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普通の大学教授の祖父だと思ってたのに  作者: 綿ダッコ
第1章〜幼馴染〜

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プロローグ

 「咲翔(さくと)〜!!」


 俺は、杏堂咲翔(からももどう さくと)

城洛高校(じょうらくこうこう)に入学する、ピカピカの高校1年生だ。


「こんな朝早くてもしゃぁなくない?葵音(あおね)がおったら、迷わずに行けるやろ」


「だって、何かあったらダメじゃん」


 そして、一緒に登校しているのは幼馴染の、新口葵音(あらぐち あおね)だ。

小中と同じ学校で過ごしてきた。

そして、高校も同じところに進学した。


「葵音らしいな(笑)」


「バカにしてる?」


 葵音は、頬を膨らました。

その顔は、桜のようにほんのり赤みがかっていた。


「してないって(笑)褒め言葉や」


「言い方があるじゃん」


 葵音は、膨らました頬を萎めて、ほんのり笑った。


「ごめんて(笑)」


「じゃあ、行くよ。遅れたらダメだし」


 駅に向かって、桜が植えられている大通りを歩く。


「桜綺麗だね〜」


「そうやな。あと何回見ることになるんやろうか」


「ここに住む限りだったら、ずっと見れるでしょ(笑)」


「それもそうか(笑)」


「あっ、そうだ。写真撮ってよ」


「遅れたらあかんって言ってなかった?」


「そのために早く出たんじゃん(笑)」


「そのためかよ(笑)」


「早く撮って〜」


 葵音は小さい子のように桜の木の下まで駆けていく。


「分かった分かった(笑)じゃあ、スマホ貸して」


「え?咲翔のスマホで撮ってよ」


「え?葵音のスマホで撮ったほうが手っ取り早くね?」


「幼馴染の一生に一度の写真要らないの!?」


「いや、俺は親かなんかか!?」


「いいから、いいから」


 小中高と一緒で、要るも要らんもないんよな…………。


「はい、チーズ」


 葵音は、桜の木の下でポーズを取った。


 いつも思うけど、葵音って写真写りええよな。

俺とはえらい違いや。それで撮ることが多くなるうちに、撮る技術もまぁまぁ上がった気がする…………。

葵音は葵音で、写真撮られるの大好きやしな。


「撮れた〜?」


「撮れたで。葵音って、写真写りええよな」


「そう?意識したこと無かったな〜」


「そうなんや。てっきり、意識してるもんやと思ってた」


「しっかり、撮ったやつ送ってね?」


「忘れんうちに送っとこ。………………よし、送ったで」


「ありがとう。じゃあ、行こっか」


 しかし、2人は知らなかった。

期待に満ちた目の前の景色の後ろで、暗雲が立ち込めていることを。

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