第84話 ギルマスと面会して、フィーリアを登録しラスとバウも紹介した
「こんにちは~」
「おう、戻ったか。場長と話してたのか?」
「うん。あと、精算をね。で、どうしたの?」
「いやな、お前がミッドアス大国で大討伐をしたって噂が広がったから。それ以外にも、貴族を粛正したり、いろいろ大変だったらしいな」
「なんでそんな情報が流れてるんだよ。個人の情報を勝手に流すなよな。討伐のことは現地のギルドだろうね。本当にまいるよ」
「でも、事実なんだろう?」
「まあ、そうだけど」
「やっぱりな。ダンジョン都市に行ったんじゃなかったか?」
いったけど、つまらなかったと話した。ランクSのダンジョンは最下層までいったといえば、驚いてたね。まあ、そんなものだよ。
「それで、Bランク以上でどれくらいいた?」
「総数五万九千九百九十八頭とSランクが一頭。それだけだよ」
「うっ、それは時間がかかったろ」
「半日ちょっとかなぁ。半日かからなかったか。まあ、それくらい。俺とハクとアレックス、ニジでな」
おいおい。どういうことだよ。と聞かれてもね。
魔法一択で終わりだと告げた。
ニジが雷の上級魔法でかなり仕留めた。他の二人は凍結だろうな。西のダンジョン周りは任せた。それと途中までの街道をね。
俺は単独行動だったから、一人でやった。東のダンジョン周りから街道の途中まで。途中で盗賊に襲われてる馬車を見つけたから、護衛たちも人数に押されててね。で、助けに入ったら、このフィーリアがいた。
「そうだ、フィーリアの従魔登録ね。眷属になってるから。あと、もう一頭いるんだけど、遊びに行ってるから戻ったら登録ね。まあ、眷属だからどっちでもいいんだけど」
「はあ? で、その子は見たことのない魔物だが」
「新種だって。フォクシアって種類名をつけたから」
「……なるほどな。じゃあ、おう、その。なんだ……登録しようか」
目の前に出された紙を書くのはラスだ。
「新しいメンバーか?」
「ああ、今書いてるのはラス。最高ランクの文官で、うちの料理番だ。で、こっちがバウ。Sランク冒険者だな。あとひとり、助けた奴隷商に礼だともらった奴隷がいる。ナナというが、素人だったが、パトリオットに少し訓練してもらったんだ。でも、ちょっと難ありだな。俺にして見れば、甘えているとしかいいようがない。今日から、薬草採取の依頼を受けろといってある。もし、どこかのパーティが拾うなら引き受けてもらう。一応、斥候のスキルはあるけど、まあ、初心者だ」
なるほど、とギルマスが何か考えてる。
「俺のところにいるからって、人間的には保証しない。当事者同士が組むならいいけど、絶対にお前が紹介するなよ。何があっても俺は知らんぞ」
「おい、それほどか?」
「まあ、俺の感覚だけどな。甘えられて頼られるのが好みのやつなら多少戦えるし、いいんじゃないか? 金はいらないから、奴隷紋の変更費用だけでいい。ちゃんと奴隷商でやってもらう。あとは本人が話すだろ」
なるほど、と頷いてるな。
これでいいですか? と聞かれて、この眷属にチェックをと言えば、ちょんとチェックした。
フィーリアで、新種フォクシア
うん、これでいいだろ。
ギルマスも確認して副ギルマスに渡した。
綺麗な字だなぁ、と呟いてたけど。
じゃあ、従魔の首輪は、こっちで買うよといえば、いつものだろ? と聞かれたので、あたり~と言っておく。
「さて。ケーキもでないから、次に行くか」
「あー! 悪い、お前大好きだったのにな。次には用意しておくから、な」
別にいいよ~と部屋を出た。
階段を降りると、ナナが楽しそうに笑ってる。相手は数人のパーティーらしい。
「あ、ご主人様。あの、今から依頼に行きたいです。薬草と、この人たちの魔物討伐ですが、一緒にいってもいいですか?」
「いいけど。今から行ったら戻って来られないぞ?」
「そ、そうなんですけど……」
「あんたがこの子の主か。とりあえず、薬草を採取して、野営する。明日の早朝から魔物を狩って戻るから」
「ああ、いいぞ。別に俺は行動を制限してはいない。いい勉強になるだろう。で、お前たちのランクは?」
「全員Cランクだ。だから任せてくれ!」
「おう、好きにしろ。とりあえずの訓練はしたと思う。短剣を使うが、棒でもあればもっと強いと思うぞ」
「わかった。じゃあ、引き受けるから」
ひらひらと手を振って、俺たちはギルドを出た。
「変な主だな」って、聞こえてるぞ!
外にでたら、肉串屋のオヤジさんがいた。
「よう、戻ったのか?」
「うん。さっきね。早く焼けるのあるか?」
「おう。今ならあるぞ」
「じゃあ、五十本以上いける?」
とりあえず、オヤジの言うとおり、二種類を五十本ずつ頼んだ。隣りにいって、揚げ物を覗く。コロッケと、魚のフライ、野菜のフライをできるだけ多く頼むことにした。その隣りのつくねもどきの兄ちゃんにも何本いい? と問えば、七十本でというので、頼んだ。
果実水の兄さんがいたので聞いてみたら、今日は箱ではないらしい。じゃあ、明日何箱頼める? と聞いて、とりあえず、木箱入り二箱分金を払ってラスに回収させることにした。もし、明日、追加できそうなら何本? と聞かれたので、いくらでもほしいと伝えた。じゃあ、明日、改めて話すことにした。
順番にできあがってゆくので、とりあえず、半分ずつ俺とラスが入れてゆく。ふむ。これだけあれば、数日はあるか。
じゃあ、待つ間に、依頼を見てみるというので、バウは中に入った。
肉串屋の隣りにサンドイッチとホットドッグを売る店ができてたので、ラスたちと味見する。
これ、このソースはトマトソースだろうよ。それにマスタード。キャベツによく焼いたソーセージだな。
「旨い!」と思わず叫んでしまった。
トマトソースの適度な酸味とピリッとしたマスタード、そしてソーセージのパリッと感が懐かしい。
ラスはサンドイッチを食べて、中々おいしいですという。ニジとフィーリアはどちらもすぐに完食した。
「あるじぃ~、しょしぇじ、のほち~、しゃんろっちも~」
「わかった。じゃあ、あるだけ買うか?」
う~ん、というので、鑑定しても今朝作ったばかりで問題ない。
「これ、全部もらっていいか?」
「へ? ぜ、全部、ですか? いいんでしょうか」
「ああ。旨いからな。良かったら売ってくれ。大食いが他にもいるんだよ。だからどれだけあっても困らない」
「あ、ありがとうございます。もう少しあるんですが」
「いいぞ。全部くれ。鑑定しても朝作ったばかりで新鮮だしな」
ありがとうございます! と十個ずつ紙の袋に入れてくれる。ホットドッグとサンドイッチは二袋ずつ、ニジがアイテムボックスに入れた。アレックスも同じように入れたぞ。
そういえば、フィーリアにアイテムボックスを渡してないな。戻ったらブレスレットを渡そう。
おやつを確保したニジは、上機嫌だ。果実水の冷えたものも買ってくれというので、買い増しだよ。二十本ずつ、ニジとアレックスに渡す。俺たちも一応買いましょう。喉が渇くからな。
俺のは五十本になった。兄さんは、慌てて冷蔵のマジックアイテムに入れてる。ごめんね、お兄さん~
フィーリアの入れ物を取り出せば、ニジが入れてくれる。それをゴクゴク飲みながら、サンドイッチ食ってるぞ。ニジとアレックスは小瓶なのでゴクゴク飲んでる。本当に可愛いね。
バウが戻った頃に、やっと全ての料理が完了。
俺は金を払う人、ラスは受け取る人になってる。笑っちゃうぞ。
ありがとう、とやっとギルドを離れる。
歩きながら、ラスがバウにホットドッグを渡してた。あと、果実水もね。揚げ物が欲しいというニジだけど、歩きながらは難しい。「フィーリアの背中が汚れるぞ」と言えばあきらめたらしい。
街を歩いていると、ハクとパトリオットがやっと戻って来た。
そしてゆっくりと地上に降りてくる。
「遅くなりました。申し訳ございません」
「どうした、何かあったか?」
「はい。一応、ウイルに連絡を入れたんですが、タケル様が来てないのかと大騒ぎで。一緒に行くと泣き出したんです。それをなだめる方が、ギルドの仕事より時間がかかりました」
「なんだよ、それ。面白いな、ウイルは。まあ、あの街にはいかないだろうけどなぁ。また機会があればウイルには会いたいと思う。その時には連絡するよ」
「その方がいいと思います。そうでないと、なぜ、私だけ、と攻められました」
「あはは、面白いな。お疲れさん。そうだ、お前たち、ここで空間に入るか? ギルドの前の肉串とかサンドイッチとか、ラスが持ってるぞ。フィーリアは戻ってからになる。俺は、ヒラリの店にいく。フィーリアの従魔の首輪だ。あそこしかまともなのがないからな」
「うん、そうしようかな。ウイルの叫び声が耳から離れないんだ」
「ニジとアレックスはどうする?」
「ニジはあるじと、ふぃりあと、いっちょ~」
「おれも~」
「わかった。じゃあ、大丈夫そうならハク、あとでラスを連れてきてやってくれ。あの商会はよく使うからな」
「うん。ひと休みしてから行くよ~」
じゃあ、と手を上げれば、ハクたちは引き返して行った。
再び歩いて、商人ギルドによろうかと思ったが、今日でなくてもいいか、と通りすぎた。
ここが王城だといえば、なるほど、とフィーリアは遠くを見上げている。
そこを通りすぎれば、見えてきたよ、ヒラリの店が。
「こんにちは~」
「いらっしゃいませ、タケルさん。お戻りになっていたのですね」
「うん。朝戻った。やっとここまでたどり着いたよ」
「どうぞ、こちらからお入りください」
従魔と入れる入り口を入る。
フィーリアにあそこの絨毯の上でくつろいでてくれと言っておく。ニジアレックスも一緒に向かった。
「それで、本日は何をお探しですか?」
「従魔の首輪だ。あの子のともう一本は一番デカいやつがいい」
「ほう? この子も見たことがない種類ですね。他の一頭も気になりますが」
「この子はフォクシアという新種だ。名前はフィーリア。もう一頭は、今は遊びにというか友達のところに行ってるけど、黒竜のクロノスだ」
「は? こ、黒竜。ブラックドラゴン、ということですか?」
「うん、そうだ。二百歳くらいの大人だな。人型にもなれるから、今度連れてくるよ」
「は! ぜ、ぜひお目にかかりたいです。夢のようですね。しばらくはおられるのですか?」
あはは、興味があるんだな、ヒラリ。その思いは理解できるよ。
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【あとがき】
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