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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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21話 新たな旅立ち 21-3

そこにあったのは草薙剣だった。

真・神機の愛刀。

凪が神機と共に戦い続けた剣だ。


「なんでこれが…。」

この剣はあの時、真・神機と共に封印されたはず。

つまり、大岩の中にあるはずなのだ。


それが今、ここにある。

(採掘したのか…?)

凪は疑問に感じた。


不意に声がした。


(凪。)

凪はその懐かしい声に驚愕する。

そして、涙する。


凪の張りつめた糸が切れた。

何故焦っていたのか?


自分は色々な人を助けなければならない。

そう思って気ばかりが先行していたことに気付く。


それを澪が教えてくれた気がした。

そして、豪の言葉が身に染みていく。

「確かにこれは今、俺に必要なものかもしれない。」


凪は苦笑する。

何故、今これがここにあるのかは考えない。

量産型武尊・肆が草薙剣の柄を握る。


「澪ちゃん…。

必ず助けに行くからね。」

凪は自分の使命を改めて心に刻む。


草薙剣を装備した。

久しぶりの愛刀。

何故だか手に馴染む。


柄を握った瞬間だった。

剣筋が自然と頭に浮かぶ。

真・神機とは違う。

しかし、不思議と迷いはなかった。


量産型武尊・肆は格納庫を出る。

そして、豪のもとへ向かう。

愛刀をその手に携えて。




茜たちは怪獣と交戦していた。

三機は連携し、純粋種を包囲する。


茜と凛の二機は銃をサブマシンガンモードに切り替え、側面から純粋種を翻弄する。

「凛!」

「了解!」


二機は純粋種の槍のような根を撃ち落とす。

純粋種の気を二人に逸らしていく。


「レイ、任せるよ!」

茜はモニターの小ウインドウでレイの位置を確認する。

レイの武尊がライフルを構えている。


「了解…。」

レイは照準を純粋種の頭に定める。

武尊が照準を修正していく。


二機が純粋種を翻弄するのを確認する。

根が不気味に蠢き、頭が見えない。


レイは息を吐く。

「…。」


「こっちよ!」

茜の武尊がマシンガンを撃ち、飛び上がる。

純粋種の根が茜の武尊に集中する。


隙ができた。

純粋種の頭が見える。

量産型武尊・弐がライフルが火を噴いた。


ライフルの弾が純粋種の頭に迫る。


命中。

レイのライフルが純粋種の頭を吹っ飛ばした。


純粋種の根が不気味に蠢く。

そして、茜の武尊に向かっていた根の槍がレイの武尊に迫る。


「…!」

凛の武尊がマシンガンを放つ。

そして、レイの武尊に迫る根を撃ち落としていく。


「くっ…!」

(私の判断ミス…!)

茜はそんな言葉が頭を過る。

しかし、その言葉を振り払う。


(今は凜を信じる…!)

量産型武尊・壱は腰の剣を装備した。

そして、純粋種に一直線に迫っていった。




武尊弐型はもう一方の純粋種の攻撃を回避する。

そして、マシンガンを撃ちこみ、根の槍を撃ち落としていく。


(決定打がない…!)

豪はそう考える。


武尊は中、遠距離で設計されている。

そして、運用は連携を基本とする。


武尊のパイロットを守るため。

近接戦は怪獣と接敵する。

それは危険を伴うということ。


なので、軍は複数運用が可能のように量産化計画を急いだ。

何故、そこまでパイロットを気にするかというと、豪の初戦に起因する。

あの時の大敗。

それがパイロットの生存させなければならないという考えを固執させていった。


しかし、現状はどうか?


「くっ…。」

豪は残弾を確認する。

一人で到底戦えるものではなくなっている。


豪は考える。

(神機がいたころは…。)


真・神機が前に出る。

その安心感があった。


重火器が悪いわけではない。

これも役に立つ。

しかし、それはやはり複数運用前提なのではないかと思う。


怪獣の根の槍を撃ち落とす。

現状、それしかできていない自分に苦笑する。

「武器は使いようかもしれんが…!」


武尊弐型はマシンガンを放つ。

豪は残弾を確認する。

弾切れのサインが赤く点滅している。


「くっ…!」

武尊弐型は回避しつつカートリッジをパージする。

純粋種の攻撃を回避しつつ、予備のカートリッジを入れる。


(どうする…?)

豪が純粋種を見据える。


「豪さん!」

通信が入る。


「凪…!」

凪の顔が小ウインドウに映る。

顔つきが変わっていると感じた。


(吹っ切れたか。)

豪はそう思いながら、指示を出す。

「凪は前に出ろ!

俺が援護する!」


「了解!」

量産型武尊・肆は根の槍を斬り刻む。

そして、前に出た。




量産型武尊・肆が焔の上空を通り過ぎた。

その手には、草薙剣。


「あれは…!」

焔は目を見開く。


「まさか…凪…?」

草薙剣を持てる者。

それは凪しかいない。


(お前も前に進んでいるんだな…。)

焔は量産型武尊・肆から目が離せない。


「人間って…。」

焔の中にまだ答えはない。


焔は量産型武尊・肆の中の凪を見据える。

そして、この戦いをなぜか見届けよう。

そう思った。

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