ドラゴン達と人間と世界の現実と
ボックス席に皆で座り、テーブルには様々なハンバーガーと、シルバーさんには蕎麦を用意してみた。
『箸もありますが、持ち方はこうです』
「こうかの?」
箸を私みたいに持ち、蕎麦を食べると、微笑みながら「美味い」と呟いた。
ドラゴンは器用なのかな…。
「唯璃お姉ちゃん、コレ何?」
『コレはチキンナゲット。このケチャップかマスタードをどちらか付けて食べるの』
「…」
『舐めてみて?』
小さいスプーンにケチャップとマスタードそれぞれ付けて舐めさせる。
「私ケチャップ!」
『ケチャップどうぞ』
「私も舐めてみるわ…マスタードかしら(笑)」
「ふむふむ…俺はケチャップ」
「どれ…マスタードじゃの」
ワイワイしながら食事を済ませ、シルバーさんの質問の答えをどうするか考える。
「嬢ちゃん、凄いの。儂の古傷も体力魔力も全回復じゃ。
エンシェントドラゴン自ら言わせてもらう。儂と契約をオススメする。こんな料理を人間が食べれば…嬢ちゃんは馬車馬のように働かせられ、戦に利用されるじゃろ…」
『い、戦…戦争?』
「うむ。今は物資もなく、民の体力は無い、餓死も当たり前じゃからな…」
「じーさんの話は…一理あるが…急げ人間達がくる…俺達と契約しとけ!」
『え、あ…は、はいぃぃ』
ギリギリのラインで契約を済ますと、ズダボロな家族が来た。両親と10歳ぐらいの女の子。
【五雨唯璃、コチラから彼等に話をする。唯璃は…神である自分が呼び寄せた、と】
【…お願いします…】
私はテーブルのゴミを捨てて、掃除をすると、家族を案内する。
『いらっしゃいませ、幕百寿ハンバーガーショップへようこそ!』
「…水を…ほし…い」
『大丈夫ですか?お水です、どうぞ』
3人家族はゴクゴクと水を飲み、氷まで食べてしまう。
顔を上げるとありがとうございますと1枚の銀貨を差し出した。
きっと彼等の所持金で、大事なお金だろうし、最後の所持金かもしれない。
私はリカちゃん達に、この世界の人間達は最低だと聞いた。
『幕百寿ハンバーガーショップへよう「主等、その服装はワザとじゃろ」…へ?』
シルバーさんが私の前に立ち塞がる。
「いくらボロボロに見せかけても、程良く肉付きも良いしな。老人の眼は騙せぬぞ」
「なー…嬢ちゃん。俺達と商売しよう。こんな美味い水、綺麗な氷を出せるなら、金貨50枚は取れるぜ」
「私達が経営するわ。貴女は、邪魔しなければ…ね?」
ゾクリとした。
多分私もリカちゃん達も殺すつもりだ。
「お前がコイツを?なら…俺達から相手になるぜ」
「うふふ。唯璃ちゃん、下がって」
「皆強いから大丈夫!」
物騒だ…この世界。
「スゲー美人だぜ…」
「イケメン、私のヒモになりなさい」
子供は俯くままで、私は子供だから避難させようと近付こうとしたら、私はエメラルド・デ・エメラルデ…メラさんに止められた。
「唯璃ちゃん、不用意に近付いちゃダーメ」
『でも…』
「10歳ぐらいね、なら、自分の立場を理解していて何かしらしてくるわ」
「唯璃お姉ちゃん、シッカリして。見て、袖に何かしら隠してる…」
「なーんだ、バレたんだ(笑)」
愕然とした。
たった10歳の少女、か弱い少女はニンマリ笑った。
『……』
「フェア、唯璃を連れて奥に隠れていろ。唯璃には…この世界の現実は辛すぎる」
「うむ。フェア、頼むぞ」
「お願いね♥」
「任せて」
私はリカちゃんに連れられ、従業員控室に来た。
「唯璃お姉ちゃん、この世界の現実は、唯璃お姉ちゃんには本当に辛いかもしれない。
唯璃お姉ちゃんは、優しいから。優しいからこそ、騙され傷付く。
だから、私達は唯璃お姉ちゃんを守るために契約したの」
『…まだ、あんな…小さい』
「うん。小さい子供も生きるために必死なんだ…」
『ハンバーガーあげたら…』
「駄目だよ…絶対。そしたら、仲間を連れてきて大変な自体になるよ…」
『……』
「エルフやドワーフや魔族なら構わないよ。私達ドラゴンと協定を結んでるからね」
『…うん』
「…唯璃お姉ちゃん…」
多分3人は、あの家族を許さないのだろう。
だって…店の扉が開く軽快な音が鳴ったから。
「泣かないで」
リカちゃんが私を優しく抱きしめてくれた。
「大丈夫だから」
私はリカちゃんを抱き締めたまま寝付いてしまった。
「寝かせたのか」
「うん。唯璃お姉ちゃんにはこの世界の現実はキツイよ」
「…神も酷なことを…」
「私ね、唯璃お姉ちゃんの力になりたい」
「私もよ」
「ふむ…ならばまずは自分を護れるように護身術を教えよう」
「体術なら爺さんが得意だからな」
「剣術は…」
「俺だな」
「なら私はこの世界の知識」
「私は簡単な魔術かな…」
ドラゴン達は、自分達の仲間を自分達の事を、成り行きとはいえ飢えを助け、と全回復をしてくれた少女を、ただただ見つめていた。
読んでいただきありがとうございます。
感想、誤字脱字、お待ちしてます。
コレから、文章の手直しをし始めます。
ココの描写くわしく!などありましたら、お知らせください。
手直しに関しては今週中に終わらせ、エルフやドワーフを出していきたいです。




