表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類の罪  作者:
止まっていた時間
44/89

おかえり

「さぁ、そろそろ行くぞ。」


柊木さんが言うと、俺らは体を起こした。


「で?どっちだ?」


……柊木さんも分からんのかいー。


「こっちですね。多分歩いて10分ぐらいで車の場所に着きますよ。確かこの近くは防犯カメラとかもないので、大丈夫です。」


歩き出そうとした時に、聞き慣れた鳴き声が聞こえた。


「カァー。」


上を見ると、ソラがいた。俺らの頭上で何回か回った後、鳴き声を上げて去って行った。


……また、いつか会えるよね。


なぜか、そんな気がした。


そう思っていると、縛と柊木さんに呼ばれた。


「佐伯ー。」


「正樹さんー。帰りますよー。」


俺は2人の所に走って行く。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


無事ホテルに戻ると部屋には真美ちゃんと結愛ちゃんがいた。


2人は少し安堵した顔をした後、


「もう!遅い!」


と柊木さんに怒っていた。


そして、俺らに


「おかえり。」


と言っては、俺らを順番に真美ちゃんが抱きしめる。


……おかえり。


たった四文字なのに、なんでこんなに安心するんだろう。なんだか、目と鼻から涙が出そう。


俺が感動していると、真美ちゃんが


「冷たい〜!濡れてる?よくそのままホテルに入れたわね!」


と少しぷんぷんしていた。


俺らがへへっと笑っていると、服を渡され、大浴場に行く事を命じられた。


Yes!mum!


大浴場に着くと、服を脱ぎ始めた柊木さんと縛。俺は、なんだか脱げずにいると、柊木さんが声を掛ける。


「どうした?」


「………俺、人と風呂入った事なくて。」


そう言うと柊木さんがまたもや俺の頭を叩く。


ぺちん。


「もう来たんだから、恥ずかしがらずに服脱げ。風邪引くぞ。」


………もうすでに風邪ひいてる。と言おうと思ったが、柊木さんがこっちを見る。うん。言ったら怒られる。


そう思って俺は渋々服を脱ぐ。


そんな俺らがやり取りをしているのにも関わらず、縛はマイペースに準備をしていた。


なんなら鼻歌まで歌ってる。


そんなに風呂が好きか?初めて知ったわぁ。


そう思いながら縛を見ていると、縛はズボンを手に持って、ポケットを探っていた。


なんだ?


「あった。」


そう出したのはアヒルの隊長。やっぱ趣味だったのかぁ。いや、待って。そのポケット本当どんだけ入るの!?


いや、それよりまさか潜入中ずっと、ポケットにアヒルの隊長がいたの!?


俺は驚きを隠せず縛を見ていると、何やら勘違いした柊木さんが。


「思春期じゃないんだから、はよ行くぞ。」


柊木さんに引っ張られて、シャワーに行く。


暖かい水が体に染みる〜。


シャンプーやボディソープなどを使って洗っていると、近くにいた縛はもう洗い終わってた。早くない?


「縛、早くない?」


俺が言うと、縛がこっちを見る。


「違いますよ、正樹さんが遅いです。」


そう言われて、そうかなぁと思いながら体を洗って行く。


大浴場に入ろうと、近付くと。


アヒルの隊長の周りにおじさん達が群がっていた。どうやら人気なようです。


俺は外にある洞窟風呂に行く事にした。


薄暗い室内にヒーリング音楽、そして暖かいお湯。最高〜〜。


そう思って目を閉じると、俺は眠ってしまった。


次に目を覚ました時には、うちわであおがれていた。


「ったく、お前は少し目を離すとすぐこれだ。」


そう言って柊木さんがうちわであおいでくれる。


「正樹さん、大丈夫ですか?」


縛はポカリを持って、俺に飲ませる。


「……うん。」


そう言って、俺は目を閉じた。


「笑ってやがる。なんだ?」


「これ……眠ってないですか?」


そんな声が聞こえる。


誰かの声が聞こえる。


誰かが隣にいる。


もう寂しくない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ