにして最悪の場合は窒息死…やめましょう!
ジルア様、今日はもう寝ましょう!」
…つまり、あれか?
ライアは幽霊という存在を信じていて、グリアの言葉も信じていると?
「これは再教育が必要だな」
「ふぇ?」
「いや、こっちの話だ。
幽霊のことなら心配ないさ」
「でも!」
「心配ない、わかったら寝ろ」
「…はい、かしこまりました」
ライアはトボトボと自室へ戻っていった。
入学前から学園のことをやけに楽しみにしていて、実際に仲の良い友達が得られて楽しいんだろう。
はぁ、せっかく別邸に過ごしているのに意味がなかったようだ。
さて、どうしてやろうか。
色々とシミュレーションしていると、グリアがやってきたので考えを止めて学園へ向かった。
「というわけで、警備員さん達には賄賂を渡しているから隠れたりする必要はないよ」
「流石です」
深夜の学園には、当然警備員などもいるだろうから何か策があるのかと思ったら既に金を渡しているとは…
「もう、ジルア君?2人の時は口調を崩してよ。
僕らは将来兄弟になるんだからさ」
どうでも良いことで少し機嫌が悪くなるグリア。
全く、頭は良くてもガキの相手は面倒だ。
「はいはい。わかってるよグリア。
つい、癖になってるんだ。許してくれ」
「うん、よろしい!」
と、どうでもいい会話をしながら学園へ侵入。
近くを通る警備員達は俺達を見ると口笛を吹いてソッポを向く。
なるほど、賄賂は凄いな。
そして、薬学室のドアが見えてきたところでグリアはポケットの中に入れていたゴーグルを取り出した。
「ジルア君も使って!
これで目を守らないとね!」
「…ありがとう」
棒読みで感謝してゴーグルを受け取るが付ける気は…グリアがじっと見つめてきた。
付けるのを待っているのだろう。
はぁ。
「よし、じゃあ行こうか!
この警備員さんから貰った鍵で…よし!」
ガチャリと解錠されドアが開かれた。
「「うっ」」
開けた瞬間、トマトが腐ったような臭いを凝縮したような臭いがした。反射的に風魔法で新鮮な空気を俺とグリアの周辺に発生させる。
「ゴホッゴホッ!凄い臭いだったね…
けど、すぐ消えたし、中に入ってみようか!」
「そうだな」
中に入って辺を見渡す。
普通の教室と同じぐらいの大きさで、地球の理科室と同じような作りだな。
壁側には棚があり、様々な薬草らしきものが並べられている。
その隣には説明分らしきものが添えられているので分かりやすい。
「ふむふむ」
地球にあるようなものと、ファンタジーなものまで種類が多いな。
「ねえ、ジルア君。
コレなんだろう?あ、説明書がある」
「うん?」
グリアの方を見ると業務用空気清浄機のようなものが置いてあった。
そして説明書に目をやる。
どうやらコレは薬学室にある毒草に有効な解毒作用のある薬草を全てブレンドして特殊な方法で無色透明な空気にする魔道具らしい。
万が一にも毒草の毒が気化した時の対策か。
「コレのせいであんな臭いがしたのか!」
「へぇ。なるほどね」
「どうしたの?何か分かったの?」
「いや、何でもないよ」
コレは使えるな。
ガスと似た理由で【敢えて】変な臭いがしている可能性が高いな。
あとコレに毒草を入れたりしたら…
ははっ、中々に面白いものを見つけることが出来た。
その後、色々と調べてみたが毒を液化させたものだったり毒を持つ生物から毒を抽出する魔道具など様々なものを見つけたりした。
そして当然なのだが幽霊が現れることは無かった。
「こんな小説を読んでみたいなあ」という感じで頭の中をフワフワさせながら書いた短編を投稿しました。
読んで貰えると幸いです。




