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勝利と手に入れた権利

戦争は書いててつまらない上に、面白くならなそうだったため速攻で終わらせました。

今回も2つの視点があります。

ジルア→久しぶりの登場ザルム視点です。

突然の行動に対する反論などは特になく…いや、あるにはあったが「口だけじゃ説得力ないし、信じないでしょ?」と言ったら黙ってしまった。


「…では弓矢と魔法に対する対処はジルア殿に任せるが、魔法の維持等が難しくなったら直ぐに他の後方支援の者に言うこと」


「うん、わかってるよ」


俺は私兵長に対し、緩く返事をした。


「こほん!これより戦争を開始する。

敵は我らの地を長年侵略しようとしてきた蛮族だ!今こそハッキリ教えてやろう!

この地は誰のものなのか!

誰に手を出してしまったのか!

突撃だああああああああ!」


「「「うおおおおおお!」」」


私兵長の声に全員が雄叫びをあげ隣国へ突撃していくと、すぐに隣国の遠距離攻撃の射程距離に入り、雨のように弓矢と魔法が降り注ぐ。

何人かの私兵達は馬の速度を落とした。

そうでなくとも、ほとんどの者が襲ってくる攻撃を見ていた。

まあ、俺の魔法に全てを委ねるのは難しいか。


しかし彼らの心配は無駄に終わり、俺の魔法の前に音もなく消え去った。

その光景を見て、私兵長は口を開いた。


「臆せず!このまま進めええええ!」


「「「うおおおおおお!」」」


俺の魔法に半信半疑だった者達は私兵長の言葉に勢いを増して馬を走らせる。

というか、意外にも私兵長は俺の魔法に対しては信用していたようで、誰もが襲ってくる弓矢と魔法を見ている中で1人だけ敵だけを見ていた。


「さて、ここからが本番だな」


私兵達が隣国の騎乗部隊と交戦する直前に誰にも聞かれることなく呟いた。

今回の戦争での、俺の目標は無傷での完全勝利。

肉弾戦でも傷1つ付かせることは許さない。


オートで攻撃から私兵達の身を守るアイギスを手動に変えて、私兵達の背中に位置させる。

アイギスは敵の攻撃のみを防御して味方の攻撃は通すが説明を忘れていたし、説明してもアイギスは敵の攻撃を完全に防ぐ壁だ。

視界にあると、どうしても身体が反応してしまい動きが阻害される可能性があるから危険だ。


そのため私兵達の視界から外した。


なので、ここからは私兵達を全員確認して当たりそうになった攻撃を全て当たる前に魔法をぶつけ攻撃を止める。


それは隣国の王の首を取るまで続いた。


そう戦争は無事に勝利した。

可能な限り弱らせていた相手だ。

俺の目標もすんなりと達成して、新聞などで注目され国を挙げて大いに盛り上がった。

そして、これにより王女ルナと婚約しても問題ないほどの功績を築いたと認められ、いくつかの勲章を与えられた。


ちなみにリーム家からは大きな土地と別荘を与えられることとなった。

ただリーム家は隣国から奪った土地や人の管理でしばらく忙しく、俺にくれる土地の選定は未だ先のこととなるようだ。

別荘はリーム家のすぐ隣に建てられるらしい。


・・・・・・


「流石私の息子だ!」


豪勢な食事を用意して息子、ジルアを讃える。私に似て頭が良く、私より運が良い…いや、私も運は良いのだがジルア並みの運があれば私は既に国王になれていただろう。

それがもどかしい。

まあ、ジルアがルナ王女と結婚し国王となったら実質私が国のトップだからな。

それまでの辛抱だ。


「褒美をやらねばならんな!」


「でしたら、国賊から取り返した領地の実質的な運営をさせてください。

もうすぐ学園に入学するので、1年ほどですが、実際に領地を運営することで他者との差をより大きくしたいのです」


「ふむ」


ジルアの言葉に腕を組んで悩む。

私も卒業生だが、王都の学園で貴族が学ぶのは領地の運営方法ぐらいだ。

家の跡取りにならない者のために騎士や文官の講義もあるが、基本的にこれらは自由参加で、ある程度知識が身についてからは派閥作りの真似事や跡取りにならない者をスカウトする場となる。


学園生活では知識が身についてからの方が重要だ。今後の進退に大きく関わるからな。

それを考えると領地運営を実際にするという経験はジルアにとって大きなプラスとなるだろう。

だが、私の領地を息子であろうと他の者に任せるのは嫌だ。


そんな私の思考を見越してか、ジルアは代案を口にした。


「もしくは我が家から近い魔物の出る森の入退場を許可制にして、その認可の権利を僕にくれないでしょうか?

若き英雄と持て囃されていますが、実力はまだまだ足りません。

魔物相手に修行したいのですが、誰かに見られたら恥ずかしいので…それとラルフさんとの修行のレパートリーも増えると思います」


「いいだろう」


ジルアの代案に即答してやった。

領地を半分でも任せるのと比べたら、私に何のデメリットもない提案だ。


「ありがとうございます!

そう言われると思って契約書も用意してたので、サインをお願いします!」


なんと、抜け目のないやつだ。

流石、私の息子なだけはある。

私は喜んでサインをしてやった。


この時、しっかりと契約書の内容を確認していれば…あるいは契約書を準備していた周到さを疑問に思っていれば…もしくはジルアが出した契約書について詳しく知っていれば…

ジルアに領地を奪われることは無かっただろう。


ーー

契約書


ゾルート領内にあり、ゾルート家から半径1.5km以内から存在する森は全てジルア=ゾルートの許可なく、出入りを禁ずる。

許可なく出入りした者に特に罰はない。

しかし許可なく森へ出入りした際に怪我を負っても、全ては許可なく出入りした者の責任であり、ゾルート家およびジルア=ゾルートに一切の過失はないものとする。

ーー

契約書にちゃんと目を通さずにサインしてはいけないですよ。


疑問に思われる方もいるかもしれないので、今回の戦争について少し話します。


Q:なんでリーム家の私兵だけで戦争してんの?


A:リーム家は私兵に絶対的な自信を持っていて、事実王都の騎士団並みの力を有している。

それに領地が王都からかなり離れたところにあるので、王都からの増援には時間と食料等の費用がかかるので不要と判断。そもそも隣国はそこまで大きくないため。


Q:ジルアの「種まき」は効果あったの?


A:ありました。

魔物肉を食した隣国の民15%が死に、流布された情報により国から離れた者が5%、水質汚染等で家畜が全滅、隣国の兵士達は飢え&腹を下した状態での戦争を余儀なくされました。

描写はないけどね。


・このように大分端折ったので疑問が多いと思います。

コメントで言って貰えれば回答します。

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